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教会の問題

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キリスト教会はとても居心地のよいところです。でも、満点を期待してはいけないでしょう。たくさんの問題を抱えています。とくに内側にいると見えないものを、なんとか見ようとするひねた者が…
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2021年5月の記事一覧

現場の労苦に気づいて (使徒16:25-40)

現場の労苦に気づいて (使徒16:25-40)

神に行く手を阻まれた末、マケドニア人の幻がパウロに現れて、ギリシアの土地に向かうことになったところ、そこで信じる者が現れたという、ちょっとめでたい話を先週致しました。今日はその続きです。
 
リディアというたぶん裕福な女性とその家族がイエスを信仰するに至り、これまたたぶん、その出会いとなった祈りの場所なるところに、パウロと一行は向かいます。するとそこでトラブルに遭います。ある奴隷の女、たぶん巫女の

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いらないもの

いらないもの

関東のラジオ番組だが、リスナーに電話をかけたときに、お決まりで尋ねる質問があって、三つのものを並べ、「いらないものはどれ?」と迫るものがある。たとえば、「にんにく・しょうが・こしょう。いらないものはどれ?」のようなものだ。リスナーは「うーん」と考えて、ひとつを返す。個人の好みがそこに反映されて、けっこう面白い。「英語・数学・国語。いらないものはどれ?」などという質問を受けたら、あなたはどれを答える

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運命を信じますか (使徒16:6-15)

運命を信じますか (使徒16:6-15)

「ロマンスの神さま この人でしょうか」(広瀬香美)って、1993年の歌なんですね。でもそこそこ今も流れていて、冬にはよくラジオでもかかります。男女の出会いのシーンを鮮やかに彩るポップなメロディに、刺し貫くような声、魅力があるものです。
 
結婚に「適齢期」などというものが言われた時期は、遥か昔。女性の「活躍」などという表現とっていること自体、政治の世界がそんな遥か昔の時代で営まれていることを表して

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だれが隣り人になったと思うか

だれが隣り人になったと思うか

聖書の中でも、非常に有名な喩えがある。欧米では、この喩えを題にした法律すらある。緊急時に行った医療行為については責任を問われない、というものだ。その喩えを、シチュエーション全体と共に、口語訳聖書で引用する。著作権の上でも問題がないからだ。
 
するとそこへ、ある律法学者が現れ、イエスを試みようとして言った、「先生、何をしたら永遠の生命が受けられましょうか」。彼に言われた、「律法にはなんと書いてある

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祈ります

祈ります

大阪での新規感染者の増加が著しかったが、その数字が各地方へ飛んでいる模様です(大阪に住む方々が安心できるようになることを願っています、いえ、どこででも)。人の動きがある限り、新型コロナウイルスの感染拡大は、簡単にはなくならないように見えます。
 
大阪では、亡くなる方が多いことで心が痛みます。苦しかったことでしょう。また、その家族な身内の方々の苦悩と悲しみも、想像を絶するものがありましょう。高齢の

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命ある説教であるために

命ある説教であるために

「お説教」となると何か叱られることかと思うが、「説教」だとどうだろうか。キリスト教の礼拝で牧師などが語る話を「説教」と呼ぶ。仏教なら「法話」と呼ばれることが多いだろうか。瀬戸内寂聴さんの『般若心経』というかつてのベストセラーの法話集を最近読んだが、実に面白くて、その法話には説教と通じるところが多々あるように思われてならなかった。いや、これは失礼な言い方である。そもそも「説教」という言葉自体、仏教由

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SDGs

SDGs

もう半世紀ほどの時を数えるかもしれないが、「エコ」という言葉が流行った。「エコ」と名を付ければ売れるというような商品が溢れていた。一部の深刻に考える人を除いて多くは、その商品を出すこと自体が「エコ」に反するという点には気にしていなかった。そして、なんとなく「エコ」にすべきだという方向性だけが了解されて、世の中の舵取りがなされてきた。

「SDGs」なる語がここのところ流行っている。「SDGs」とは

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早くワクチンを打て。

早くワクチンを打て。

新型コロナウイルスの感染は2021年初頭にピークを迎えたかと思われたが、新年度が始まる際にさらにまた勢力を拡大している。変異株の力が大きいと思われるが、初頭は年末年始の集まり、新年度は歓送迎会の集まりも背後にあったのではないかと推測されている。大阪市の職員が千人単位で、府民に依頼している基準を無視して感染拡大を助長する行動をしていたくらいだから、民間でもこうした基準は規制とはなっていなかったと言わ

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