『tobira.』通信

書く人。古本と雑貨のお店『tobira.』を試行錯誤中。

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  • 『tobira.』マガジン

    毎月テーマを決めてインタビューやエッセイなどをお届けします。

  • 自分と向き合う

    迷ったり、悲しんだり、そんな心の動きを記事にしています。あくまで個人の見解や感情に基づいて書いているものですが、日常のさまざまな場面において揺れ動く気持ちに響くような記事をまとめています。

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    仕事文脈vol.17

    特集1:ことばはどこに行く この時期、いろいろなことばに翻弄された 体を動かせなくなって、いつにも増して大きく、広がり、のしかかったことば 仕事をし、生きるうえで、疵にもなり支えにもなったことばのいろいろ 小さな言葉  小沼理 損なわれたくない 牟田都子 「わかりやすさ」の到着地——インターネットの「ことば」をめぐって 西森路代 金がものを言う世界で、教員のことばはどこまでも沈み込んでいく トミヤマユキコ 言葉と身体の健康的な関係 作家/鍼灸師 松波太郎さんインタビュー コロナで傷ついたことば、励まされたことば 太田明日香 就活のことばをきく 就活生座談会 特集2:7年8ヶ月 7年8ヶ月に及ぶ長期政権が終わった。この政権発足の約1ヶ月前、仕事文脈は創刊した この期間、私たちは、仕事やくらしはどう変わったのか変わらなかったのか これから7年8ヶ月あったら何ができるだろう、何をしたいだろうか 『仕方ない帝国』は終わったのか 高橋純子 世の中の動きと、自己の制作と働き方を振り返る 松本美枝子 インタビュー「座談会・30代独身男性の生活と意見」、その後 辻本力 調査「私たちの7年8ヶ月」 小説・冬闘紛糾 兼桝綾 ◎ 連載 【新連載】40歳、韓国でオンマになりました 木下美絵 「聞くという仕事  辻本力 さわる社会学 堅田香緒里 35歳からのハローワーク 太田明日香  虹色眼鏡 チサ 無職の父と、田舎の未来について さのかずや 仕事回文 杉野あずさ・みりんとおさとう 文脈本屋さん・汽水空港   ほか ※こちらは古本ではありません。
    880円
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    仕事文脈vol.18

    特集1:Shitなムダ 1年も続いたこの災難 時間ができた、いつもと違うことをした、違うものが見えてきた そして気づいたさまざまなこと、特にいること/いらないこと こんなことやってたのか、それ必要なのか、いやムダだ! 世の中にあふれて、私たちの生活を仕事をじゃましていたムダのいろいろ 栗田隆子/その仕事は「無駄」と語れるために 森山至貴/「渦中にいない人」の言葉を鍛える 10年10人のshit:山本美希、コメカ、金村詩恩、佐藤ジュンコ、関口竜平 ほか  インタビュー:各国履歴書事情〜仕事の入口にムダはないか  ほか 特集2:息抜き論 頑張り続けるのは難しいし、思い通りになることばかりでもない 仕事や生活に疲れた時、みんなはどう息抜きしてるんだろう? 24時間戦うなんて時代じゃないし、 「働くために休む」もちょっと違う 気持ちよく生きるためのみんなの息抜き論 金井タオル/インタビュー「息抜きとしての雑誌づくり」 副業? 複業? 仕事が仕事の息抜きになった人たち 座談会:ビバ! ながらメディア〜ほどほど集中、ほどほど休憩 座談会:たかがドラマなんだけれども アライユキコ×かとうちあき×宮川真紀 ほか 小説 私より運命の人 兼桝綾 ◎ 連載 【新連載】男には簡単な仕事 ニイマリコ 40歳、韓国でオンマになりました 木下美絵 <聞く>という仕事 辻本力 35歳からのハローワーク 太田明日香  虹色眼鏡 チサ 無職の父と、田舎の未来について さのかずや 仕事回文 杉野あずさ・みりんとおさとう 文脈本屋さん  石引パブリック   ほか ※こちらは古本ではありません。
    880円
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    仕事文脈 vol.19

