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#言葉
殴ってはいません わたしたち
春の嵐が
ふきあれる夜に
ひっそりと
殴り合いをしています
殴り合いをしています
殴り合いを
髪の先をなでます
殴り合いをしています
夕飯の献立が
ああだろうと こうだろうと
どうでもいいのですが
殴り合いをしています
生協でも 西友でも
構わないのですが
殴り合いをしています
殴り合いをしています
殴った先っぽから
蜜が溢れて
それは夢を見させます
垣間みる先の先の先の
イメージを殴り
自らと肉に過剰なY氏の一日
余ってしまった
おなかの肉を
眺めながら
思い出すことなど
余分がなかった頃
思いは一杯で
まさに 余裕はなく
あなたが大好きでした
余ってしまった
おなかの肉を
眺めながら
思い出すことなど
腹が欲と釣り合うことはなく
歩くのが大変でした
欲は大きくなった
好きだ
余ってしまった
おなかの肉を
眺めながら
思い出すことなど
人生において
用がないと思ってた
XLのパンツを買って
赤面し
苦しい夕べ きみがかわいくなる
かわいい
メリーゴーラウンドは回り続ける
華やかな都会の空気の中で
同じ香りを吸っているぼくがいる
銀杏並木を通り抜ける
低速で それは低速で
ぎら ぎら ぎら と
吐気になにか混ざる なにか
坂の多い街で
投げ捨てたもの
大きなかばん と
それにつめるものたち
コップに星空が映る
今日も
きみに見えていて
ぼくには いや 見える よ
かわいい
メリーゴーラウンドは回り続ける
華やかな都
それならあの木のしたで
踊りましょう
飲みましょう
忘れましょう
あとに残るのが愛情です
路地を通って帰っていた3月の夜
今日の面接は
マックの端っこのポテトみたいだった
固 塩
夕飯に味噌汁の香りなどはなかった
冷蔵庫は空だった
ぶ うぅううぅ ん
黄色いライトが照らすのは足りない指
もしここが
タイムスリップのディスコだったり
して きょとんとふたり これ
踊るだろうか 踊るだろう
できの悪いソファベッドにね
今夜は雨か それならいいや
もしも涙が鳥になったなら
今度こそ 届くだろう
長い間 長い間に
沈殿した砂 海の底 いきものの眼
まぶたの裏側には
霧雨が降る 霧雨が降る森
飛翔する 羽 空 青
誰に遠慮することもなく 雨
千切って 千切られるもの
争いごとの裂け目をなぞると
思いの外 流血している
蹴っている君のほうが
さあ ピクニックに行かなくては
水彩画に描かれた城
湖上の
渡れれば決して 虚像ではない
ネオンサ
オフィスワーカーは思い出すのが仕事なのであった 途方もなく
地球のうらがわから
来てくれますか
わらじとかで
焼ける野原で抱擁したいのです
告白します
エアコンもない教室で
ある夏の日
眺めていました 舐めるように
白い袖からでてくる うで
にしたたる
汗の向こうの赤いくちびるを
ごめんなさい
こうしてデスクワークをしていると
砂漠の真ん中の
いいえ
宇宙の真ん中のよう オアシスは
それでもわたし
眺めていたのです
扇風機すらない教室で
髪留めのそ
2012/08/25/19:47 (店内で心は曇り)
川岸で向こうを見ている
絶壁に花とか 鳥とか 霞
頭がぼやっとする
後ろには子どもらがいたはず はずだ
夕暮れから数分がたった
認識した コンビニでは
おでんのセール 煮込みすぎている
木がざわめく のか
うわさ話みたいな
手元にはポーチが
月に光るスキットル
少しの濁りは昼間のご愛嬌
川の水を汲む スキットル
ぼうぼうと草 かきわけつつ
境目がギザギザとしていて
風呂時にふとなめたら
鉄の味の未
あの日死んだ水槽にフォークを沈めた
成長譚がいやになるとコンビニに行った
そこにはパリッとした飲料などがあり
どこまでも夜をきらめかせた
栓を開ければ誰かの幸せなため息があふれる
帰り道は落ち葉が少しだけ舞う道
枯れる月が蘇らせる雰囲気情緒
飽き飽きしてしまって
はい・アルコールで消毒気分
眼前には目尻を世界みたいに歪ませる あなた
ずっと先を見ている舌先は 困らせる
けれど世界は手に負えないので
指先のフォークでパスタを絡め
グラフィックストーリー003
ある夏の日にそれは始まった
ひまわりの根の上に
冷えた瓶のコーラ
注がれる視線たち
裂け目から入るいやらしさなど
捨ててしまえ 後輪の鍵
健やかな朝にはよく似合うもの
舌を出すきみ
受け止めるクッション
わたしの後ろ
ひまわりの根が
生えている
隣人の幼子に永久歯
へし折ってやった
(このことからとわなど信用がならない)
紡がれていくもの
視線の折り目をたどって
一番奥底にいる
おまえを引きずり出