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新人研修で気をつけるべきこと 伝えるべきこと

こんばんは、アドバイザーのこうたです。

今回は、社会人経験も業界経験もない新人を対象としています。

業界経験のない中途採用も、場合によっては対象です。

キーワードは、『イメージ』

これ、仕事をする上で本当に大切なことなので、クエスチョンが浮かんだ人は要チェック。

新人後輩を持つ予定の先輩もぜひチェックしてみてください。




1.新人の身になって理解しよう

まず、基本的に人は理解や物覚えが、“思っているより”悪いものです。

天才肌な人もいますが割合は少なく、苦労を経て成長する人が大半です。

私もコツを掴むのに時間がかかるタイプで、業界では3ヶ月で独り立ちが平均に対し、半年以上かかりました。

まあ当時の教育担当に問題があったのもありますが、私自身、スタート地点に立つのが遅いタイプだと自覚があります。


今ではベテランであるあなたもかつてはど新人で、苦労した過去があるはず。

しかし仕事に慣れてしまうと、当時の苦労が具体的に思い出せなくなってしまうのです。

苦労の理由が新人だから、で一纏めにしてしまうんですね。

新人だから苦労するのではなく、新人は○○だから苦労してしまったと深掘りをする必要があります。



では、新人の立場で考えてみましょう。

1ヶ月前まで学生で、社会人経験はバイトくらいしかありません。

大半はコンビニ、居酒屋、家庭教師でしょうか。

アルバイトを雇っているところは分かるかもしれませんが、正社員とアルバイトの扱いには大きな違いがあります。

つまり、正社員の扱いは初めてですし、責任や難しい仕事なんて経験も初の人がほとんどでしょう。


右も左も分からない状態であることをまずは理解してください。

何も分からないということは、働いている自分のイメージもできないわけです。


営業をしている自分
経理をしている自分
プレゼンをしている自分
何かを管理している自分


もしあなたが今、政治家として国会へ行って義務を果たしてこいと言われたらどうしますか?

どこに行けばいいのか、どんな手続きが必要か、どこまでの発言が許されるのか、自分の立ち位置はなんなのか。

何も分からないと思います。

新人視点だと、この状況と全く同じだと思ってください。



人は何かをする時、事前にシミュレーションをします。

つまり、イメージを創造するのです。

無意識に、当たり前に行っていると思いますので、これまでのことを思い返してみてください。

材料が何もないゆえにイメージができないとしたら、かなり心細くなると思いませんか?

全くの別業種にいきなり放り込まれた自分をイメージしてください。

それが新人の視点です。




2.詰め込み型の事前研修は全く意味がない

研修は主に2つあります。

社会人としてのマナー研修と、業務に関する研修です。

この章では、業務に関する研修について言及します。



さて、あなたがもし新人と接した機会があったのであれば、当時の研修と共に思い出してください。


研修で学んだことを実践で活用できましたか?

研修で聞いたはずのことを、再度現場で質問をしなくて済んだことはありましたか?

研修でとったメモを活用できましたか?


おそらく、事前に詰め込まれた9割以上の知識が活用できなかったはずです。

なぜかと言うと、現状と知識を結び付けることができないから

あとは反射的に知識を掘り起こすことができないからですね。

仮に100%丸暗記していたとしても、結び付けることはかなわないでしょう。

なぜなら、イメージができていないからです。

むしろ中途半端な基礎知識が災いして、勘違いの修正をしてしまうこともあります。

赤ん坊と同じで、新人時代に吸収したことは強く印象に残るもの。

成長してから新人時代の間違った知識を修正するのは、けっこう大変です。



ただし例外が一つ。

自社が取り扱う商品の知識は、事前に覚えさせるといいでしょう。

自社だけが認識している知識はともかく、パンフレットやホームページに載っている情報は暗記しておく必要があります。

商品知識
社会人マナー
実務の知識

これらを一度に覚えるのは大変ですから、できることから消化させていくのは必要なことです。

文法が分からなくても英単語は覚えられます。

それと同じですね。




3.社会人マナーは刷り込ませる

実務のロープレを繰り返すくらいならば、マナー部分のロープレを繰り返したほうが身になります。

最初は頭がパニックになるものですから、無意識の行動が優先されがち。

名刺のやりとり一つをとってもかなりルールがありますから、無意識に正しいやりとりができるようにしておくといいですね。


応接室に待たせていただき、お相手が入室したら立ち上がる。

これは学生でも、習っていなくてもたいていの人は認識しています。

受験の時に経験したことがある人もいるかもしれませんね。

でも、できない人もいるんです。

意識の低さや経験が原因です。

これが教えられなくてもできて当たり前だと思うかどうかはともかく、癖付けをしなければなりません。

癖付けは座学ではなく、実践です。




4.研修はイメージができるようにするためのもの?

ここまでの解説で、章題の意見もあるかと思います。

まず誤解しないでほしいのが、実務に関する研修が無駄だと言っているわけではありません。

本記事で伝えたいのは、新人の気持ちを理解していますか? ということ。

研修をしたから覚えていて当然。
実践できて当然は違いますよと言いたいのです。

そして実務の研修をするのであれば、少しでもイメージができることに焦点を置いたほうが身につくよというお話です。



これは賛否両論だと思う一意見ですが、新人研修で業務を難しく思わせない意図を汲んでいることがあります。

個人的には、厳しい仕事であることを意識させる必要があると思っています。

「単純じゃん」と思ってからの厳しさよりも、「大変そうだな」と思わせてからの業務のほうが落差がありません。

私が社会人になって最初に思ったのが、「学生気分の人が多いな」です。

表面上であっても、学生から社会人の意識を持たせる必要があります。

研修には、社会人の意識を持たせることも目的の一つです。

業務が始まってから「思っていたのと違う」となるよりも、事前に覚悟をさせたほうが大きな事故を防げますよ。


もしも事前に脅したくないと思うのであれば、それは対象を業務にするのではなく、社内雰囲気にシフトしましょう。

仕事がどんなに厳しくても、仲間が支えてくれればなんとかなります。

逆に仕事がどんなに楽でも、パワハラや放置が横行するところでは働けません。



企業側がどういう意思を示し、なんのために行うのか。

そこをハッキリとさせてから計画を立てることをおススメします。


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