    特集1:グレーでいること 自粛、お願い、自己責任、その先には監視、非難、思考停止 決まりだから、常識だから、そういうものだから、そんなものに縛られるのはウンザリだ 大きく変わった世界のなかで、白黒はっきりつけず、グレーの領域で考えるくらしと仕事のいろいろ 寺尾紗穂/10日ほど前に花屋を始めた 堅田香緒里/グレーな闘争とトーンポリシング  酒の穴/グレーな酒がいちばんうまい 調査 わたしの好きな公共   「下さらない?」から始まった、世田谷マーマレード物語   インタビュー 女性、育児、フリーランス 特集2:五輪で仕事は 混乱だらけで終わった大イベント 影響があったり、まったくなかったりしながら、私たちの暮らしは続いていた この期間、どんなふうに過ごしてた? あらためて振り返るオリンピックと仕事 ホントに何も言わないな 武田砂鉄   インタビュー 東京五輪に関わった人たち 「オリンピックの東京」から脱出する ◎ 連載 男には簡単な仕事 ニイマリコ 40歳、韓国でオンマになりました 木下美絵 <聞く>という仕事 辻本力 35歳からのハローワーク 太田明日香  虹色眼鏡 チサ 無職の父と、田舎の未来について さのかずや 仕事回文 杉野あずさ・みりんとおさとう 文脈本屋さん・Title   ほか ※こちらは古本ではありません。
    880円
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    仕事文脈vol.17

    特集1:ことばはどこに行く この時期、いろいろなことばに翻弄された 体を動かせなくなって、いつにも増して大きく、広がり、のしかかったことば 仕事をし、生きるうえで、疵にもなり支えにもなったことばのいろいろ 小さな言葉  小沼理 損なわれたくない 牟田都子 「わかりやすさ」の到着地——インターネットの「ことば」をめぐって 西森路代 金がものを言う世界で、教員のことばはどこまでも沈み込んでいく トミヤマユキコ 言葉と身体の健康的な関係 作家/鍼灸師 松波太郎さんインタビュー コロナで傷ついたことば、励まされたことば 太田明日香 就活のことばをきく 就活生座談会 特集2:7年8ヶ月 7年8ヶ月に及ぶ長期政権が終わった。この政権発足の約1ヶ月前、仕事文脈は創刊した この期間、私たちは、仕事やくらしはどう変わったのか変わらなかったのか これから7年8ヶ月あったら何ができるだろう、何をしたいだろうか 『仕方ない帝国』は終わったのか 高橋純子 世の中の動きと、自己の制作と働き方を振り返る 松本美枝子 インタビュー「座談会・30代独身男性の生活と意見」、その後 辻本力 調査「私たちの7年8ヶ月」 小説・冬闘紛糾 兼桝綾 ◎ 連載 【新連載】40歳、韓国でオンマになりました 木下美絵 「聞くという仕事  辻本力 さわる社会学 堅田香緒里 35歳からのハローワーク 太田明日香  虹色眼鏡 チサ 無職の父と、田舎の未来について さのかずや 仕事回文 杉野あずさ・みりんとおさとう 文脈本屋さん・汽水空港   ほか ※こちらは古本ではありません。
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    特集1:Shitなムダ 1年も続いたこの災難 時間ができた、いつもと違うことをした、違うものが見えてきた そして気づいたさまざまなこと、特にいること/いらないこと こんなことやってたのか、それ必要なのか、いやムダだ! 世の中にあふれて、私たちの生活を仕事をじゃましていたムダのいろいろ 栗田隆子/その仕事は「無駄」と語れるために 森山至貴/「渦中にいない人」の言葉を鍛える 10年10人のshit:山本美希、コメカ、金村詩恩、佐藤ジュンコ、関口竜平 ほか  インタビュー:各国履歴書事情〜仕事の入口にムダはないか  ほか 特集2:息抜き論 頑張り続けるのは難しいし、思い通りになることばかりでもない 仕事や生活に疲れた時、みんなはどう息抜きしてるんだろう? 24時間戦うなんて時代じゃないし、 「働くために休む」もちょっと違う 気持ちよく生きるためのみんなの息抜き論 金井タオル/インタビュー「息抜きとしての雑誌づくり」 副業? 複業? 仕事が仕事の息抜きになった人たち 座談会:ビバ! ながらメディア〜ほどほど集中、ほどほど休憩 座談会:たかがドラマなんだけれども アライユキコ×かとうちあき×宮川真紀 ほか 小説 私より運命の人 兼桝綾 ◎ 連載 【新連載】男には簡単な仕事 ニイマリコ 40歳、韓国でオンマになりました 木下美絵 <聞く>という仕事 辻本力 35歳からのハローワーク 太田明日香  虹色眼鏡 チサ 無職の父と、田舎の未来について さのかずや 仕事回文 杉野あずさ・みりんとおさとう 文脈本屋さん  石引パブリック   ほか ※こちらは古本ではありません。
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    特集1:グレーでいること 自粛、お願い、自己責任、その先には監視、非難、思考停止 決まりだから、常識だから、そういうものだから、そんなものに縛られるのはウンザリだ 大きく変わった世界のなかで、白黒はっきりつけず、グレーの領域で考えるくらしと仕事のいろいろ 寺尾紗穂/10日ほど前に花屋を始めた 堅田香緒里/グレーな闘争とトーンポリシング  酒の穴/グレーな酒がいちばんうまい 調査 わたしの好きな公共   「下さらない?」から始まった、世田谷マーマレード物語   インタビュー 女性、育児、フリーランス 特集2:五輪で仕事は 混乱だらけで終わった大イベント 影響があったり、まったくなかったりしながら、私たちの暮らしは続いていた この期間、どんなふうに過ごしてた? あらためて振り返るオリンピックと仕事 ホントに何も言わないな 武田砂鉄   インタビュー 東京五輪に関わった人たち 「オリンピックの東京」から脱出する ◎ 連載 男には簡単な仕事 ニイマリコ 40歳、韓国でオンマになりました 木下美絵 <聞く>という仕事 辻本力 35歳からのハローワーク 太田明日香  虹色眼鏡 チサ 無職の父と、田舎の未来について さのかずや 仕事回文 杉野あずさ・みりんとおさとう 文脈本屋さん・Title   ほか ※こちらは古本ではありません。
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最近の記事

