Slow Food Nippon

Slow Food Nippon

マガジン

  • HAKOBUNE

    スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱舟プロジェクト」に登録された希少な食材や食文化を伝えるダイニング&メディアプロジェクトです。「味の箱舟プロジェクト」は、世界中で消えてしまいそうな伝統食、伝統知を文字に起こして貯めておく、「絶滅危惧食品リスト」

最近の記事

それでも漁と、人と、向き合い続けるワッデン海の漁師~オランダレポート➁~

漁業は白黒の世界じゃないし、人生だって白黒じゃない。 怒りをにじませた声で、オランダの漁師さん は語りました。 TS31 “Internos” という名の船に乗って活動するご夫婦、Barbara(バーバラ)さんとJan(ヤン)さん。ワッデン海で牡蛎や、ヨーロッパスズキやメルルーサなどの魚を捕りつつ、週末にはLawersoog(ラゥアーズオーグ)というオランダ北部の沿岸部の町で、’t Ailand(エット・アィランド) という漁師直営レストランを開いています。また、Janさん

    • オランダの味を、生産者の声を、伝える~オランダレポート①~

      色鉛筆の筆跡が残る、素朴だけれど色鮮やかなイラスト。ハードカバーでずっしりとした、百科事典のような質感。Slow Food Nederland(スローフード・オランダ)の「味の箱船」の本が2021年に発刊されました。クラウドファンディングを通して498人もの支援者に支えられて実現したと聞き、プロジェクトを担当したMaarten Kuiper(マーテン・カゥパー)さんに話を伺いました。 アムステルダム中央駅からフェリーで5分ほどの場所にあるレストランでMaartenさんと待ち

      • SDGs達成の鍵がアグロエコロジーである理由

        科学者のヨハン・ロックストロムは、2016年にストックホルム・レジリエンス・センターの所長を務めていたときに、持続可能な開発目標(SDGs)の経済的、社会的、生態学的側面に関する新しく独創的な見方を提示し、それが食と持続可能性に関わる人々のベンチマークであり続けています。 SDGsで掲げられているすべての目標は、サステナブルで健康的な"食"に直接的または間接的に関係しているのではないかと主張する中で、彼は次のような素朴な疑問を投げかけました。「食の問題によりフォーカスするこ

        • スローフードな 「ふるさと納税」いかがですか? (2022年度版)

          皆さんこんにちは! いよいよ年の瀬。この時期に「ふるさと納税」をする方も多いのではないでしょうか。 そこで、Slow Foodの「味の箱船」プロジェクトに登録されている食や、日本各地で活躍されるスローフードメンバーの皆さんの食が、ふるさと納税の返礼品として扱われているページをできるだけ集めてみました! スローフードな返礼品を扱っている自治体へ納税することで、持続可能な活動にお金を投資することにもつながります。ぜひこの機会に「美味しい」「きれい」「ただしい」食に触れてみてくだ

        それでも漁と、人と、向き合い続けるワッデン海の漁師~オランダレポート➁~

        マガジン

        • HAKOBUNE
          Slow Food Nippon

        記事

          【かたつむりアカデミー2022年9月レポート】 スローフード協会の新代表:エディと語ろう! 〜アフリカ10,000の菜園プロジェクト〜

          9月の かたつむりアカデミーを開催しました 9月の かたつむりアカデミー🐌は、ゲストスピーカーにスローフード協会の新会長のエディ・ムキビと徳島大学の内藤先生をむかえて、アフリカ10,000の菜園プロジェクトをテーマに9月3日(土)に 開催しました。 ゲストスピーカープロフィール Edie Mukiibi(エディ・ムキビ) スローフード協会 会長(2022年7月〜) ウガンダ出身・在住。マケレレ大学卒、イタリア食科学大学修士課程修了。農学者、食農教育者、社会起業家、スロ

          【かたつむりアカデミー2022年9月レポート】 スローフード協会の新代表:エディと語ろう! 〜アフリカ10,000の菜園プロジェクト〜

          Terra Madre Salone del Gusto 2022 日本代表メンバー一挙公開!

          Terra Madre Salone del Gustoとは? 2022年9月22日から26日にかけて、第14回テッラ・マードレ・サローネ・デル・グストがトリノで開催されます。 テッラ・マードレ・サローネ・デル・グストとは、Good Clean Fair な食べ物とフードシステムをテーマにしている世界最大の国際イベントで、2年に1度、イタリアのトリノで開催されます。イタリアのブラに本拠を置き、160カ国に展開する非営利の国際団体スローフードが、1996年に初めて開催しました

          Terra Madre Salone del Gusto 2022 日本代表メンバー一挙公開!

