お笑いの話。6話。
先輩とのご飯から数日後。
劇場でお笑いのライブがあった。
楽屋は騒がしい。
大部屋では先輩芸人がテレビのMCのように若手に話を振る。
また、廊下ではコンビで背を向け、壁に向かって出番直前までネタの打ち合わせをしている芸人もいる。
逆に出番直前まで何のネタをするか伝えず時間が来たら何のネタをするかコンビで話す芸人もいる。
これは多分だが、観客がどのネタで笑ってるか、また、ネタの笑いが被ってないか確認してからネタを決めているかと思う。
ここまで出来るようになるには、日頃からからネタ合わせをしているか、もしくはアドリブに強いか、ネタの話の引き出しを多く持っているかだと思う。
それらを全て記憶するのがお笑い芸人のあるべき姿かと思う。
しかし、笑いというのは一言で表現できないのが笑いではないかと思う。
ネタが途中で飛び思わぬ形で笑いになったりとっさにフォローの一言が笑いになったりするときもある。
気転と頭の回転が重要ではないかと思う。
しかし騒がしいといっても違う形で騒がしい人が二人いた。
それは。
「先輩!この割引券、去年までじゃないですか!」
「おかげで後輩に飯奢ろうとしたら恥かきましたよ!」
『ああ、それね。使う前に確認するでしょ』
その二人は先日、飯を奢ろうとしたらクーポン券が使えなく、結局割り勘になった楽屋でポチ袋の事を教えてくれた先輩と、その先輩にクーポン券を渡した先輩だった。
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