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マリオネットは嬉しかろう


マリオネットは嬉しかろう

それでもあやつる人がいる

マリオネットは悲しかろう

それでもあやつる人がいる


ペンを持って 文字を書くとき

マリオネットは考える

考えの考えに書かされているのか

考えを考えているのか 笑っていた


踊る春に池を眺めて

自分の唇がつり上がっていると知る

そこから喜びが芽生えてくるよな

日々を糸につられて踏みしめる


夏は暑くて糸に滴る

人形からでも汗が出る!

水気に驚くマリオネット

やっぱり唇上がってる 脇から


月の出る晩舞台は照らされて

たたん たたん たたたたん

練習せずとも出てくるステップ

得意な顔して歩いてる


(客から糸が見えています)


秋も冬もマリオネット

寒くて風が 次に雪が

身体の前に糸が飛んでく

身体の上に雪が積もる きれい 瞳が


明くる日 糸を切った マリオネット

切ったことに矜持を持って

目をつぶって胸をたたいて

その後悲しげに突っ伏した そりゃそうか


突っ伏しても喋るマリオネット

そのうち笑顔も出てきた 快活

突っ伏したことは忘れていった

目をつぶれば怖くなかった スポットライトも


熱くなってきた 舞台の上

スポットライトが強すぎた

身体の端から燃えていく

マリオネットに痛覚はない


燃えながら マリオネット

マリオネット 笑いながら

腹が焼け落ち 胸が焼け落ち

首まで焼けて それでも喋った


マリオネット マリオネット

形のないマリオネット

次の舞台が始まっていく

身体がなくても マリオネット


わたしは喋るマリオネット





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