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#リフレイン

24
断ち切れ、その幻想を。
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#リフレイン 25

#リフレイン 25

「はーるちゃん」

帰ってきてキッチンを覗くと
彼女が料理をしていた。
声をかけられた彼女は木べらを持ったまま
何の表情もなくこちらを振り返る。

「あ、おかえり」

いつもの光景。

「ただいま〜」

「なんでニヤニヤしてんの?」

「え?してる?」

「うん。」

「今日もはるちゃんがはるちゃんでよかったな〜って思ったの」

「なあにそれ?」

「褒めてんの〜」

彼女は怪訝そうな顔をしていた

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#リフレイン 24

#リフレイン 24

ビルの屋上は人がいない。
風が吹いて心地よい。

「志摩さんさあ」

「なんだよ」

「ほんとに、オレでよかったのかなあ。」

「…」

「志摩さんじゃなくて」

「お前までそんなこと言ってんのか」

「…はるちゃん、会社やめたじゃん?」

「…」

はるかさんはあの事件の後会社を辞めた。
やはりネットに上げられてしまったのは痛かった。
何も悪くないのに、怪しい危ない人になってしまった。それをオレ

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#リフレイン 23

#リフレイン 23

「てめぇ!!!!!どういう神経してんだ?!死にてえか!!」

伊吹は飛びかかってガンガン殴っていた。

「伊吹伊吹!ちょっと待て!」

制裁に入り、頑張ってふたりを引き剥がすと
その人はニヤニヤ笑っていた。

「はは…なんだこいつ、本当に殺す気かよ」

「ええ、殺すつもりですよ」

「はあ?」

「こいつはね?自分の大事な人は何があっても守るんですよ。何があっても。何をしてもどうやっても。意味、わ

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#リフレイン 22

#リフレイン 22

「はるちゃん!」

伊吹が部屋に飛び込んできた。

「…」

伊吹は目を丸くして辺りを見渡している。

「何これ…」

「…どうやって入ってきたの?」

「え?どうやって?」

「鍵」

「ああ、フロントで。ちょっと揉めちゃったけど。プライバシーがうんたらって」

「…そう」

「でもそんなこと言ってる場合じゃないって言ったら貸してくれたよ」

「…」

「はるちゃん」

「…」

「あの人でしょ

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#リフレイン 21

#リフレイン 21

残業していて遅くなってしまった。
誰もいないオフィスを早足で歩く。
暗いとやっぱり怖いなあ。

エントランスを出ると背後から声がした。

「お疲れ様〜」

振り返ると会ってはいけない人が立っていた。

「…!どうしてここに…」

「んー?また会いたくなったからさ」

マズい。

「…結構です」

走ろうとしたその瞬間、

「いやいや、そういうわけにはいかないんだな」

どっかから出てきた複数人に捕

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#リフレイン 20

#リフレイン 20

今日も夢の国は夢で溢れていた。
真ん中の海がよく見えるベンチに座って
私は夢であってほしい
あの人のことを思い出していた。

全てはもう終わったこと。

今日からは。
新しい自分で。

「でもさ、はるちゃんからお誘いなんて珍しいね〜!ま、オレはいつでもOKだけどさ!」

「伊吹はディズニー嫌いじゃなかった?人混みとか並ぶ〜とか、男の人あんまり好きじゃないイメージだったけど」

「え?超楽しくない?

