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美術

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ギャラリーや美術館などに行ったこと、 美術の話題多めの日のこと。
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すきなものに囲まれて

すきなものに囲まれて

昨日は誕生日ということで、無計画に思いの向くまま、わたしの行きたいところへ同居人がつきあってくれる1日だった。

お昼にラーメンを食べ、『印象派・光の系譜展』へ。同居人は美術に苦手意識がある人で、美術館へはめったに一緒に行かない。でも今回は、コローがよかった、なんでか物凄くなつかしいきもちになって…コローが…としきりにうれしそうに話す姿が、わたしをよころばせる。

見た瞬間心を捉えて離さない絵とい

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メトロポリタン美術館展へ

メトロポリタン美術館展へ

行ってきた。もーねぇ、たのしい。
もともと、外に行くだけでつかれるようなインドア人間なので、大阪まで出て、さらに広い美術館の中を全神経研ぎ澄ませて集中して見ていくと、すべて見終わった頃には、いつもぐったりして帰ることになる。でもそれが心地よかったりもする。

書きたいことだらけなのだけど、とくに印象に残ったことだけ。といいながら、だんだん長くなっていったので、ご注意を……

セザンヌが街の風景を描

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住みたい街

住みたい街

昨日は朝から恵文社へ。

オースターの日本語訳本の装丁でも知られている、タダジュンさんの作品展示を見るために行ってきた。

展示は、タダジュンさんが装丁、挿絵をしている阿部大樹さんの『翻訳目録』という本の刊行記念として行われたのだけど、サイン入り本の購入者は、限定のポスターがもらえるということで、こ、こここれは……絶対に行かせてもらいます。と、ぴー太にお願いして、土曜日の予定のはじめにもってきても

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センスオブワンダー

センスオブワンダー

昨日は朝から、はじめての長唄三味線を聴きに京都嵐山へ。職場の人が長唄のお稽古を習っていて、その定期演奏会だったのだ。

京都に住んでいると、観光客の多い嵐山へはあまり行かない。久しぶりに歩いてみるとたのしいもので、一緒に行ったインドネシア人の後輩ちゃんは好奇心旺盛、自然でも建物でも細部に目を向けて、ひとつひとつ目についたものに感嘆するようなこなので、一緒に歩くとひとりの時には見つけられないものが見

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心には触れない

心には触れない

朝一で京都みなみ会館へ。『草の響き』を観に行ってきた。

走る、走る、走る。次々と後方へ退いていく函館の風景。走ることで、浄化するようでもあり、自身の中の孤独へ突き進むかのようでもある。

ただひたすらに走り続ける和雄と、スケボーで駆け巡る彰、それぞれの姿と函館の風景、その美しさだけでも観る価値があった。

東出昌大の演じる姿は、ただひたすらに正直さだけが全面に出ていて、上手い下手ではなく、正直で

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余韻から抜け出せず

余韻から抜け出せず

この間ついに『カラマーゾフの兄弟』を読み終え、興奮の中まだ自分の中で感想を書けるまでに整理されておらず、いつものコラージュ読書日記を作りかけては出来栄えに納得できず途中で放り投げ、先にずっと書きたくてうずうずしていた相関図をまとめようと、上巻から順にぱらぱらと人物描写部分を改めて読み直している。

カラマの新潮社の解説を読み、えっそうなのとびっくりした部分があったので、光文社の方の解説も読みたくて

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水の都・京都と映画 i ai

水の都・京都と映画 i ai

朝から、KYOTO GRAPHIEという京都のあちこちを会場として行われる京都国際写真祭へ友達と行ってきた。

蹴上にある、琵琶湖疏水記念館でのロンロン&インリという中国人の写真家2人の展示がかなりよかった。写真事態の魅力はもちろん、この空間をこう使うか…という細部まで行き届いた空間演出のかっこいさに痺れる。

歴史、文化、風土が重層的な景観を生み出す京都の中でも、「水」というものに焦点をしぼり撮

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タイムズの煌々、車内で本を読むわたしは無敵

タイムズの煌々、車内で本を読むわたしは無敵

大阪の豊中にあるblackbird booksさんで、西尾勝彦さんの詩集販売と小川万莉子さんの作品の展示があるときいて、生で見たくて行ってきた。

blackbird booksさんがそもそもすてきであることは言うまでもないのだけど、いや、言いたいので少し言う。
小さな店内の中にぎっしり並ぶ本たちの選書がすばらしい。アート本が充実しているのもうれしいけど、小説やエッセイも好みのものが多く、海外文学

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人生で初めて絵を買った日のこと

人生で初めて絵を買った日のこと

人生で初めて絵を買った。
こんなにもどきどきして、幸福なことはあるのかと思いながら、部屋に飾ることを想像して、ふくふくした気持ちが止まらない。

ついに、数年前からすきで、いつか行きたいと思っていた日下明さんの個展へ行ってきたのだ。
行ってくるよ!みほさ〜ん!と心の中で叫びつつ、うきうきうきうき尼崎の立花駅で降りる。

すこしさびれて、でもあたたかい雰囲気の駅前の広場。木の隙間から光がこぼれていて

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時間と瞬間という不思議

時間と瞬間という不思議

昨日は、国立国際美術館へ鷹野隆大さんの「毎日写真1999 - 2021」を見に行ってきた。

20年間毎日欠かさず撮り続けた写真、定点観測的に同じ場所で撮り続けた東京タワー、様々なものの影ばかり撮った写真などなど……

テーマやコンセプトから離れて、無目的に撮ってみたいと思っていた。そしてそれが集まったときに何が見えてくるのか、それを知りたいと思った。撮りながら考え、出来た写真を見てまた考えるとい

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