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気まぐれ日記『カプリス』

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普段の生活の中で気づいたことや、考えたこと、思ったことのかけらをつめたマガジンです。 エッセイやコラムみたいなものです。
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記事一覧

冷蔵庫美術館

冷蔵庫美術館

ご飯を作る前に、冷蔵庫の扉を見ることが
日課になりました。

冷蔵庫の扉の左側は、ちょっとした美術館に
なっているんです。

母が子どもと関わるお仕事をしていることも
あり、この美術館は子どもたちが描いたアートでいっぱいになりました。

ここに収蔵されることになった作品を、
紹介させてください。

例えば、覚えたばっかりのひらがなとカタカナで綴られた、母へのお礼の手紙。

ひらがなの「ほ」が左右逆

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窓

知らない人の窓辺を覗きに、
町の小さな映画館に行ってきました。 

映画は
「フェルメール THE GREATEST EXHIBITION
  アート・オン・スクリーン特別編 」。

黄色と青のターバンを巻いて耳もとに大きな
真珠の耳飾りをつけた女性が代表作の画家さんです。

作中では世界中に散逸していた作品たちを
ひとつの美術館に集め展示している様子を
見られるのですが、「何かしている人をこっ

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2023.9.13『強くなる』ことの怖さ

2023.9.13『強くなる』ことの怖さ

気づけば、米津玄師さんの曲を聴いている。
『月を見ていた』→『Lady』→『M八七』の順で
ループするのがマイブーム。

『Mハ七』では、米津さんは
『強くなりたかった  何もかもに憧れてた』と歌う。

心を強く持てばいいとか、
もっと強くなってあいつを出し抜いてやるとか、
強くなって誰かを助けるとか。

強くなることを良いこととする風潮が世の中には
あるけれど、
私は、強くなることが必ずしもいい

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2023.10.24「母がシンデレラになっていた件」

2023.10.24「母がシンデレラになっていた件」

「なーちゃん、見てみて〜」
自分の部屋でもくもくと本を読んでいたら、
1階のリビングから母の声がした。

いつもより、声のトーンが明るめ。
例えるとするなら、喫茶店でイチゴパフェが出てきた瞬間みたい、とか?
イチゴパフェの上のイチゴよりも嬉しいことって、なんだろう?

えらく嬉しそうだな。
またなんか、買ったんかな?

リビングに行ってみたら、
ヤフオクでお得に買ったという冬用サンダルを
履いた、

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2023.12.11「〜してごらんなさい」

2023.12.11「〜してごらんなさい」

私の、すてきだと思う言葉リスト『言葉の標本』に、新しい言葉が加わりました。

それは、「〜してごらんなさい」 

例えば、こんなふうに使います。
「服にカレーのシミがついてしまったときは、太陽の光が当たるところに置いてごらんなさい」

とくに、『暮らしの手帖』の、「エプロンメモ」というコーナーによく生息していることが多いなと
感じる言葉です。

「エプロンメモ」は、実際に毎日家事をしている読者の女

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2024.3.4 主食は言葉

2024.3.4 主食は言葉

何日もかけてゆっくりと本を読んで思った。
たぶん私の主食は、言葉だ。

お茶碗によそったごはんの一粒ひと粒を味わう
ように、今日も言葉を口にしている。

ちょっとダイビング行ってくる

ちょっとダイビング行ってくる

思い切って何かすることを「清水の舞台から飛び降りる」というけれど、この場合は「小舟の先から飛び降りる」と言った方がいいかもしれない。

最近のマイブームは、Nintendo Switchで面白いゲームを探すこと。

「スイカゲーム」で桃と梨ばかり作って箱を
いっぱいにしてしまったり、「8番出口」で
地下通路の急な停電や迫ってくる赤い水に
ビビりながら出口を目指したりと、
先の見えない展開を楽し

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【日記】ガラスペン

【日記】ガラスペン

小さい頃から、手帳の1ページに好きな漢詩や和歌を書いている母の真似をして、ノートの端に気に入った言葉をメモしてきた。
ノートの切れ端は「言葉の標本」と呼んでいる。

いつもボールペンだと、なんかつまんないなぁ。
そう思いながら、Seriaに行ったときのこと。

「これで書いたら楽しそう!」
気づいたら、ガラスペンを手に取っていた。

どんな、みずみずしい言葉が生まれるんだろう……?

