たかまつなな、気骨の人生を何周か生きた人

私はテレビを年末しか付けない。
YouTubeとその他Webニュースから日々の出来事を流し読んで
気になった情報をさらに深くネットで潜り漁るのが私のルーティン。

YouTubeで偶然ニュースについてLive配信やっていたので視聴する。

若そうで若くはない色気の無い女性が淡々とニュースを読み上げ、
彼女の考察が入り、そして視聴者のコメントを拾い、弁証法のように
出来事の本質的な問題を明らかにし視聴者に何を与えることもなく
投げっぱなしで次のニュースを読み上げていく。

テレビだったら絶対にクレームが来て怒られるパターンのそれだ。

まさか意図的なのか？

ひねくれ者の私はどうせ新聞社がバックのさらには
スポンサーの意向に沿ったテレビの報道程度のクオリティーか
それ以下なものと決め付けいた。

そして視聴者に目を覚まさせるようなコメントを投げかけてやろうと機を伺う。
試しに、ニュースを読み上げ彼女の考察の弁が終わるタイミングを身計って
最短距離でしか到達出来ないであろう本質的な言葉を突き付けてみた。

彼女はどうせ私のコメントは拾わず、都合の良い偏差値の低そうなコメントだけを拾い上げていくに違いない。
それでも構わない、私は数百人の視聴者に私のコメントが目に入りさえすればよかったのだ。

淡々とした彼女の表情が明らかに曇る。私の私のコメントを見たのだろう。
次の最中、目を輝かせながら私のコメントを拾い上げて賛同とその問題についての引用元を明かし、視聴者に冷や水を浴びせるように目を覚せと語気を強める。

まだ私は信じない。どうせよくある知ったかぶりの困った時のポージングだ。
きっと彼女のセリフを奪ったからに違いない。

また彼女は淡々と次のニュースを読み上げる。
大体が私が既に潜って知り得てる出来事だ。意地悪してやろう、今度は視聴者の目を曇らすような陰謀論めいたコメントだ。彼女は悲しそうに私のコメントを再度拾い、陰謀論の危うさを率直に説く。

なかなかやるな。頭の反射神経が良い、普通なら思考は数テンポは遅れて修正が入り言葉にしていくのを彼女は専門家のように難なくこなしていく。

少し私の火が付いた。このままだと私が株を下げたまま終わってしまうからだ。
しっかりと名誉の回復はしておきたい。政治経済のニュースは続いていく。
きっと私のコメントを二度連続で拾ったのは私が初見さんでチャンネル登録してほしいからだ。そして株を下げてしまった私のコメントはもう流石に拾わないはずだ。

荒らしてしまうようで気が引けたが、次の私が送ったコメントも核心を突くには早急過ぎるような内容だった。私の気が早ったのだろう。
彼女は目を大きく見開き笑顔でその話がしたかったとようやく無邪気な女性の顔を見せた。

彼女は退屈だったのだ、視聴者のコメントはフェミニストが喜ぶであろうコメントに溢れている。その中で私は彼女を女性として扱わず論客として腕を試すコメントをしていたのを喜んでいたのだ。
私自身も彼女に試されていたと気付かされた。そして会話のような討論の配信にさせてしまい視聴者は置き去りになってしまったことを互いに気付き、私は黙り彼女は淡々と再びニュースを読み上げる。

そんな週末のLIVE配信を何週間か続けてみた。
彼女と私は一向にブレる気配はない。

気骨のある女性、、いや気骨の人と言っていい。
リアルでも中々お目に掛かれないタイプ。ホンモノだ。
鋭い爪を牙を隠し切れていないのは若さゆえだろう。

毎週20時に生配信が始まる、今では以前のような長時間深掘り系のニュース配信のスタイルは影を潜めてしまった。登録者数を増やすための難易度の低いニュースを取り上げて、時間を短くしニュースリテラシーの低い層に迎合した感があるが、それは多くの人に知ってもらうためには仕方がないことなのだろう。

しかしそれ以外の動画はかなりクオリティーが高い社会派の動画ばかりを上げている。視聴回数は残念ながら多くはない。娯楽性の高いYouTubeでは硬派な孤高と言ってもいいぐらいの気高さ。

彼女は自らをお笑いジャーナリストと言うが、お笑いは正直質が低い。
池上彰がチャラ男をやるぐらいの寒さだ。

お嬢様キャラがジャーナリズムの中にいる特異性を演出したいのだろうが
それでは動物園にいる虎だ。早く檻からの抜け出し愛玩キャラを捨て
野生に戻り吠え叫ぶ姿が観たい。私はそれに喰い殺されることを望んでいる。

「笑下村塾」日本で唯一全国の学校や企業に政治や選挙の授業を行う会社。特に公立学校は無料でも引き受ける、お笑いのクッションを入れながら。
その代表取締役、副業を認めていたNHKもそれには目を閉じてはいられなくなったのか追放されるように動物園を自ら退職した。

私が託した数ある光のうち一人。
noteが吠える場所と教えてくれた人。

輪廻転生を何回重ねればあの域にいけるのだろうか。
私はきっともう人間にはなれないのは覚悟している。

https://note.com/takamatsunana/n/n3ffa69cfc4d5