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#小説
#12 君が僕の名前を呼ぶから
僕の記憶は全て嘘だった。
なにもかもが偽憶だった。
でも、全てが愛に溢れていた。
愛にも哀にも溢れていた。
彼女がユキが遺したものは
あまりにも大き過ぎた。
永くて甘い夢をずっと見ていた。
何で死んだんだ。
死ぬ必要なんてなかった。
どこにもなかった。
でも彼女なりにきっと後悔とか
たくさんしたんだろう。
僕はこの記憶にずっと埋め尽くされて
いたかった。
目を覚ますと思ってた。ギリギリ
#10 One Last Kiss
私が物語の主人公だとしたら
この人生という物語はどう終わるのだろう。
先が見えない。
窓際に飾った花の開いたはずの蕾は閉じるともなく宛を探していているように見えた。
「ユキ、ユキ、聞いてる?」
「あ、ごめん、ぼっーとしてた。どうしたの?」
「いや最近雨続きで頭痛くないかなって。」
「私は毎日なんとなくで風邪薬飲んでるから平気だよ?ライムきつい?」
「風邪引いてないのに飲んでいいものなの?
常識と良識と病識と夢の季節#06
統合失調症の疑い。そう記された書類を見てから
気がつけば僕には病名が付けられていた。
統合失調感情障害。
僕は恥ずかしい事にそれまで精神病なる病気の概念も
何もかも知らなかった。
それからネットで調べたり、誰が何年にこの概念を発見し、なんて知らなくてもいいような事まで頭に叩き込んだ。やれと言われていたらここまでやらなかっただろう。
ユキのサポートもなかったら、関連疾患についてまで知れば知るほどに
夜のコンビニとキミとホットサングリア#03
「なーにしてんの?」
突然、声が飛んでくる。
「どなたですか?」
「そんなに畏まらなくても、焼いて食べたりしないよ?」
「それは解りますけど。」
「地球最後の人類です、みたいな難しい顔してコンビニの前で30分以上も煙草吸って、何考えてるの?ブラックホールの在り処について?フェルマーの最終定理について?クオリアの証明について?夜空にホワイトホールでも探してた?私からすると、あなたはそれ以上の