#映画
迷う権利(線状について・03)
人は直線上で迷う。ただし、「私は直線上で迷っている」と口にするのはタブーである――。
これまで、そうしたことを書いてきました。さらに言うと、次のようにも書きました。
人生や世界や宇宙が、くねくねごちゃごちゃしているから、それをすっきりさせる工夫が線状化や直線化である。
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人は直線上で迷う生き物であるにもかかわらず、「私は直線上で迷っている」と人前で口にしてはならないし、
振り(線状について・04)
誤っても謝らない、つまりブレない人が上に立つ社会は生きづらい。生きづらいどころか恐ろしい。ブレないリーダーの体裁や辻褄合わせに、人びとが付きあわされて、ブレたり迷うことができなくなる。迷う権利を行使できなくなる。
前回は、そういう話をしました。
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誤っても謝らない。ブレない、揺れない、振れない、迷わない――。
これは、詳しく言うと次のようになります。
誤っても誤った
くり返すというよりも、くり返してしまう
創作と読書と夢に耽っているとき、人は似た場所にいる。自分以外の何かに身をまかせている、または身をゆだねているという点が似ている。
そこ(創作、読書、夢)で、人は自分にとって気持ちのいいことをくり返す。気持ちがいいからくり返す。というより、くり返してしまう。
創作であれば、その「くり返してしまう」が作家のスタイルになり、読書であれば、そのこだわりが読み手の癖になる。夢はその人の生き方と重な