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オフィスワーカーは思い出すのが仕事なのであった 途方もなく

地球のうらがわから
来てくれますか
わらじとかで
焼ける野原で抱擁したいのです

告白します
エアコンもない教室で
ある夏の日
眺めていました 舐めるように

白い袖からでてくる うで
にしたたる
汗の向こうの赤いくちびるを
ごめんなさい

こうしてデスクワークをしていると
砂漠の真ん中の
いいえ
宇宙の真ん中のよう オアシスは

それでもわたし
眺めていたのです
扇風機すらない教室で
髪留めのそばの瞳を まっくろ

つーっと過ぎていってしまうので
捉えるのがむつかしいのに
デスクワークの途中でやってくる これは
明らかな 対象もない レギュレーション違反

わたしはどこかへ連れて行かれますか
それならその前に
地球のうらがわから来てくれますか
指が舞うだけのオフィスに

先生はまるでわかっていた
あなたの名前をよんだ
あなたは席を立った
プリーツの揺れる傍の 曲線を

西日が差し込んでくる
サーカスのような
主役のいないステージで
回る怒号とわたしの息

ずっと待っていてくれますか
約束をしていたのに
行けなかった理科室に
プレゼントを隠していたのです

日常はクライマックスで
この時間になると
涼しい屋上へ向かいたくなる
風を浴びませんか

光で見えない透明なガラス窓から外をみる
プールサイドの水も輝く
なんて素敵な景色なんでしょう 少し
手を伸ばしてください

もう少しで この屋上へ

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。