自己顕示欲とジェンダー平等
人生いろいろ、SNSもいろいろ
数あるSNSの中で、筆者はインスタグラムは内職の業務案内と、車椅子ユーザーとして気付いた街中の設備についての情報共有にしか使っていません。著名人による投稿も、テレビやネットのニュースやX(Twitter)経由でたまに見る程度です。
お仕事
そんな筆者は最近、お仕事の調べ物でインスタを使う機会がめっきり増えました。
ひと昔前は、写真はフィルムカメラや写ルンです(フィルムにカメラレンズが付いた、いわゆる使い捨てカメラ。わからないひとは、おじいちゃんやおばあちゃんにきいてみてね)で撮影して、街の写真機店で現像してもらうのがお決まりでした。現像されるまでの数日間は、いつもワクワクしましたね。
しかし、ここ三十年は、家庭用ビデオカメラやデジタルカメラ、カメラ付きケータイにスマートフォン、動画サイトやSNSの急速な普及の影響で、撮影や被写体慣れした人々が年々増加中です。
ひと昔前は、このようなポーズでファインダーに収まるケースが今よりも多かったですね。
しかし、インスタ検索をしていると、多種多様な
方達による多種多様な投稿が散見されるので、良くも悪くも被写体さんの人生の縮図や、地域色が如実に現れることがわかります。
投稿いろいろ
仕事とはいえ、ほっこりする投稿にあたる一方で、誰がどう見ても不快に感じやすい投稿も散見されます。これは、著名人偽広告問題同様に由々しき問題ですね。
インスタの投稿は、おもに次のタイプに分類されますね。
日々を懸命に生きる人々
・プロのカメラマンの方による、過疎地で懸命に暮らす人々の日常を切り取った投稿には、被写体の人々がこれまでに歩まれた人生や息遣いが刻まれていますね。見ていて心を動かされます。
・企業さんや教育機関さんによる公式投稿には、製品の開発に携われたスタッフさんによる裏話や、教育機関さんと地域との共生の取り組みなど(いわゆるSDGs)を積極的に掲載しているので、若年層や全国や全世界へのアピールに繋がりますね。しかしながら、日本では、まだまだインスタやSNSを活用し切れていない企業さんや教育機関さんが多いので、もっと積極的に活用していただきたいですね。
スポット
・世界的に有名な観光スポットでの投稿は、地元の方による物が極めて少なく、他地方や海外からの観光客による物が大半を占めています。それだけに、地元の方達による投稿が大半を占めているスポットは、稀有な存在ですね。
微妙な投稿
・先日、男性が立っている女性の背後にしゃがみ込んで女性の股に顔を埋めているモラルの無い投稿をたまたま見てしまったので、すごく気分が悪いです。しかも、不特定多数の人々が行き交う有名な観光スポットで撮影された画像でした。投稿者も撮影者も被写体も、世界中の不特定多数の人々の眼に触れられることを考えなかったのでしょうか?
・ファンによる、芸能人公式画像の無断転載は紛らわしいので、絶対にやめていただきたいですね。
・よく、習い事教室の先生や保護者さんがお子さんのレッスン風景をインスタにアップしていますが、Googleレンズでの検索からお子さんの個人情報が容易に特定されてお子さんがストーカー被害に遭ったり、変なサイトに無断転載される危険性をはらんているので、公開範囲や投稿手法に細心の注意を払っていただきたいですね。それに、掲載にあたり、お子さん本人や保護者さんの了承はきちんと得るべきです。昔は、でっかい家族アルバムに貼れば事足りることでした。
・学生さんが自身の卒業式写真をデカデカと掲載していますが、写真を左右反転させたり、証書ファイルや看板に写る学校名をいくら加工しても、背後に映る校舎や会場(最近は、イベント終了後もイベントスケジュールが会場の公式サイトに数ヶ月も掲載されているケースが多い)の画像や投稿日から容易に学校が特定されるので、要注意。
・特定の業種(具体的な業種や職種についての記述は、ここでは避けます。業界団体に対しては、当記事を情報提供いたしました)に従事されている方に多いですが、年齢に見合わぬ高級リゾート施設のプール(しかも、布面積の極めて少ない、肌の露出度強の海外製の水着着用!)や高級ホテルや高級レストランで一眼レフで撮影してもらった、カメラ目線のキラッキラ画像や、客からいただいたであろう高級ブランド品を惜しげもなしに投稿するのは、いかがなものかと。