どきどきしな

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歌がきっかけで、スペイン語を勉強しはじめた話

歌がきっかけで、スペイン語を勉強しはじめた話

教科書のページをめくって読んでいると、
初めて学ぶ言語のはずなのに時おり懐かしい
単語が出てくる。

「”Comida”は、”料理”って意味なのね......」
「あれ? どこかで聞いたことある単語だなぁ」 「あ、そうだ。 あの曲の歌詞に出てきてた!」

聞いたことのある単語を見つけたら、
すぐ教科書をほっぽり出してスマホに
持ち替え、YouTubeで歌を再生する。

スペイン語を勉強したいと思っ

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【日記】会いたい人がいる

【日記】会いたい人がいる

つい相手の目をじっと見つめてしまうくせがある
ことに気づいたのは、最近のこと。

目に見えない場所である「こころ」以外で、
人の体で美しいところはどこだろう? と
ある日ふと思ったときのことでした。

美しいと思うところって、つい惹かれてしまう。

そんな美しいところや素敵なところを追ってみる
のが、目。

じゃあ、目が、人の体の中で一番美しいということになるのかな?

この前も、美しい

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【日記】魔法の箱を手に入れた

【日記】魔法の箱を手に入れた

あなたにとって、「カメラ」とは何ですか?

そう尋ねられたら、「自分の見ている世界を誰かにおすそ分けできる、魔法の道具です」と私は答えるだろう。

カメラとの出会いは、小学校3年生くらいのころ だった。

そのころはちょうど「お絵かきブーム」の
真っ最中。休み時間になると、女の子たちは
こぞって自由帳にかわいいイラストを描いて、
互いに見せ合っていた。

自由帳に鉛筆をすべらせて輪郭を描き、
ボー

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【日記】夏の宵と、シェヘラザード。

【日記】夏の宵と、シェヘラザード。

夜は、人をいつもより、おしゃべりにしてくれる。

『千夜一夜物語』など、長く愛される物語が
生まれたのも、夜だった。

私がペンをとって文章を書きはじめるのは、
決まって夜遅く。
寝ようとしたらいきなり小説やエッセイなどの
ネタが見つかるのだ。

「このネタ、いいかも。
今書き残さないと忘れちゃうかも」

「もしかしたら、このネタから想像がパン生地 
みたいに膨らんでいって、もっとおもしろくなる

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【日記】「雷鳴」

【日記】「雷鳴」

「またひとつ、分からないことが増えた」

本や記事を読んで何かを学ぶたびに、
そう思います。

今は、このことわざの本当の意味を
ずっと考えてる。

ネットサーフィンをしていて偶然見つけた言葉
なのに、出会ったそのときから、
まるで感電したかのように惹かれています。

《口の中にある雷鳴》の意味はなんとなく掴めるんです。
悪口とか、愚痴とか、怒りとか。

雷鳴は、たとえ言わないようにと我慢していた

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【日記】あの景色が、見たい

【日記】あの景色が、見たい

ある日の夜、寝苦しくてふと目覚めた。

起きたら条件反射でスマホを手に持ち、
画面をつい眺めてしまう。

「なんか目、覚めてきちゃったなあ」

YouTubeでどこからか流れてくるおすすめ動画を
スクロールしていくと、見たことがないタイプの
動画を発見した。

「へ......? 『前世を知る旅に出かけましょう』?」

こんな簡単に、前世なんて知ることができるの
かな。

不安よりも、

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