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日本酒テイスティングノート

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日本酒の紹介を日本酒のテイスターの視点からしつつ、これまでの私のきき酒師、大阪資本の一部上場企業の大手飲食チェーンの和酒バイヤー、SSI日本酒セールスプロモーション研究員としての… もっと読む
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#日本酒女子

高級酒を販売するとは その2 デフレ型の商売からの脱却 本日の紹介酒 問世 問世 純米大吟醸 2016

高級酒を販売するとは その2 デフレ型の商売からの脱却 本日の紹介酒 問世 問世 純米大吟醸 2016

酒、観光、飲食業界の本当の課題デフレ型の商売の在り方からの脱却、これからの酒業界、観光業界、飲食業界の大きな課題だと思います。一方で、普段飲みや家庭での食の部分に関しては、ある程度低価格が求められるのは当然かなって感じます。

価格の安さは決して正しい事でとは言えない長年飲食の業界に携わっていますが、この業界独特の安い=正しい事って考え方がどことなくあるように感じる事が、以前からよくありました。日

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生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その5 慶長の遣欧使節団とシェリー酒 本日の紹介酒 菊正宗 上撰 生酛 本醸造パック (兵庫 灘)

生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その5 慶長の遣欧使節団とシェリー酒 本日の紹介酒 菊正宗 上撰 生酛 本醸造パック (兵庫 灘)

慶長の遣欧使節団は長期間スペインのシェリー酒の醸造所に滞在していたこの使節団は長期に渡りスペイン内のシェリーの醸造所に滞在した事が(伊達政宗の遣欧使節 松田毅一著)には出ていました。直接、日本酒造りと関係ないと言われればそれまでだし、シェリー造りでは日本酒と全く同じでは無いですが、ワインにブランデーを加える目的は、お酒の味わいをスッキリさせる事と、お酒の保存性を高める事です。

山卸を足踏みで行う

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生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その4 山卸の作業はどのように進化したのか 本日の紹介酒 蒼天伝 大吟醸 (宮城県 気仙沼市)

生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その4 山卸の作業はどのように進化したのか 本日の紹介酒 蒼天伝 大吟醸 (宮城県 気仙沼市)

足で酛摺りを行うようになった機会を作った出来事 本格的に足で酛摺りを行うようになったきっかけを考える場合、可能性が一番高いのが、伊達政宗公によって行われた慶長の遣欧使節です。

何故、慶長の遣欧使節が派遣されたのかこの使節に関しては伊達家がスペインと組んで天下を取りに行ったが故に行われたのではないかという説もありますが、(実際に家康公の体調が悪い時に本当に仙台藩と江戸幕府の間で戦争に成りかけたが、

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生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その2南都諸白の酒造り 本日の紹介酒は春鹿 超辛口 純米酒

生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その2南都諸白の酒造り 本日の紹介酒は春鹿 超辛口 純米酒

江戸初期の南都諸白の酒造り江戸初期に置いて主流となっていたのは、菩提酛から酛立て法を用いて寒造りで造られた南都諸白へと進化した奈良正暦寺流の南都諸白をベースにした酒造りで、この酒造りの方法に関しては全国へと広がり各地で○○諸白と言われるようなお酒が各地で出ています。

江戸初期に行われた奈良から東北へ蔵人の招聘南都諸白の酒造りは当時として非常に画期的な酒造りの方法だったと思われますし、東北地方の一

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生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その3マニュファクチャーによる生酛造りが行われるまで 本日の紹介酒は天野酒クール(大阪府 河内長野市)

生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その3マニュファクチャーによる生酛造りが行われるまで 本日の紹介酒は天野酒クール(大阪府 河内長野市)

初期の生酛造りは試行錯誤の末従来よりも安定した乳酸発酵できる方法を色々試して模索したのが、寒造りの酛立て法を用いた南都諸白の酒造りで、伊丹に於いてさらに改良を加えられた山卸の手法を用いて、その後生酛の酒造りの技術として進化していきます。勿論そこに至るまでに色々試し試行錯誤しながらたどり着いたと考えられます。

菩提元から進化した水酛の技法また、その後も大正時代に至るまで酒造りの技術として用いられた

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生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その1生酛造りのお酒の味わいとは 本日の紹介酒 香住鶴 山廃純米 (兵庫県 香美町)