          かたつむりアカデミー2022年8月レポート「“八丁味噌“の名前が使えなくなる? 〜GI(地理的表示)制度について考える〜」

          7月の かたつむりアカデミーを開催しました先月の7月28日に 八丁味噌とGI(地理的表示)制度をテーマに かたつむりアカデミーを開催しました。 その名も「“八丁味噌“の名前が使えなくなる? 〜GI(地理的表示)制度について考える〜」です。 かたつむりアカデミーって? かたつむりアカデミーでは、現在、食料システムの中で起きている「課題」や「問題点」を取り上げて、議論を喚起させる事を目的としています。 最終的には、国内外のスローフードのネットワークの知見を集めて学び合い、よ

          かたつむりアカデミー2022年8月レポート「“八丁味噌“の名前が使えなくなる? 〜GI(地理的表示)制度について考える〜」

          GI(地理的表示)って何?詳しく紹介します!〜実は知らない食の豆知識〜

          シャンパーニュ地方のシャンパン、パルマの生ハム、モデナのバルサミコ酢、ギリシャのフェタチーズ、奈良の三輪素麺・・・ これらの共通点が何か、わかりますか? 答えは、全てGI(Geographical Indication = 地理的表示)の保護制度に登録されている食べ物ということです。 地理的表示・GIとはなんでしょう?この記事でじっくり詳しく解説していきます。 GI(地理的表示)とは例えばシャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方で生産された発泡ワインのことですが、地

          GI(地理的表示)って何?詳しく紹介します!〜実は知らない食の豆知識〜

          上勝町の阿波晩茶 〜「我が家の味」は重要無形民族文化財〜

          阿波の伝統茶を訪ねて8月上旬、徳島県の上勝町を訪れました。リサイクル率80%を生んだ「ゼロ・ウェイスト」や、料理に添える“つまもの”を生産する「葉っぱビジネス」で全国的にも注目されている場所です。 人口は1500人にも満たず、信号は町にひとつだけ。山々に囲まれた自然豊かな地域で今回私たちが視察したのは、ゼロウェイストでも葉っぱビジネスでもなく、乳酸菌で発酵させて作る伝統的な阿波晩茶(あわばんちゃ)。この町で、代々自家用として伝えられてきました。 阿波晩茶の「晩茶」は、遅い

          上勝町の阿波晩茶 〜「我が家の味」は重要無形民族文化財〜

          本枯節って何?普通の鰹節と何が違うの?なまり節や荒節などもあるけど差は何?〜実は知らない食の豆知識〜

          日本人にとって鰹節は、「だし」のもと。意識しなくても、間接的にでも、誰もが必ず口にしている、とっても重要な食材です。 ですが、鰹節削り器が自宅にあり、毎朝のお味噌汁を鰹節削りからやっています!という人は、今の時代にはかなり少なくなっているのではないでしょうか。そして、そんな方でも、「本枯節」と聞いて、それが何なのか説明できる人はごく一部ではないでしょうか。 一言で鰹節といっても、その中にはたくさんの種類があります。この記事では、それぞれの用語の違いを説明していきましょう

          本枯節って何?普通の鰹節と何が違うの?なまり節や荒節などもあるけど差は何?〜実は知らない食の豆知識〜

          小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.3

          日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジェクトの記念すべき創刊号は、沖縄で食べ継がれ、今ふたたび光を浴びつつある在来大豆「オーヒグー」の物語をお届けします。 HAKOBUNEプロジェクトとは? スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱船プロジェクト」に登録された希少な食材や食文化を、より多くのかたがたとともに愛で伝

          小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.3

          小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.2

          日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジェクトの記念すべき創刊号は、沖縄で食べ継がれ、今ふたたび光を浴びつつある在来大豆「オーヒグー」の物語をお届けします。 HAKOBUNEプロジェクトとは? スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱船プロジェクト」に登録された希少な食材や食文化を、より多くのかたがたとともに愛で伝

          小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.2

          小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.1

          日本の南端でありながら、台湾から続く琉球弧文化圏に位置する沖縄。その生活文化や精神文化は、国連から先住民族に認められるほどの独自性を持っています。HAKOBUNEプロジェクトの創刊号は、沖縄で食べ継がれ、今ふたたび光を浴びつつある在来大豆「オーヒグー」の物語をお届けします。 HAKOBUNEプロジェクトとは? スローフードインターナショナルおよびスローフードニッポンが展開する「味の箱船プロジェクト」に登録された希少な食材や食文化を、より多くのかたがたとともに愛で伝えるダイニ

          小粒で青い畑の宝石 沖縄在来大豆 オーヒグーの歴史を島豆腐で味わう vol.1