ZINEを作り始めた今日この頃のこと

ようやく重い腰をあげ、ZINEを作り始めた。 これまでnoteに書いたものをせっせとリライトして、レイアウトや校正一部、表紙デザインを外部の方にお願いした。たった7編のこじんまりとした内容だけど、人生のある時期に一区切りつけるという意味が、私の中にはあったりする。 タイトルは「深海の底で待ち合わせ」 創作1作品(2編1作品)、エッセイ5編の構成。 昔から、生まれ変わるなら深海魚がいいなと、独り言みたいによく言っていた。深海には、ものすごく得たいの知れない魚が多くて、ビジ

    • 未熟な大人と詩

      なんとなく手に取って、仕入れることにした詩集。 久しぶりに目を通してみたら、独特な世界観に心が追いつかず、なんて生臭い詩ばかりなのだろうかと、言葉にするとそんな気分になった。私はなぜ、この詩集に心惹かれたのだろう。よくよく考えたら、たまたま開いたページにあった、一編の詩が妙に私を惹きつけたのだった。 当時の私は、子どもの理不尽な癇癪に、すっかり参っていたのかもしれない。“罵声と泣き声の方角へとつながれる“世界の片隅で、右往左往する日々。「羽が開かない」のは未熟な大人として

      • もう言葉はいらない

        最近、自分の中で書きたい言葉がまったく見つからない。もちろん日常的に書くことに追われているからなのかもしれない。だけど、いつからか「ああ、もう無理」と悲鳴をあげるようになっている。休み、休み、そう思いながら。でも生きるためには、働かなくちゃな、だ。 ※ ここ数年だけで興味の対象ががらりと変わった。きっと私だけではなく、多くの人が、今の厳しい社会状況の中で、半径数メートルの世界だけでなく、今の日本や世界の在り方、構造、その歴史といったものに、目を向けるようになったんじゃない

        • わからない心と向き合う

          今朝、朝ごはんを食べ終えた小2の娘が、思いがけない言葉をかけてきた。 「ママのばあばとじいじは、幸せそうでいいよね。いつも美味しそうにご飯を食べて、ドライブして。毎日特にやることもないし」 そうか、この子から見たら私の両親は今、そんな風に見えるんだ。驚きとともに、少しうれしい気持ちにもなった。 今の私と同い年くらいだった頃の彼らは、経済的にも精神的にも色々と問題を抱えていて、子どもの私から見ても、とてもじゃないけど“幸せそう”には見えなかったな。 同時に親子関係も最悪