生酛造りで造られた日本酒の味わいとは その1生酛造りのお酒の味わいとは 本日の紹介酒 香住鶴 山廃純米 (兵庫県 香美町)

生酛造りのお酒の味わいとは生酛造りのお酒について、よく目にするのが生酛本来の味わいとか生酛らしい香りとか、伝統的な古式造りとか、よく目にします

実際にテイスティングしてみると、結構厚みが有って重たい味であったりしますが、本来の生酛の味わいってそもそも重たい味わいなのかを考えると疑問があります。

私の考える本来の生酛の味わいとはでは、私の考える本来の生酛の味わいとは、味に深みと柔らかさがあり、後

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日本酒の上級資格(提供者側の)に関して、細かくすみわけを考えてみました。

日本酒の上級資格(提供者側の)に関して、細かくすみわけを考えてみました。

最近、飲食、酒類関係者で評価が上がってきたSake Diplomaの資格Sake Diplomaの資格に関して、酒類、飲食関係者からの評価が高いと感じる事が多くなってきて、この資格に関する知名度が徐々に上がってきているし、また、難しい試験の一つというように認識されているように感じる事が多々あります。
私の中では、きき酒師と酒匠の中間位のレベルの試験と認識していますが、業界の中での評価は意外に高いよ

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戦国期から江戸初期に日本酒造りの技術が発展した理由 本日の紹介酒は、澤の鶴 特別純米生酛 実楽山田錦 (兵庫県 灘)

戦国期から江戸初期に日本酒造りの技術が発展した理由 本日の紹介酒は、澤の鶴 特別純米生酛 実楽山田錦 (兵庫県 灘)

応仁の乱が起こった頃の日本の人口と、関ヶ原の合戦頃の日本の人口(画像は応仁の乱wikipediaより引用)

 応仁の乱の発生時(1462年)前後の人口の目安として、1450年頃の日本の総人口は約1000万人前後だと言われています。その後、関ヶ原の戦いが行われた1600年頃の日本の総人口は1500~1600万人前後と言われていて、僅か150年の間に大きな戦乱の時代が全国規模で発生しているにもかかわ

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gooランク王で幻の日本酒の記事を公開しました。本日の紹介酒は越乃寒梅 純米大吟醸 無垢

gooランク王で幻の日本酒の記事を公開しました。本日の紹介酒は越乃寒梅 純米大吟醸 無垢

幻に日本酒とはどのような日本酒だろう 一般的に言われていますのが、入手が非常に難しい日本酒で、令和の世の中に置いては、日本酒の十四代、飛露喜、而今、黒龍等、焼酎の森伊蔵、村尾、魔王、百年の孤独等がそのような日本酒や焼酎に当たると思います。ただ、私の中での認識は違いまして、二度と飲めない日本酒、例えば、ビンテージ物の古酒や限定生産で商品自体が二度と手に入らないもの、ナンバリングされていて、二度と同じ

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gooランク王で梅酒の記事を公開いたしました。 本日の紹介酒は黒牛の梅酒

gooランク王で梅酒の記事を公開いたしました。 本日の紹介酒は黒牛の梅酒

 近年こだわりの梅酒が日本酒や焼酎の酒蔵を中心に発売されています。勿論、従来から梅酒専門のメーカーであるチョーヤさんやビールメーカーであるアサヒビールさんやサントリーさんからも梅酒が発売されていますが、従来商品であるホワイトリカーやブランデーベースの梅酒に加えて、日本酒ベース、ウィスキーベースの商材も登場しています。

 従来商品であるホワイトリカーベースの梅酒であっても、熟成させた商材や砂糖に拘

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gooランク王で高級日本酒の記事を公開いたしました。 本日の紹介酒は出羽桜雪漫々 5年氷点熟成酒

gooランク王で高級日本酒の記事を公開いたしました。 本日の紹介酒は出羽桜雪漫々 5年氷点熟成酒

高級日本酒と言われれば、当然高いお酒、又は、入手困難なお酒というイメージになってくると思いますが、私の中ではちょっと違います。

やはり、お酒にはそれぞれに出来るまでのストーリーが有り、そのストーリーに対してもっと価値が付くべきだというのが、私の考え方です。

今回は、そういった私の考えを含めて記事の作成を行いました。

本日の紹介酒たる、出羽桜 雪漫々 5年氷点熟成酒

銘柄 出羽桜 雪漫々 五

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