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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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#今日の短歌

母を知らぬ十七の夏 拾い猫

母を知らぬ十七の夏 拾い猫

日記です。

初夏。辺りの風景も家の庭も、初夏は緑と白の世界です。

ブルーベリーもびっしり実をつけています。

暇つぶしに?家の庭の隅を使って、家庭菜園を始めてみました。

猫と散歩をしていると川の中をカルガモの親子が歩いていました。

今日は多分、我が家の猫の誕生日です。
捨てられていたのを拾ってきたので正確な誕生日は分かりません。
あの日から、もう17年。
相当なオバアチャンなのに、めちゃく

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反戦の歌

反戦の歌

白菜はラファ砲撃を告ぐる日の記事に包まれ厨にありき

 戦争を歌うのは難しい。

白き雲穏やかにゆく空は青く ミャンマーで人が死んでゐる

 反戦を人に伝えるのも難しい。

高校生に反戦をどう語るかも実は難しい。

ロシアがウクライナに侵攻した時、「この時代にそんなことが起こるのか」という衝撃と同時に、みんな「自分に何もできない無力感」に駆られていた。

「祖国のために銃を取る」というウクライナの

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もやもや考える

もやもや考える

バイク飛ばす国道は雨すぶ濡れの顔が体が闇にめり込む

定年前まで980ccのバイクであちこち走った。何年か前からは日本一周一筆書きを目指し、距離を稼ぐために朝から夜まで海岸線をひたすら走った。いつも片方は海、片方は山、どんなに有名な観光地があっても基本は立ち寄らないみたいな走り方で。
冒頭の短歌はその頃の歌。暗い夜の雨の中、海岸沿いの道を飛ばす。その時の、まるで闇の中に身体が減り込んでいくような感

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迷子

迷子


誰も僕を知らない街でただ僕は迷子になっていたかったのだ

死にたいと思ったことはただの一度もないが、
どこかに行ってしまいたいと思ったことなら数えられないくらいある。

群青の思惟

群青の思惟

生きるとは群青の思惟 はつ夏の海からの風身に受けて立つ

ご無沙汰いたしました。慌ただしさの中でしばらくnoteをおやすみ、というより、「えーい、やぁ」と放棄してしまいました。コメントやスキをいただいた方には大変申し訳のない次第だと心苦しく思っています。
やっと通常に近い生活に戻れそうな気がしますが、ついてしまった怠け癖はなかなか消えないかもしれません。

新年度の混乱、文化祭体育祭もありましたが

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短歌

短歌

朝の雨 夢に重ねた唇のかたちを探している雨だれ

62歳のジジイの作る歌ではなかろうと叱られそうな・・。

空前の短歌ブームだ!
と、ちょっと前のNHKのクローズアップ現代でやっていて「へー、そうなんだ」と思いました。
読むのは入試問題ばっかりの昨今で、ろくに短歌の現状も知りません。そんなことをそんなことでやっと知ったのですが、岡本真帆さんという方の次の歌が話題になっているらしく、

ほんとうにあ

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金目鯛と孤独

金目鯛と孤独

威張りたい人には威張らせておいて金目鯛つっついている

世の中にも職場にも
自分が正しいと思っている人が何人もいて
自分の「自説」と「自慢」を語る。
それで僕は
そういう時には
ポケットにパチンコ玉を忍ばせておいて
それで耳を塞ぐことにしている。

でも、
そういう声の大きい人の考えが
なぜか「正論」のように受け入れられるから
つくづく不思議な社会だと、
そう言ってみたい自分の正しさに
みみっちく

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母


「あんたは誰?」と母が言うので「ああ僕はあなたの子だ」と言ってはみたが

母の痴呆は進んでいる。

僕は実家を離れていて一番上の兄に母のことは任せっきりになってしまっているが、家に帰るたびに兄からは愚痴がこぼれる。

「店に行って勝手にパンを食べてしまう」とか
「庭でいろんなものに火をつけてしまう」などなど。
以前には、階段を頭から落ち救急車で運ばれたと突然電話がかかってきたこともあった。幸い頭

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栗ご飯

栗ご飯

哀しみは透明なビンに詰められて駄菓子屋に並んでいるマーブルチョコ

透明なビンにこっそり溜めてきた哀しみがもうあふれてしまう

まるで思春期の中高校生が歌うような感傷的な歌かもしれません。
でも、61歳になっても、精神は18歳?。成長しません。

それでも、日々はそんな感傷に浸れるほどの余裕もなく、怒涛のように過ぎていきます。
そんな自分にちょっとご褒美。

がんばって今日生きました栗ご飯

秋

ふと僕はここに置かれて夕暮れの野の寂しさに包まれていた

夕暮れの光に僕が包まれて消えゆくまでをじっと見ている

輪郭は次第しだいに奪われていつか私は芒であった

秋は何故が自分の存在が希薄になるような、そんな気がしてなりません。

蛇足です。「秋」を調べてみました。

■秋の「語源」
『日本国語大辞典』には12の諸説が紹介されています。
➀食物が豊かにとれる季節であることからアキ(飽き)の義

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かうかう・しんしんって何だろう?

かうかう・しんしんって何だろう?

横浜の濃き街の色思ふときかうかうとして熱きくちびる

これは20代半ば、当時、横浜にいたカミさんと付き合っていた頃の歌がメモに残っていたので引っ張り出してみました。
「熱きくちびる」としか言っていないのですが、ちょっと恋のにおいが感じられたりする?でしょうか。あまり深入りしたくないですが、そんな時代もあったなあ、みたいなことを思ってみたりします。

自分で使っておきながら「かうかう」って何だろう?

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秋ですね

秋ですね

柿の木に柿の実がなり秋来る

ばかみたいに単純な句ですが、先週の台風で延期された試合がこの三日間で行われ、何とか終わりホッとした~という感じで呟いてみました。

夕方、一時間くらい陽があったので、慌てて家の周りの「秋」を集めてみました。noteも自転車操業です。

蕎麦の花 シルバーウィーク終はりけり

栗むいてやっとこさっとこ栗ご飯

猫の見る秋の田んぼの稲孫かな

一瞬何だかわからないけど う

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秋の夕暮

秋の夕暮

今日は夕方、お猫様との散歩。

木の上に登って得意そうです。
御年15歳でありながら、元気。カラスを追いかけて10mくらいの木を駆け上ることもあります。

栗を拾いました。

結構、大きくて、いい栗です。
明日はたぶん、カミさんが栗ご飯を作ってくれることでしょう。

御殿場ではもう稲が実り、この土日で稲刈りをしたところが多く見かけられました。

昨日は中秋の名月。月を撮ってみました。

ぐっと、秋

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鬱の歌

鬱の歌

■ Ⅰ

とりとめもなくなつかしい手触りのたとへば耳たぶのやうだ 鬱は

君のおなかに顔を埋めているやうな やはらかきやはらかき 鬱

やわらかい取り留めもないものとして「鬱」を詠んでみました。
「耳たぶ」「おなか」。
人肌の温みとともに、どこか懐かしい閉塞感。

ネットの検索ですが、「鬱」の解字は次のように書かれていました。

そこに隠れ込んで埋もれてしまいたいような「隠れ家」かもしれません。

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