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愛をあるだけ、すべて

愛をあるだけ、すべて

2018年10月29日、子どもが産まれた。

振り返ると、とても充実した1年だった。何年後かに振り返った時に、いつの時代に戻りたいかと聞かれても、多分2018年は選ばない。軽くハイになっていたかもしれない。こんなに一年を長く感じたこともなかった。

僕は40歳くらいで死ぬと思っていた。希死念慮があるとかじゃなくて、漠然と、僕の人生がそこから先に存在していると想像できなかった。父親が四十代で突然死ん

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組織を強くするのは『仲のよさ』ではない

組織を強くするのは『仲のよさ』ではない

『仕事仲間』と『友人』の違いは、一体どこにあるのだろう。

社会人になって早10年。それぞれの違いをなんとなくは感じつつも、明確に言語化できずにいたのですが、最近『キングダム』を読む中でその2つの違いは一緒に信じるストーリーがあるかどうかなのではないか、と思うようになりました。

そして同時に、友人として仲がいいということと職業人として相性がいいということが必ずしも重ならないのは、信じる世界の方向

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「主人」という言葉

「主人」という言葉

 最近、若い女性が自分の夫について「主人」と呼ぶ場面によくあいます。その言葉には、男性中心社会で差別され、主婦業中心に生きざるを得なかった私たちの世代の母親たちを思わせます。昭和前半に生まれた彼女たちは、憲法で男女同権がうたわれているのにもかかわらず、自由に仕事を選ぶことも難しかった世代です。

 多くの女性が、社会で差別され、若いうちに職場を離れなければならなかったり、子どもを預けることが困難だ

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もうちょっと、おもしろくするために。

もうちょっと、おもしろくするために。

もうちょっと、おもしろくなるんじゃないか。

原稿を書いているとき、何度となくじぶんに問いかけることばである。いまのままでも決して間違いではない。むしろコンパクトに、うまいことまとめているとも言える。だけどもうちょっと、おもしろくなるんじゃないか。おもしろくできるんじゃないか。そうする必要が、あるんじゃないか。

むかしはこれ、技術の問題だと思っていた。技術的に未熟なところがあるため、おもしろの天

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スキルを身につけるより先に自分の武器を最大限使うところからのほうがよいのでは

若手ビジネスマンや、逆に40歳50歳で職歴がない人とかから相談をされることがたまにあるのですが、だいたいのみんなが「スキルを身につける」話をするんですよね。

スキルを身につけるといろいろな世界が広がるので基本的には賛成です。たくさん勉強するといいことがあります。

一方で、今自分の持っている武器を最大限活かしていない人が、やたらとスキルを身に着けても無駄になったりすることも多いんですよね。ゲーム

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愛と神聖な儀式

愛と神聖な儀式

以前、人を愛するのが苦手で、でも自分のことは愛して欲しくてたまらない人と話した。
愛というのは、その人のことが可愛くて食べてしまいたくなるような気持ちのことじゃないの? と言うと、その人は、「明子さんの恋人はさ、明子さんより18も年上で、言っちゃ悪いけど対等な大人として見ていないから明子さんのことをそんな風に思うんんじゃないの?」と言うのだ。まったくもって分かってないやつだなぁと私は呆れた。何しろ

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固定観念を打ち破るーー「人生を変える」ダイアローグ(吉沢康弘)

固定観念を打ち破るーー「人生を変える」ダイアローグ(吉沢康弘)

吉沢康弘の「ビジネスの深層がわかる洋書」 第2回
“On Dialogue”(ダイアローグ)
by David Bohm(デイビッド・ボーム)
1998年出版
『ダイアローグ――対立から共生へ、議論から対話へ』

社会人を10年も20年もやっていると、ふと「昔読んだあの本、今読んだら、どんなふうに感じるんだろう」ということが、たまにある。

それはまるで、ビールを初めて飲んだときは、苦味ばかりが

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カウンターの中で味噌汁は湯気をたてる

カウンターの中で味噌汁は湯気をたてる

その店の看板はふいに目に飛び込んできた。
高松の繁華街で、夫とふたり、食事する場所を探していたときのことだ。

「お食事処 しるの店 おふくろ」

時間は夜7時過ぎ。すでに店の前に2,3人が並んでいる。間口は狭い。小さな店に見えたが、脇から中を覗いてみると奥行きはありそうだ。定食屋のようだし、きっとそんなに時間はかからないと並ぶことにした。汁の店、という看板を見た時点で、並んでもここで食べ

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日本的ウェルビーイングとは?(石川善樹ゼミ第1回より)

日本的ウェルビーイングとは?(石川善樹ゼミ第1回より)

石川先生がゼミを受け持つことを決めた理由は、驚くべきものだった。

「一生の友達を作りたい。」

先生は正気なのか。はたまたパフォーマンスか。予想外にゼミ生の人生に関わろうとされる言葉に、耳を疑った。

「友達」とは何か。
改めて辞書で引いてみると、「互いに心を許し合って、対等に交わっている人。一緒に遊んだりしゃべったりする親しい人。友人。」とある。

一生の友達。
そんな相手ができたらどんなにか

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「なんで写真を撮るんですか?」

「なんで写真を撮るんですか?」

この記事に掲載してる写真は、ぼくが本当に見せたかった写真じゃない。本当に書きたいことも書いていない。なぜかといえば、読んだ人に大きなストレスを与えてしまうからだ。

人は受け入れられないストレスを感じると、現実から目を背けようとする。現実から目を背けても、現実が消えるわけじゃないのに。

現実から目が背けられなくなると、現実を見せてきた相手を叩くことで心の安定させようとする。つまり撮影者であるぼ

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18リットルのバックパックに収まる旅の手荷物(2018年7月時点)

18リットルのバックパックに収まる旅の手荷物(2018年7月時点)

本州縦断ウルトラマラソンを始めたくらいから、旅の荷物を減らすことにはかなり熱意を注いできた(特に当時は荷物の重さが走れる距離に繋がっていたからなおさらだ)。

その後、毎週のように旅に出る生活が始まって4年が経った。飛行機移動においては相応の頻度で預け荷物トラブルが起きる (途上国は特にそうだけど、この点について僕は日本のエアライン以外は信用していない)。それに加え、僕はイミグレで時々足止めをくら

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逆説的な十戒

逆説的な十戒

インターネットで心無い人に殴られたとき、読むとちょっと元気がでるやつ。Kent M. Keithによる"The Paradoxical Commandments"の和訳。noteもこういう、キープ・ムービング・フォワードの精神でいきたい。

人々は不合理で、非理性的で、自分勝手です。それでも彼らを愛しましょう。

あなたが善い行いをなしても、人々は下心があると言うでしょう。それでも善をなしましょう

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