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#過去

ケセラセラ 《詩》

ケセラセラ 《詩》

「ケセラセラ」

昔日の繁栄の面影は

歴史の中に埋没する

祭りの花火の様に

強固に脈打つ現生的な栄光は

時間と共に

次第に色褪せ失われて行く

栄華と挫折を
一度に曝け出す過去を映す鏡

僕等は強い共同意識を持ち

外部との混在を否定し続けていた

ゆっくりと揺蕩うごとく流れる幻想

確固たる世界観の中に共存する夢

丘の上にある大きな鐘を鳴らす

不明確な旋律が
切れ目なく流れている

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海色に沈む 《詩》

海色に沈む 《詩》

「海色に沈む」

目には見えない雲の切れ端 

小さな浮雲

ゆっくりと型を変えて空を彷徨う

其れは僕の過去 

失われた記憶を求めて漂っている 

部屋の窓から 
遠くに少しだけ見える海

巨大な海の切り取られた断片

其処には波音も
潮の匂いも無い海色の小さな塊

僕は記憶の枠の内側に居るのか
外側に居るのか

何も見えない思い出せない 

僕の知らない所で物事は進展し

行き場を失くしたの

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モノクロ 《詩》

モノクロ 《詩》

「モノクロ」

言葉の殺人 流れ崩れ落ちる様

次元を超えた常識の外側 

数々の帳尻合わせ
煙の向こう側に消えた

時間で支配されたモノクロの世界

シラフじゃ超えられない事柄

望みを拒む風が
壁となり立ちはだかる

取り損ねた金 闇に消える灯り 

重圧と向き合う日々

殴る様に書き続け 
ひたすらに巻き火を付ける

置き去りに
出来ないままの言葉が徘徊

過ちに染まる過去に学べば
自ずと向

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不確かな光 《詩》

不確かな光 《詩》

「不確かな光」

曖昧な欲望の濃淡が
壁から剥がれ落ちるのを見ていた

僕は電話をかける事をやめた 

彼女から電話が来る事も無かった

その透明な断層に音は無く

ただ風が吹いていた

僕等の時間の中に答えは無かった

完璧な眠りに似た 
沈黙が街を包み込み

僕は後ろを振り向かなかった

一度も振り向かなかった

月に薄っすらとかかった雲

過去と現在 

僕は不確かな朝の光を待っていた

狂った旋律 《詩》

狂った旋律 《詩》

「狂った旋律」

蒼ざめた闇に浮かぶ消えそうな月

募る不安を掻き消す様に書き殴る

氷の様に冷たいガラスの雑踏

狂った旋律 
また誰かが泣いている

僕等はただひとつの
夜と夢を探してる

必ず守るさ 最後の約束

未来も過去も全て抱きしめて

この手を離さないで 
お願いだから

Fuck you baby 《詩》

Fuck you baby 《詩》

「Fuck you baby」

ほじくり返したお前の過去

ただ お前に近づきたくて

悪ぶって見せたり 
ふざけて笑わせたり

ただ お前を振り向かせたくて

綺麗で猥褻 繊細で知的
お前に狂わされた毎日

もっともっと欲しがりなよ

あの夜の様に
エンドレスなリピートで

BITCH 知ってるさ
今夜は誰 明日は誰 俺はいつ

馬乗りの愛 奪いなよ 
Fuck You Baby

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陽は昇る 《詩》

陽は昇る 《詩》

「陽は昇る」

届かぬ想い 貴方の瞳

救い 奈落 
描いては消し去る

愚かな時は暗黒を育て 

月と太陽に背き憎しみを生む

感情を断ち時を断ち過去を未来を

救いを求めても嘲笑う無数の星

持て余す曖昧な欲望

鏡の中に映る最後の顔 

人格 

思考 

権力 

標的

神となりて誓う復讐

加速して行く痛み 制裁

星の叫び 終わる事なく

また陽は昇る

Photo : Seiji

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初夏の風 《詩》

初夏の風 《詩》

「初夏の風」

草の匂いがなんか好きでさ

初夏の風は 
あの頃のふたりを思い出すから

あの日の景色 

大切な約束をした様な
しなかった様な

君は正直だっただけ わかってる

愛してるとか 
愛し合いたいとか

恥ずかしくて言えないよ

捨てられない悲しみの中 

拭いきれなかった その涙
僕の知らない過去

絶望とか失望とか目に見えないもの

また目を伏せる

そんな君がたまらなく愛しい

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見えない勇気 《詩》

見えない勇気 《詩》

「見えない勇気」

頑なまでの本当の言葉 

正しい道を示し出す

何処かに無くした純粋な心 

虹の行方を辿る

名前も知らない風が
迷うな振り向くなと背中を押す

目には見えないもので 
この街は出来ていて

魔法の呪文を囁く君が僕を手招きする

気付かなかった流星 

ダイアモンドの光

痛みを知る怖さに逃げ出した日々

いつか今も過去に変わる 
嘘みたいだろう

変わらず星は其処で輝いてい

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風に任せて 《詩》

風に任せて 《詩》

「風に任せて」

地図も何も無く 
ただ飛び続けた

風に任せて
 
投獄 脱獄 
どちらも変わりはしない

天国と地獄が同じ様に

足枷 鎖 罪隠し息絶えても

空は青く高く手は届かない

破り捨てた嘘 
切り裂いた明日

行方 道の正しさ

まやかしの空に消えた月
輝く孤独は反逆の星

最後の過去と最初の未来 
それが今

風は変わらず吹いている

Photo : Seiji Arita

冬が来る 《詩》

冬が来る 《詩》

「冬が来る」

過去の虹が空にかかり
あの日の影が風に揺れる

白い息と微笑む君の頬
手を繋いだ星の片隅

君の好きな冬が来る

忘れられずに記憶を辿る

雲が隠した月が
また差し込み扉を開けて

僕の嫌いな冬が来る

Photo : Free Pic

終わらない夢 《詩》

終わらない夢 《詩》

「終わらない夢」

目と目を合わせられない僕を見て

優しく微笑むその裏側に
淫らな企みと甘美な香り

細くしなやかな指先に
妄想を掻き立てる

幾つもの分かれと引き換えに
得た妖艶な美貌

ゆっくり唇を這わす
囁くように

指先でなどる過去の幻影

擦り合わせた肌に
終わる事無い夢を見る

Photo : Free Pic