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コロナが私から奪ったもの
これまで定期的に海外に行っていたのは、なぜなのか。
遊びたいから、食べたいから、知りたいから、だと思っていた。
新型コロナが流行し、海外へ行くのが難しくなっても、さして困難はなかった。日々の生活を過ごし、いつか解放される日が来ると信じるだけで生きていけた。
でも今日。撮りだめたドラマが終わったので、以前撮った旅行番組を見ることにした。中国・雲南省を撮影した番組だ。
好きな番組だったので、過
口下手な人間の会議対処法(というほどでもないが)
「ちょっと、言っていることがよく分からないので、書面で出して」
遠くに聞こえる上司の乾いた声。
あー、またやってしまった。私はとにかく話すのが苦手だ。
特に、会議で自分の企画を論理的に説明し、理解を得るという作業の失敗率はかなり高い。
社会人として致命的だし、キミよく記者やってるよねと思われるだろう。でも、言いたいことがあれこれ出てきて、それを言葉にしないと気が済まないのだ。
一方、一息つ
夫の海外赴任が決まった日の、不安定なアップダウンを忘れないための記録
夫の海外赴任が決まった。
実は、少し前から話はあった。決まったと仮定して悩んだ結果、「ついて行かない」ことで気持ちは固まっていた。
しかし今日、昼に主人からのLINEを見たとき、うわずったような「ウソ…」の声とともに、いてもたってもいられなくなり、階下のローソンへ走った。酒でも呷りたい気分だったが、さすがにまずいので、10年に一度くらいしか買わないコーラを買って、飲み干した。
いつも文章を書
めげずに続けよ、未来はある
15歳から男性多数の世界にいたが、22歳までは男性はただ数が多いだけで、全て対等だと思っていた。
でも、22歳を過ぎて状況は変わり、いつの間にか、大多数の男性に囲まれながら、分かったような顔をして相槌を打つ習慣が身についてしまった。どうせ私が何を言っても、「頑張ってるお嬢ちゃん(今はおばさん)」としか見られない。
だから、書いた記事を見て驚く人もいたけど、評価はありがたいと思いつつ、よくよく
年賀状を出す理由、出さない理由
また、この季節が来てしまった。
数年前に「年賀状、書きません宣言」をぶちまけたものの、家族・親戚には送らないといけないし、ありがたく送ってくれる友人たちへはお返ししたいしで、結局、私の年賀状は細々と続いている。
ただの物臭である。
黒の水性ペンがないとか、今日は寒いからとか理由をつけて、いつも後回しになる。
宛先をExcelに打ち込むことすら面倒なので、宛名も漫然と手で書き続けているという
「ついつい話してしまう」が理想的
人に話を聞くときに、相手の想定より多くを語ってもらってこそ意味がある。
そのため、尋ね方には細心の注意を払っているつもりだが、それでもやはり至らない部分があり、ICレコーダーを聞き直しては反省といった毎日だ。
どうすれば、相手は話してくれるのだろうか。
私の場合、まずその場を楽しくすることに意を注ぐ。取材と言えば、どんな方であれ少しは緊張されるので、私の方からよく笑うようにして場を和
誰かを傷つけてはいけない、ただそれだけ
「新潮45」の問題の背景には、雑誌が売れない時代に先鋭的な意見を集めて、一定の支持を得たいという狙いがあったのは間違いないだろうが、編集部が「営業」と割り切って部数をかき集めているのか、本心から支持しているのかでは評価の質が異なってくる。
当初私は前者であろうと考え、出版業として誉められたものではないが、大手出版社も苦境なのだと同情する部分はあった。しかし、今回改めて「反論」を掲載したことで、編
嫌いな「写真」を好きになるまで
私は写真が苦手だった。今も本音を言えば、あまり得意ではない。文章なら後から修正できるが、写真は一瞬を逃すとおしまいであり、その緊張感に滅入ってしまうこともしばしばだ(どんなに弱いんだ、私)。
これは新聞社時代のトラウマが大きい。入社した当時はフィルムとデジタルを併用していた頃で、写真部出身の上司はデジタルが好きじゃなかったらしく、「写真はフィルムだろ」と常々言っていた。だから、しばらくは支局のカ