ウイルス感染防止(本人や他の客双方に対し)や施設側や他の客やインスタ読者の立場を考えた、良識の範囲内のデザインの水着を身に着けていただきたいですね。
投稿者の心理には、「頑張れば頑張ったほど努力が報われる!」と一般や若者(特に片親で育ったひとや貧困層や地方在住者)に投稿を通じて広くアピールする狙いが介在しているかと思われますが、そのやり方は違うと思います。
ウクライナやイスラエルやパレスチナの人々が苦しまれていたり、能登の方達が生活の再建で四苦八苦している現状で、どうしてもこのような投稿でアピールしたいならば、アカウントに鍵をかけて常連客や仲間内のみの公開に限定することをおすすめします。公開で投稿するのは、本業の案内のみにすることが望ましいですね。
余計なお世話ですが、高級ブランド品をプレゼントした客側には、妻子や年老いた親御さんがいそうなので、汗水垂らして稼いだお金はそっちに回すのが筋かと。これらの客の大半には、勤務先の金銭を自由に動かせる立場の人間も多そうなので、まさか着服や横領などしていないか気になりますね。
ルッキズム撲滅希望委員会
・先の項で紹介した業種の従事者のなかには、画像加工アプリを使って肌を過剰に加工している方も見受けられます。親から授かった貴重なお肌なので、加工しないほうがよろしいかと。
・地図検索で様々なスポットを検索していると、真っ先に表示されるのは、いわゆる映えスポットばかりです。文明の普及の影響で来訪者が急増した古くから営業している真っ当なスポット(農園や牧場や昭和から続く純喫茶、歴史的建造物)も含まれていますが、なかには、あからさまな映え狙いで旗揚げしたとしか思われないお店もチラホラ。映え狙いで旗揚げしたとしか思われないお店のなかには、ぱっと見、合成着色料や安い食材をふんだんに使っていると思われる料理が散見されますね。
アニメコラボの特典目的で大量の料理を注文しては食べ残したり、食べずに店を後にしたケースが数年前に問題視されましたね。これは本末転倒ですね。世界中には、食べたくても食べられない人達が沢山います。
多少お店の内観や外観や料理の外観が悪くても、スタッフさんが朝から仕込んで汗水垂らして作られた美味しいお料理と、高感度抜群のおもてなしを存分に味わうのが筋かと。料理写真は食べる前だけに撮り、カメラをしまってじっくり味わいましょう。
特にいわゆるZ世代の皆様へ。はたして映え狙いでスポットを訪れたいのか、スポットの世界観やコンセプトやお料理を満喫する目的で訪れたいのか、そこだけは、はっきりさせていただきたいですね。
女性の地位向上に向けて
同調圧力
先程の項で述べた、お子さん画像掲載や特定の業種の方達による自己顕示欲投稿や過剰な加工、映え狙いでのスポット訪問。これらの行為の大半は、女性や女性と思われる方達によるものでした(筆者調べ)。
なかには、顧客やママ友仲間に嫌われないための同調圧力でいやいやながらに投稿したと思われるケースもあろうかと。
男性優位思想
背景には、昭和から未だに続く男性優位思想による、女性の完全な社会進出の遅れが見え隠れしますね。
管理職や政界の高い地位への女性の登用が諸外国に大きく遅れを取っていたり、企業や自治体による、過剰な女性優先サービスがあることを疑問視しています。余談ですが、電車の女性専用車輌、海外では展開などされていません。
マスメディアによる人権侵害
また、男性から不当な方法で金銭を得るマニュアルを作った女性被告人に対する一連の報道もあまりにも男性目線モラハラ的で、女性被告人の生い立ちや配偶者と見られるパートナーのことを勘案するに、日々生きていく中で様々な差別を受けていたのでは無いかと思われます。
参考
それに、女性被告人のペンネーム(ってゆうのでしょうか)と女性被告人が著作権を有する動画の番組への無断転載も、著作権違反ですね。テレビ局各社が声高に「うちの番組をネットに載せないで!」と叫んでいる一方で、被告人いえども他人の動画を無断転載する行為はあまりにも矛盾していて、コンプライアンス違反行為で良識に欠けますね。
大切なのは被告人の更生と、被告人のような境遇の子どもたちが普通に生きられる社会作りの実現、そして、日本に暮らす女性があらゆる局面で平等に生きられる社会作りの実現に他ならないです。
女の子や女性は、フリー素材やおもちゃではありません!
