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(ライフ)「0.99ショック」少子化の原因は、私のようなワーママです。

おはようございます!

東京都の出生率が0.99(一人の女性が生む子供の数)を下回ったことが話題になっています。

この新聞記事を見て、モヤっとした方向けに、原因が感覚として分かっているワーママの立場から、自分なりの見解を書きたいと思います。

結論から言うと、原因は社畜ワーママのようなブラックな存在、それを作り出している社会の構造の問題の「あたりまえの帰結」です。

要は、だれも「私みたいな社会の真の負け組」になりたくないので、子どもを持ちたがらないのです。



女性への過大な負担


分かりやすいように、私の一日をご紹介します。

こんなブラックな奴隷生活をしたくない人が増えているのは、当然だよね!と思っていただければと思います。

インフレで教育費もかさむ中、より女性も働く必要があるにも関わらず、一般的日本人のワーママは、こんな苦行を毎日修行のように黙々とこなしています。

少なくとも、高技能、専門職の女性ほど、仕事の負荷がかかるためブラック度合いが増します。おそらく、医者やコンサルなど別業界でも同じ思いをしているワーママの方がいるのではないか、と思っています。

【朝の修行】
5時半
 起床、子どもの学校用スナック(間食)、朝ごはん、同時に夜ご飯、自分の昼ご飯を準備(激しい寝不足でふらふらしている)
週末に書いておいたNoteを公開。
6時半 子どもを見送り、ロボ掃除機を起動させながら出社。電車で新聞を読もうと思ったものの、押しつぶされて満員で読めない。
7時すぎ 仕事開始

中間管理職の定めとして、できないメンバーのために他の仕事もさせられ、上司の上司レベルからも仕事をふられる。

カレンダーのスケジュールはテトリスのように隙間なく埋まり、問い合わせも多数で、タスクリストを覚えきれない。

また、もちろん休憩やランチの時間もなく、持参した残り物をデスクで適当に食べる。

学校の先生から子供のトラブルのメール(サインアップフォームを忘れており、図書館の本が持ち帰れない)があり、仕事の合間に電話で対応。

自分がホストするミーティング中に先生へのメールを返信、頭が痛くなる。これが16時まで隙間なく続く。トイレに行く時間がない。

【夜の修行】
16時
 区役所に、自費診療した子供の医療費のため、他のチームのメンバーに謝りながら、先に仕事を抜けて申請に行く
17時すぎ 区役所の待ち時間も仕事のメールチェックと返信。1時間も待たされて意味不明なマイナンバーカードの説明を受けたあと、次回子供のパスポートを持参しろと言われる。
(忙しいのにこんな遠いところに仕事を抜けてもう一度来れるか!なにが電子化じゃ!ふざけんな!と怒りが湧く)
18時 明日の子供の遠足のため、スーパーでお弁当の具材を買い出し、その足で子どもの習い事のお迎えに行ったあと、帰宅。(すでにかなりの疲労)
19時 ホットクックで朝のうちに予約調理にしておいた、ミートソース用のパスタをささっと茹でる
20時 家族は夕食中
仕事でグローバルチームとのコール①45分
子どもたちを隙間でお風呂に入れ、勉強を見て、寝る準備をさせる
21時半 仕事でグローバルチームとのコール② 1時間
子どもたちを寝かせる、やっと静かになる。
コールに出ながら、片手間でキッチンの片付けと明日のお弁当の準備と皿洗い、発言しながら唐揚げを詰める。
思い出して子ども関連のメール対応とAmazonの買い物をポチる
思い出して、洗濯機をまわしてゴミを出す
22時半 疲れすぎて眠れなさそうなので、向精神薬を飲んで、シャワーを浴びる
23時 泥のように寝る 


ワーママという現実


これまでのプロセスで、自分の休憩時間は、控えめに言ってほぼゼロです。会社に尽くすか家族に尽くすか、時間はすべて他人によって、奪われています。

友達のLINEの返信すら、まともに返す時間がありません。最近のインバウンドで旅行に来た友人からのメールやメッセージも多く、たぶん返し忘れて埋もれているものが、かなりあると思います。

タスクリストが多すぎて、自分が1日の間に何を食べたのかすら覚えることができません。

帰宅時間には「いかに会社を辞めて、社畜を卒業するか」しか考えておらず、キリキリと胃が痛んだりもします。

一言で言うと、やりたくてやっているわけではないことで埋め尽くされた人生

子供が生まれた瞬間、働くことを決めた瞬間、女性に待っているのは、こういう人生です。

どこの狂った人が、こんなことやりたいんでしょうか?

