Slow Food Nippon

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    スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱舟プロジェクト」に登録された希少な食材や食文化を伝えるダイニング&メディアプロジェクトです。「味の箱舟プロジェクト」は、世界中で消えてしまいそうな伝統食、伝統知を文字に起こして貯めておく、「絶滅危惧食品リスト」

記事一覧

それでも漁と、人と、向き合い続けるワッデン海の漁師~オランダレポート➁~

漁業は白黒の世界じゃないし、人生だって白黒じゃない。 怒りをにじませた声で、オランダの漁師さん は語りました。 TS31 “Internos” という名の船に乗って活動するご夫…

Slow Food Nippon
3か月前
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オランダの味を、生産者の声を、伝える~オランダレポート①~

色鉛筆の筆跡が残る、素朴だけれど色鮮やかなイラスト。ハードカバーでずっしりとした、百科事典のような質感。Slow Food Nederland(スローフード・オランダ)の「味の箱…

Slow Food Nippon
3か月前
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SDGs達成の鍵がアグロエコロジーである理由

科学者のヨハン・ロックストロムは、2016年にストックホルム・レジリエンス・センターの所長を務めていたときに、持続可能な開発目標(SDGs)の経済的、社会的、生態学的側…

Slow Food Nippon
5か月前
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スローフードな 「ふるさと納税」いかがですか? (2022年度版)

皆さんこんにちは! いよいよ年の瀬。この時期に「ふるさと納税」をする方も多いのではないでしょうか。 そこで、Slow Foodの「味の箱船」プロジェクトに登録されている食…

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【かたつむりアカデミー2022年9月レポート】 スローフード協会の新代表:エディと語ろう! 〜アフリカ10,000の菜園プロシ…

9月の かたつむりアカデミーを開催しました 9月の かたつむりアカデミー🐌は、ゲストスピーカーにスローフード協会の新会長のエディ・ムキビと徳島大学の内藤先生をむかえ…

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Terra Madre Salone del Gusto 2022 日本代表メンバー一挙公開!

Terra Madre Salone del Gustoとは? 2022年9月22日から26日にかけて、第14回テッラ・マードレ・サローネ・デル・グストがトリノで開催されます。 テッラ・マードレ・サロ…

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かたつむりアカデミー2022年8月レポート「“八丁味噌“の名前が使えなくなる? 〜GI(地理的表示)制度について考える〜」

7月の かたつむりアカデミーを開催しました先月の7月28日に 八丁味噌とGI(地理的表示)制度をテーマに かたつむりアカデミーを開催しました。 その名も「“八丁味噌“の名…

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GI(地理的表示)って何?詳しく紹介します!〜実は知らない食の豆知識〜

シャンパーニュ地方のシャンパン、パルマの生ハム、モデナのバルサミコ酢、ギリシャのフェタチーズ、奈良の三輪素麺・・・ これらの共通点が何か、わかりますか? 答えは…

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上勝町の阿波晩茶 〜「我が家の味」は重要無形民族文化財〜

阿波の伝統茶を訪ねて8月上旬、徳島県の上勝町を訪れました。リサイクル率80%を生んだ「ゼロ・ウェイスト」や、料理に添える“つまもの”を生産する「葉っぱビジネス」で…

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本枯節って何?普通の鰹節と何が違うの?なまり節や荒節などもあるけど差は何?〜実は知らない食の豆知識〜

日本人にとって鰹節は、「だし」のもと。意識しなくても、間接的にでも、誰もが必ず口にしている、とっても重要な食材です。 ですが、鰹節削り器が自宅にあり、毎朝のお…

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小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.3

日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジ…

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小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.2

日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジ…

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小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.1

日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジ…

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それでも漁と、人と、向き合い続けるワッデン海の漁師~オランダレポート➁~

それでも漁と、人と、向き合い続けるワッデン海の漁師~オランダレポート➁~

漁業は白黒の世界じゃないし、人生だって白黒じゃない。
怒りをにじませた声で、オランダの漁師さん は語りました。

TS31 “Internos” という名の船に乗って活動するご夫婦、Barbara(バーバラ)さんとJan(ヤン)さん。ワッデン海で牡蛎や、ヨーロッパスズキやメルルーサなどの魚を捕りつつ、週末にはLawersoog(ラゥアーズオーグ)というオランダ北部の沿岸部の町で、’t Ailand

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オランダの味を、生産者の声を、伝える~オランダレポート①~

オランダの味を、生産者の声を、伝える~オランダレポート①~

色鉛筆の筆跡が残る、素朴だけれど色鮮やかなイラスト。ハードカバーでずっしりとした、百科事典のような質感。Slow Food Nederland(スローフード・オランダ)の「味の箱船」の本が2021年に発刊されました。クラウドファンディングを通して498人もの支援者に支えられて実現したと聞き、プロジェクトを担当したMaarten Kuiper(マーテン・カゥパー)さんに話を伺いました。

アムステル

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SDGs達成の鍵がアグロエコロジーである理由

SDGs達成の鍵がアグロエコロジーである理由

科学者のヨハン・ロックストロムは、2016年にストックホルム・レジリエンス・センターの所長を務めていたときに、持続可能な開発目標(SDGs)の経済的、社会的、生態学的側面に関する新しく独創的な見方を提示し、それが食と持続可能性に関わる人々のベンチマークであり続けています。

SDGsで掲げられているすべての目標は、サステナブルで健康的な"食"に直接的または間接的に関係しているのではないかと主張する

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スローフードな 「ふるさと納税」いかがですか? (2022年度版)

スローフードな 「ふるさと納税」いかがですか? (2022年度版)

皆さんこんにちは!
いよいよ年の瀬。この時期に「ふるさと納税」をする方も多いのではないでしょうか。
そこで、Slow Foodの「味の箱船」プロジェクトに登録されている食や、日本各地で活躍されるスローフードメンバーの皆さんの食が、ふるさと納税の返礼品として扱われているページをできるだけ集めてみました!