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#リフレイン 19

#リフレイン 19

インターホンを鳴らしても応答がない。
ドアノブを下げるとカギは空いていた。

「…お邪魔しまーす」

「いらっしゃーい」

暗闇から声だけが聞こえた。

夕暮れに、少しだけ人影が見える。

どう考えても寝る場所ではないところで
彼女は大の字になって横になっていた。

「そんなところに寝そべって。こんなに暗くして。そのうちキノコ生えますよ」

「…うん」

「鍵も閉めないで。不用心ですよ」

「志摩

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#リフレイン 18

#リフレイン 18

目を開けると次の日になっていた。
部屋が明るい。

会話が聞こえる。

「…ああ、うん。ちょろかったわ〜。マジで。ちょろすぎて笑える。こんなにすぐヤレるって思ってなかった笑 さすがストーカーだけある。うん笑 でも次はないかな。うん。別にって感じだったし。うん。そうそう笑 まだこっちいるから飯食おうぜ。うん。はいはーい、あ、キャッチ入ったから切るわ。うん。

…もしもし?え?今?ホテル。うん。今週い

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#リフレイン 17

#リフレイン 17

ごめん伊吹。

わかってる。

だけど。
ここで彼と会わなかったら
何も終わらない。

待ち合わせのお店に入った。

「久しぶりだね」

そういう顔は穏やかなものだった。
あの頃とあまり変わってない。

「…本当に離婚したの?」

「第一声がそれなの?」

「だって…」

「ほら。指輪ないでしょ?」

「…どういうこと?なんで今さら私と会うの?」

「…はるかも思ってたでしょ?別れ方が悪かったよね

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#リフレイン 16

#リフレイン 16

誰もいないはずのフロアで
足音がした。

こっちに向かって誰かが歩いてくる。

「まーだ仕事するんすかあ?」

「伊吹…まだ帰ってなかったの?」

いつも通りニコニコした伊吹が立っている。

「ねえねえ」

「んー?」

「顔色悪いよねえ?」

「そう?普通でしょ」

「どうして嘘つくの?」

「嘘はつかない主義だけど」

椅子ごとぐるっと回された。

「こっち見て」

「ちょっと、」

「…辛い

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#リフレイン 15

#リフレイン 15

「いいの?ご馳走になっちゃって」

「いーのいーの!先輩とか後輩とか気にしないから〜」

「それ言うの、私の前だけにしてよ?みんなは先輩後輩気にしてるんだから。怒られるよ?」

「がってんしょうちのすけ〜

って、ほら。はるちゃん、バッグ持ってあげる。重たいでしょ?」

「いいよ、誰かに見られたらどうすんの」

「見せつけてくスタンス?」

「あいちゃんさすがだわ…」

「あいちゃん!今あいちゃん

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#リフレイン 14

#リフレイン 14

「志摩」

「はい」

「この前は…ごめん。なんか卑屈になっちゃったよね。せっかくタクシー呼んでくれたのに…ごめん。志摩のことが嫌とかそういうのではないから。ほんとに…ただちょっと、感情的になっちゃって。ごめん」

「いえ。オレも勝手にいろいろ言って。すみませんでした。」

「ふふ。大丈夫。」

「あ、これ。約束してたやつ。お誕生日プレゼントです」

「ありがとう。開けていい?」

「もちろん」

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#リフレイン 13

#リフレイン 13

「しーまーさ、」

「あぁ?」

「うわっ、ご機嫌斜めだ」

「うるせえ」

「どうしたの?」

「ムカついてんだよ…」

「誰に?」

「…言ってただろ。15年前奴だよ。あの人があんな風になったのは奴のせいだ。」

「証拠もないのに〜?偉く断定的だねえ。志摩さんらしくない」

「あんなんじゃ自滅するだろ…」

「それはオレもわかる。あれは自殺行為だよ。外傷はないけど、心が。」

「何言っても、仕

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#リフレイン 12

#リフレイン 12

「すみませんお待たせしました」

「彼女さん?痴話喧嘩?」

「上司です。痴話喧嘩する相手にまで至っていません。」

「そう。頑固そうだもんね。彼女」

「…そうなんですよね〜」

「まあ、お兄さん頑張って。濡れちゃったけど」

「ははっ笑 まあ、そうですね。はい。」

こればかりは
タクシーのおじさんの言う通りだ。
本当に頑固。

少しは近づけるかなと思ったのに
逆にシャッターを下ろされた。

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