ということで、

日本における少子化は当然の帰結というのが私の考えです。

しかも、ここまで大変だということを、だれも親切に、事前に言ってくれない。

男性並みに働きながら、女性並みに家事をしなければならない。

きれいな家に住みたいとか、趣味に没頭したいとか、そんなのは異次元の世界です。

夏休み前には学童などの手配、短期の習いごとの手配もあり、大変申し訳ない気分になりながらも、返し切れていないLINEやメールのメッセージも多数。

海外ではヘルパーが2人いて、やりたい家事だけをやってほとんど子どもとの時間に使えていましたが、日本に帰国した瞬間に、このブラック産業になったときのことは、よーく覚えています。

下流ワーママな私には、上級ワーママが使っている、必殺「じじばばヘルプ」もないので、完全なワンオペです。

そこに入ってくる、区役所関連の書類の煩雑さや、税金や、アナログなトラブルと頭痛の種。

12時間労働の上に、インターに通う子は夏休み日本の学校は入れません。国からの「イジメ」のような、頭痛の種が常に発生しています。


子どもがいない人=都会の勝者


ワンオペにならないために、夫が手伝わないのか?と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

夫は実はそれなりに家事を手伝って、このレベルです。経験上、男性が仕事以外でできることにはかなり限りがあります。

そして、私が20代でこの真実を知っていたら、確実にワーママは選ばなかったと思います。

今頃幸せに、独身クリエイターになっていたかもしれません。

思うことは2つ。

1.日本の子育て支援がぬるすぎる。
2.とにかく日本は柔軟性がなく、働きにくい。

多分、国も自治体も、本気で少子化を解消しようと思っていないんだと思います。思っていたら、ジェンダー指数先進国ダントツ一位でもないはずです。

子どもを持たない人が謳歌している自由な生活と、この資本主義と家庭の奴隷のような生活

移民ヘルパーを入れて家事を外注できる環境がある香港やシンガポールに比べて、女性の奴隷率は凄まじいものがあります。

日本人の働き方にも問題があり、「定時」という概念により、チームに断ってから、謝ってからやりたくもない区役所仕事をする必要があります。

夜中もグローバルコールなどで、長時間を時間外で働いているにも関わらず、です。

まあ、社畜なので、仕方がない、と思いつつも、「絶対に〇年後には辞めてやる」と常に思っています。

一方で、子どもがいないだけで、仕事のあと飲みに行ったり、ショッピングに行ったり、趣味に打ち込んだり、広い部屋に住んだり、人生が豊かになること間違いなしなのが「独身女性」です。

都会の独身女性は、「勝ち組」であり、ワーママになった瞬間に、人生の「負け組」になります。

私が今10-20代であれば、間違いなく独身という「勝ち確」を選ぶと思います。


劣悪な都心の居住環境


近年、引っ越して大分ましにはなりましたが、都心のタワマン生活をしていたときは、奴隷生活に加えて、劣悪な居住環境でした。

狭い2LDKで、お互いのプライバシーもあまり確保できず、スペースもなく、夜の会議なども筒抜け、帰ってきてもなかなか、リラックスできなかったのです。

都心では狭い1ー2LDKが主流であり、それ以上になるとかなり金額が上がるため、普通のワーママ世帯であれば子供の数に比べて狭い空間で我慢して生きなければなりません。

一方で、通勤時間1時間以上の郊外に住むのも確実に無理があったため、狭い空間で我慢して生活するしかありません。

アメリカやヘルパーのいる国で過ごした経験から、「日本の住居環境は間違いなく最悪」だと思っています。

アメリカはそもそも家が広いですし、家賃が高い香港やシンガポールですら、そこそこの広さは確保できており(かつ税金も安い)、家でそこまで仕事する必要もなかったため、そこまで不満のない生活でした。

日本では、せっかくコロナで在宅ワークが可能になったのに、ほぼコロナ前に戻って、今は満員のストレス度合いの高い電車に乗らなければなりません。

都心ワーママになった瞬間、労働時間12時間、家庭無賃労働時間6時間、すし詰めの部屋での楽しい奴隷生活が待っています。

結論


少子化は、「ブラックすぎる社会の底辺」であるワーママのような生活を送りたくない、という、まともな人が考える「当然の帰結」です

出会いがないとか金銭的な問題とか、国が考える原因のそれ以前に、日本での働きながらの育児がサバイバルすぎるのです。

日本の少子化対策を根本的に変えないと、絶対に変わりません。

保育園があれば死ぬほど働ける!産休がとれる!というのは杓子定規な考え方。

普通の人はそもそも死ぬほど働きたくないのです。
保育園が終わっても育児は長い時間続きますし、3年も4年も産休をとって復帰してもスキルが劣化して使い物にならなくなります。
トンチンカンな政策はもうやめて、本当に苦しんでいる人に届く政策を考えてください。

私は、極限まで家事を自動掃除機や調理機を効率化して、キャラ弁も作らず、習い事も最小限にして、この忙しさです。

当然のごとく、メンタルを病みます。夫婦仲が悪かったりすれば、「なぜ生きているんだろう?」と考えること請け合いです。

「子供のために頑張っているから!」「子供がかわいいから!」というポジティブ思考で続けている方が多いのだと思いますが、私は日本に帰国後3日でそのポジティブ思考は終了しました。

税金も高いので、どこにも救いがない国、日本です。

インバウンドの皆様にお金を落としていただきながら生きながらえている日本。先はないと思ってインターに子供を通わせているワーママですが、海外転居くらいしか解決策が見つかりません。

「ワーママ」がいつか「勝者」になる社会は来るのでしょうか。

ちなみに、現実不可能でありながらも、私の思う「理想の社会」はこちらです。

本当に実現したら、とてもおもしろい社会になると思います。

参考になれば大変幸いです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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