スローフードな返礼品を扱っている自治体へ納税することで、持続可能な活動にお金を投資することにも

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【かたつむりアカデミー2022年9月レポート】 スローフード協会の新代表:エディと語ろう! 〜アフリカ10,000の菜園プロジェクト〜

【かたつむりアカデミー2022年9月レポート】 スローフード協会の新代表:エディと語ろう! 〜アフリカ10,000の菜園プロジェクト〜

9月の かたつむりアカデミーを開催しました

9月の かたつむりアカデミー🐌は、ゲストスピーカーにスローフード協会の新会長のエディ・ムキビと徳島大学の内藤先生をむかえて、アフリカ10,000の菜園プロジェクトをテーマに9月3日(土)に 開催しました。

ゲストスピーカープロフィール

Edie Mukiibi(エディ・ムキビ)
スローフード協会 会長(2022年7月〜)

ウガンダ出身・在住。マ

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Terra Madre Salone del Gusto 2022 日本代表メンバー一挙公開!

Terra Madre Salone del Gusto 2022 日本代表メンバー一挙公開!

Terra Madre Salone del Gustoとは?

2022年9月22日から26日にかけて、第14回テッラ・マードレ・サローネ・デル・グストがトリノで開催されます。
テッラ・マードレ・サローネ・デル・グストとは、Good Clean Fair な食べ物とフードシステムをテーマにしている世界最大の国際イベントで、2年に1度、イタリアのトリノで開催されます。イタリアのブラに本拠を置き、1

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かたつむりアカデミー2022年8月レポート「“八丁味噌“の名前が使えなくなる? 〜GI(地理的表示)制度について考える〜」

かたつむりアカデミー2022年8月レポート「“八丁味噌“の名前が使えなくなる? 〜GI(地理的表示)制度について考える〜」

7月の かたつむりアカデミーを開催しました先月の7月28日に 八丁味噌とGI(地理的表示)制度をテーマに かたつむりアカデミーを開催しました。

その名も「“八丁味噌“の名前が使えなくなる? 〜GI(地理的表示)制度について考える〜」です。

かたつむりアカデミーって?

かたつむりアカデミーでは、現在、食料システムの中で起きている「課題」や「問題点」を取り上げて、議論を喚起させる事を目的としてい

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GI(地理的表示)って何?詳しく紹介します!〜実は知らない食の豆知識〜

GI(地理的表示)って何?詳しく紹介します!〜実は知らない食の豆知識〜

シャンパーニュ地方のシャンパン、パルマの生ハム、モデナのバルサミコ酢、ギリシャのフェタチーズ、奈良の三輪素麺・・・

これらの共通点が何か、わかりますか?

答えは、全てGI(Geographical Indication = 地理的表示)の保護制度に登録されている食べ物ということです。

地理的表示・GIとはなんでしょう?この記事でじっくり詳しく解説していきます。

GI(地理的表示)とは例えば

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上勝町の阿波晩茶
〜「我が家の味」は重要無形民族文化財〜

上勝町の阿波晩茶 〜「我が家の味」は重要無形民族文化財〜

阿波の伝統茶を訪ねて8月上旬、徳島県の上勝町を訪れました。リサイクル率80%を生んだ「ゼロ・ウェイスト」や、料理に添える“つまもの”を生産する「葉っぱビジネス」で全国的にも注目されている場所です。

人口は1500人にも満たず、信号は町にひとつだけ。山々に囲まれた自然豊かな地域で今回私たちが視察したのは、ゼロウェイストでも葉っぱビジネスでもなく、乳酸菌で発酵させて作る伝統的な阿波晩茶(あわばんちゃ

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本枯節って何?普通の鰹節と何が違うの?なまり節や荒節などもあるけど差は何?〜実は知らない食の豆知識〜

本枯節って何?普通の鰹節と何が違うの?なまり節や荒節などもあるけど差は何?〜実は知らない食の豆知識〜



日本人にとって鰹節は、「だし」のもと。意識しなくても、間接的にでも、誰もが必ず口にしている、とっても重要な食材です。
ですが、鰹節削り器が自宅にあり、毎朝のお味噌汁を鰹節削りからやっています!という人は、今の時代にはかなり少なくなっているのではないでしょうか。そして、そんな方でも、「本枯節」と聞いて、それが何なのか説明できる人はごく一部ではないでしょうか。

一言で鰹節といっても、その中にはた

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小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 
オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.3

小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.3

日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジェクトの記念すべき創刊号は、沖縄で食べ継がれ、今ふたたび光を浴びつつある在来大豆「オーヒグー」の物語をお届けします。

HAKOBUNEプロジェクトとは?
スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱船

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小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 
オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.2

小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.2

日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジェクトの記念すべき創刊号は、沖縄で食べ継がれ、今ふたたび光を浴びつつある在来大豆「オーヒグー」の物語をお届けします。

HAKOBUNEプロジェクトとは?
スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱船

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小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 
オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.1

小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.1

日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジェクトの創刊号は、沖縄で食べ継がれ、今ふたたび光を浴びつつある在来大豆「オーヒグー」の物語をお届けします。

HAKOBUNEプロジェクトとは?
スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱船プロジェク

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