マガジンのカバー画像

心の拠り所

41
文章を書くとは…という振り返り場所。心の拠り所、目指したい人たちのnoteを集めました。
運営しているクリエイター

#エッセイ

「読むと書く」のコミュニケーション

「読むと書く」のコミュニケーション

そろそろ大学の授業も最終回(後期)。

言葉のやり取りの場に何が起こるのか。
書いて、読んで、シェアして……。

人の話を聞いて、感じたことを書く。

その繰り返しで、ほんとにわたしも思いもよらなかったところに辿り着いた気がします。

最初の頃の感想レポートでは、「読むのも書くのも苦手です」と書いていた何人もの学生たちが、どんどん伸び伸び好き勝手に書いてくれるようになって、また話がめちゃくちゃ面白

もっとみる
引き寄せてるんじゃなくて、選び取ってる

引き寄せてるんじゃなくて、選び取ってる

「夢を描こう」とか「夢は叶う」みたいな、陽の空気をまとってまっすぐ健やかに進んでいく人達が、すこし苦手だった。

というよりも、ひねくれ人間不信満載で生きてきた自分にとって、そういう言葉は眩しすぎて、「さあ、あなたも一緒に!」と手を差しのべられた日には「自分はちょっと大丈夫です……」と目を伏せて一目散に逃げてしまうような。

成功した快活な大人達は「3年後や5年後のビジョンを持とう!」と声高に言う

もっとみる
考えることは孤独な営みか

考えることは孤独な営みか

 考える前の、思いをめぐらす時間が好きだ。子が寝静まったあとに温かい飲み物を入れ、穏やかな音楽を小さな音量でかける。お香を焚くときもある。そして罫線のない自由帳とジェットストリームのボールペンを取り出す。そこからが私の「思う」時間だ。とりとめなく頭の中に浮いては消えていく物事を紙に書き留めたり書き留めなかったりする。こういう時間は好きなのに、「考える」ことには苦手意識がある。「考える」というと少し

もっとみる
自分のよさは知らなくてよいのだ

自分のよさは知らなくてよいのだ

こんにちは。『tobira.』店主のれいです。

今回は、現在Amazon Primeで配信中の『僕の姉ちゃん』を見て感じたことについて。



『僕の姉ちゃん』は、イラストレーター益田ミリさんの人気漫画が原作のドラマ。社会人1年生の弟・順平と三十路のベテランOLの姉・ちはるとの絶妙な掛け合いがユーモラスかつ心に響く作品です。

そして今回のお話しは、劇中のこんなワンシーンから……。

——

もっとみる
必要とされたかった「自分」

必要とされたかった「自分」

今から数年前の、ある夏の日。
副業のような気持ちで始めた「文章を書くこと」が、いつしか本業として大きな軸となり、だいぶ軌道に乗ってきた。

最初は自分から提案をして獲得していた仕事も、今では企業のほうから依頼がくるぐらいには、安定してきている。

次から次へとやってくる依頼、頻繁に光るスマホのメール通知。わたしの返事を待っている人が、こんなにたくさんいる。仕事を依頼してくれる人が、これだけいる。収

もっとみる
書く前には、聴くがある

書く前には、聴くがある

僕の仕事は「聴く」から始まります。
普段はGCストーリーのインハウスエディターとして働いており、文章を書く機会が多い仕事です。オウンドメディア運営、採用広報、ネーミング、ミッションやビジョンの言語化を担当してきました。
アウトプットは言葉ですが、必ずその手前には「聴く」がありました。

人は自分の想いを言語化しづらい。インタビューに限らず、自分が担当する書く仕事の手前には「聴く」があります。依頼の

もっとみる
そのエッセイは「Weの話」になっているか

そのエッセイは「Weの話」になっているか

「かがみよかがみ」のエッセイコンテスト "小野美由紀賞"に応募されたエッセイを、一編一編読んでいる。

気合の入った応募作多数、それぞれに固有の熱量があり、大変素晴らしい。現代を生き抜く女子特有の「あるある」なエピソードから、思いもよらない「ふつう」の定義までバラエティに富み、大変興味深く読ませていただいている。

が。

一方で、エッセイのテーマとして設定された「ふつう」という言葉を自分なりに再

もっとみる