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          「ありのままの自分」をきれいごとにしない

          やる気がない。恐ろしいほどやる気がない。暑いからという言い訳が通用しないくらい、ここ2年くらい私の中のやる気が家出中だ。 頑張るってことが美徳だと思っているのだろうか。いや、どちらかといえば、自分はきちんと利益が生める人間であるとアピールすることで受け入れてもらおうとしすぎなんじゃないか。私は生産性が高く、効率的に仕事をこなします。人よりすぐれた能力があります、個性があります。自分が何者であるかが明確でないと、風に吹かれて飛んでいきそうだ。 そういう思いの残骸が私の中に残

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          人それぞれの真実と救い

          ようやく映画『怪物』を観ることができた。 真実とは何か、正義とは、善悪とは。そんなとりとめのないことがずっと頭の中を回っている。 世界はまさにパラレルワールド。真実とはおそらく人によって異なるものであり、そもそも人それぞれが見たいものを投影し、その人なりの真実を見つけるだけなのかもしれない。だからこそ正義は加害にもなり得るし、こちらに光があたれば、あちらが影になる。世界はいかようにもゆがめることができるし、むしろ真実などどちらでもいい……なんていう、極めて政治的な力が動く

          人それぞれの真実と救い

          【創作】私をつかまえるのは、きっとこれから <第2話>

          第1話はこちらより  学校から帰宅したユミは自分の部屋に直行すると、倒れ込むようにベッドに横になった。そして、毎晩ともに眠る小さなうさぎのぬいぐるみをギュッと抱きしめる。それは当時6歳になったユミに両親から贈られた誕生日プレゼントだ。デパートのおもちゃ売り場でひと目見た瞬間から心奪われたことを思い出す。「本当にこれでいいのね?」何度もたずねる母に苛立ちながら、ユミは何度もうなずき返した。本当にこれが欲しくてたまらないのだと。月日が経ってもなお、ぬいぐるみへの愛着は薄れること

          【創作】私をつかまえるのは、きっとこれから <第2話>

          日記(闇落ちと細野晴臣様)

          ここ数日、暗闇を這うような精神状態だったのだけれど、まあ、それは何も特別なことではなく、ある意味、定期的な儀式みたいなもので。友人にLINEであれこれつぶやいて心配されているうちに、すっかり回復していた。はた迷惑なやつだ。 落ち込んで回復することは、新しく自分を再生させるみたいだなと、思う。 最近私は坂本龍一さんへの追悼の思いから、YMOをはじめお三方の音楽、YouTubeにアップされた1980年前後に彼らが出演していたラジオ番組の音源をかたっぱしから聴いていた。周辺の音

          日記(闇落ちと細野晴臣様)

          日記(最近好きなコンテンツ、坂本龍一、老人になった私)

          最近疲れすぎていて、気力体力が何かに吸い取られている。やりたいことはたくさんあるのに、やるべきことに埋もれて、身動きがとれない。 隙間時間にみっちり読書をしていたのも、最近はぼーっと鑑賞できる映像をひたすら眺めている。私はNHKが好きで、NHKプラスのアプリで見逃し配信をよくチェックしているのだけれど、昨日発見した素晴らしい番組が『コズミックフロント☆ヒーリング』の「マジックアワー天空が魔法にかかるとき」の回。現在はアプリでしか観られないけれど、instagramで少しだけ

          日記(最近好きなコンテンツ、坂本龍一、老人になった私)

          完全に定義などできない「私」という生き物

          こないだ興味本位で適職診断をしたら、結果が「ネコ」と出てきた。当たらずといえども遠からず。元来、非常に気ままな性格なので、ネコであれば人間界の生きづらさも感じずにいられるだろうな。 そういえば久しぶりに同い年の友人とランチをしたとき、今さらながら「HSP」の話題になった。彼女は仕事仲間に指摘され、気になって関連書籍を読んだら「まさにこれ!」となったらしい。幼少期から自分自身に対して感じていた違和感にようやく説明がつき、気持ちが楽になったとか。 おそらく私も「HSP」に当て