先の項で触れた、特定の業種に従事する女性達も、おそらくは何らかの事情や学歴などの壁でいわゆる9時5時の職に就きたくても就けないか、そのような職だと収入的に生活できないのではないかと思われます。そして、ルッキズム重視でコンテンツのひとつとして女性を消費しているごく一部の心無い男性達も、女性の社会進出を阻んでいる一因だと思われます。
女の子や女性はひとりの人間であって、ましてや男性達のフリー素材やおもちゃではありません!馬にニンジン、ではありませんが、世の男性達は、「女性は、高級ブランド品さえあげれば尻尾を振って喜ぶ人種」などと性急に決めつけないでいただきたいですね。
サザエさんとジェンダー平等論
昔読んだ「サザエさん」初期コミックスで、天才少女バイオリニストの演奏会とちびっこ画伯の展示会から帰宅したサザエさんが唐突にワカメちゃんに将来の目標を尋ね、当時幼稚園児のワカメちゃんは「アタイ、おヨメさんだ」と答えました。その問いに対して、「そんなんだから、女性の地位が低く見られる!」と大激怒。昭和20年代の戦後には珍しい、サザエさんのジェンダー平等論ですね。
女性が平等に生きられるには
では、どうすれば、日本の女性達が平等に生きられるのでしょうか。
【男性達へ】
・女性特有の身体機能を十二分に理解したうえで、ひとりの人間として扱うこと。
・「女性(男性)ならではの◯◯」や「女性(男性)の視点で」。このような言葉、ただいまから禁止にしましょう。
・洗剤や食品のCMに男性タレントが出演する時代になったこともあるので、家事や料理や育児を率先して手伝うこと。
・男性が多く従事する業種や職種や管理職に、女性を積極的に登用すること。
【企業・自治体へ】
・レディースデーや女性専用(優先)なんたらなる過剰な女性優遇サービスや、PR目的での「◯◯女子」や「女性◯◯」なる言葉はいい加減に廃止にして欲しい。また、女性の多い業種や職種での「男性専用(優先)◯◯」や、「◯◯男子」や「男性◯◯」なんて言葉も同様に廃止を。
・年齢や性別問わず、家庭的に恵まれていなかったり、DV被害や金銭トラブルやストーカー被害に遭われているなど、生きづらさを抱えている人々に対する手厚いサポートをお願いします。
【女性達へ】
・いかなる窮地に追い込まれた時も、プライドだけは絶対に捨てないこと。
・前述の事件のように、女の子や若い女性がDVなどの被害や金銭トラブルに遭われたり、加害者になったり最悪亡くなる事件の増加に対し、筆者は強く心を痛めています。
悩みはひとりで抱え込まず、学校や職場や行政機関の相談窓口や、警察に相談しましょう。
相談の秘密は守られるので、安心してください。
(参考)相談機関一覧
・堅実な古き良き職場あるあるてすが、お茶出しや食べ物の切り分けや給湯室での洗い物は、女性社員だけの役割ではありません。男性社員をも積極的に参加させましょう。
・経済面などあらゆる局面で男性に過度に依存し過ぎず、ネットニュースやテレビニュースや新聞にきちんと眼や耳を通して、広い視野で世の動向をしっかりと捉えましょう。みなさんが被害者にも加害者にもならないために…。
そして、自分の意見を持ち、主張すべき際には自分を曲げずにきちんと主張しましょう。
・お仕事や顧客や家族や友人との対話や日常生活含め、人生終生勉強なので、日々の体調管理にしっかり努め、金銭的に余裕ある場合は、パソコンや資格取得などの勉強や読書(電子書籍でも大丈夫です)に励みましょう。また、ボランティア活動への参加も良いでしょう。
エステやメイクや美容室やファッションや運動で外面を磨くことも大切ですが、自己研鑽で内面を磨くことは将来の自分自身にプラスになるので、お忘れなきよう。
【すべてのみなさまへ】
・インスタやFacebookによく見られる自己顕示欲的なきらびやかな投稿と自分自身の落差を悲観などせず、「私は私!」と割り切りましょう。「投稿者は、ネチケットのネの字も知らなくてかわいそうだね」このように考える余裕を持ちましょう。
参考記事
あなたは、あなたのままで、いいんですよ。
まとめ
いわゆるインスタ投稿あるある論で落ち着くはずが、最終的にはジェンダー平等論に飛んでしまいました。
しかし、思ったことはひとりで抱え込みたくない性分なので、長々とした記事になってしまったことを深くお詫び申し上げます。
この記事が、日本の社会を根底から変えるきっかけになれば、と感じ、今回の記事のアップに繋がりました。