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          【創作】私をつかまえるのは、きっとこれから <第1話>

           公園でカレーを食べている女がいる。鼻の奥にツンとせまるスパイスの香りと、ぬるっと甘いココナッツミルクの香りに学校帰りのリョウコは思わず足を止め、顔をあげた。匂いの方向に目をやると黒地にウサギ柄のワンピースを着た髪の長い女が、ベンチに座ってまさにカレーを食べようとしているところだった。油でテラテラと光る大きなナンとプラスチック容器に入った青々としたカレーが朱色の布の上に広げられている。リョウコは何食わぬ顔で女の前を通り過ぎると、女が座るベンチから八メートルほど離れた向かいのベ

          【創作】私をつかまえるのは、きっとこれから <第1話>

          日記(人生の主人公でありすぎる病)

          ここ数日、仕事のトラブルでだいぶ気が滅入っていた。 「自分が描くセルフイメージ」と「他者から見た自分」というものとの折り合いって、難しいもんだなと、つくづく感じさせられる。世間に名の知れた著名人でさえ、つねに葛藤はあるだろうし。 特にSNSが普及して自分が主役になれる時代において、自分を知らない人たちに対していくらでもセルフイメージは操作できる。 それは私自身についても言えることだし、よりよい自分を演じることが悪いとは頭から否定もしない。 世の中には才能や能力を発揮し

          日記(人生の主人公でありすぎる病)

          【短編】私が憎むもの 許したいもの 彼女のストーリー

          これは以前書いた短編のアンサー的な作品です。 「カップから水があふれ出しそうだ」と嘆く恋人は、もう我慢の限界とでも言いたいのだろう。日常にころがる不満がただ彼をそうさせているのか、それ以前に私への好意そのものをすでに失ってしまっていたのか。おそらくそのどちらでもあり、明確な答えがみつからないまま、困惑の視線だけが私に注がれる。  今の彼は自ら別れを切り出すことはないだろう。たとえ私のことが好きじゃなくなったとしても。変化を求められるのはいつもこちらだった。めんどうだから、

          【短編】私が憎むもの 許したいもの 彼女のストーリー

          日記(早朝の映画、読みたい本リスト)

          眠い。夜中の2時に目覚めてから眠れなくなり、4時過ぎまで布団の中でゴロゴロ。 無意味な独り言が頭の中をぐるぐると駆け巡るので、眠るのを諦めて1階のリビングにおりて、映画を観ることに。 早朝4時からの『南極料理人』。今から10年以上も前、知り合いが絶賛していたことを思い出す。香り立つような食事のシーンが最高で、なかでもおにぎりの佇まいが素晴らしい。ツヤツヤと光る米粒、ゴロリと大ぶりなのに品があって、愛らしいフォルム。勝手に味と香りが私の中で立ち上がる。クンクンといつまでも匂

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          「陰」と「陽」のキャラ設定はどうなされるのか?

          今週くらいからあまりに本を読みたくなさすぎて、活字を読みたくなさすぎて、完全にテレビばかり観ている。 そのなかでも今週のあちこちオードリーの【陣内智則&コットン】回が面白くて(前回の【小籔千豊&ダウ90000蓮見翔】回もよかったな〜)、それぞれの会話が頭の中をぐるぐるしている。 印象的だったのは「陰キャ」と「陽キャ」の話題。最近の芸人界は陰キャが多いみたいな話から、陽の真っ直ぐさよりも陰のねじれた感じの方が知的に見えたり、共感をよんだりするというのは、なんとなくわかる気が

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          私の読書日記(ジェンダー編)

          今年に入ってから、意気込んで本ばかり読んでいる。 ジャンルがかなり偏っているので、おすすめ本などとポップに紹介などできなさそうなやつばかりだけど。私自身にとっての整理もかねて、書き連ねてみようと思う。冒頭からウッとなった方はここでページを閉じてください。 『平等と効率の福祉革命』などは、文章は読み進められても理解に及ぶには時間がかかり、なかなかにページが進まず久しぶりに体力を要する読書だった。 最近は時代の変化が凄まじく、特にジェンダーにまつわる書物は2015年くらいのも

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