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仕事観

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事業部門から人事部門へとキャリアを歩む過程で、意識的、無意識的に育まれてきた考え方を綴った記事を集めました
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記事一覧

収益のような「分かりやすい」数値だけで部門や個人の貢献度を決めることは、仕事の価値を測る難しさから逃げる行為だと思う。
自社の企業理念や行動規範、生み出す価値、実現プロセスを俯瞰的に見据えて、自分たちにとっての仕事の成果を定義し、説明責任を負うことがフェアな評価の一丁目一番地。

山口周さんの言葉。「自分らしい働き方」を追求できるのは、まず自分らしさを投げ打ってまっしぐらに働く段階を経てから、と。その通りでもあるけれど、同時に「自らの意志で、自ら考え行動する」ことを習慣づけておくのも大切だと思う。
https://twitter.com/shu_yamaguchi/status/1779659781466378290?t=9pbRA8yhawKtNbpI1obBdw&s=19

人事の顧客は誰か?~社内広報の視点になぞらえて考える

人事の顧客は誰か?~社内広報の視点になぞらえて考える

社会人の基本動作を語るとき、よく「顧客視点」や「顧客志向」というものがその下支えとなる概念として取り上げられますが、人事にとってそれが具体的に何を指すのかは、諸説あるところです。

一般的に本社機能、あるいはコーポレート部門は、売上をつくりだす事業部門がプロフィットセンターと位置づけられるのに対比して、コストセンターと表現されます。

現実に、社外から対価を得るようなアウトプットを創出しているかど

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何者でもない私を受け容れる

何者でもない私を受け容れる

若手社会人さんとの接点のなかで「どうすれば評価されるのか」を強く気にかける方に出会うことがあります。

会社は、上司は、人事は何を見ているのか?

組織で働く以上、そこで使われる物差しを理解しておくことはもちろん大切なことだと思います。人事評価の基準にしても、社会人の基本能力として最低限何を身につけておくべきかの指針として役立つものですし、社内で決定権を持つ人たちが何を重視しているのかを知ることが

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シフト:変容と創発と

シフト:変容と創発と

振り返ってみると、私の関心事は事業開発と組織開発の間で比重の置きどころを行き来しながら、両者の統合について探究してきたように思います。

原体験は、サービス事業でB2C/B2Bでの顧客接点、パートナー接点に立ち、思いがけない成り行きのなかで事業部門の収益に責任を持つ立場を担うことになったこと。

キャリアの早い段階で、自分の判断ひとつ、言動ひとつが、多くのステークホルダーに影響を及ぼすことの「こわ

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組織は「アタマ」から変える

組織は「アタマ」から変える

いまこそ、変わらなければ。変えなければ。

そう言われ続け、様々なところで様々な挑戦が続けられ、それでもなお、本当の意味では変革への舵が切れないJTC組織の数々。

それでもなお、人と組織の可能性を諦めきれない。今度こそ、本気で動かしていく。自分を含めて、そんな、どうにも諦めの悪い人たちとともに過ごした濃い2日間。

そこには、過去の成功体験を手放せず、本当に大切なことを考え、自分たちを縛る前提を

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自らに問い直す

自らに問い直す

人財育成や組織開発を研究対象とされている中原淳先生が、折に触れて発信されている言葉。

これ、ものすごく本質的で、心に刺さるものだなと。

たとえばマネージャーとしてメンバーの育成に携わるとき、「すでにできている私」と「まだできない彼、彼女」という区分けで相手の前に立つ自分がいるのではないか。

たとえば人事として社員の成長課題を考えるとき、「評価する側にいる私」の立ち位置から「評価される側にいる

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「余白」がある、ということ

「余白」がある、ということ

休日にランチに出かけ、そのままブラブラと歩いて、見晴らしの良い場所にたどり着く。

広く抜けるような視界を、少しずつ傾き始める陽射しを、やさしく吹く風を感じながら、時間を気にすることもなく、時々思い出したように話をしたり、また静かにその場に佇んでいたり。

五感が自然にひらかれていく感覚を味わいながら、一期一会の瞬間を生きているんだなあ、という想いで、ただそこに「居る」ということ。その居心地を確か

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多様性を受け容れるということ

多様性を受け容れるということ

ダイバーシティを語るときに、自分や組織にはどんなバイアスがあるのだろうか?

組織に存在する「マイノリティ性」が発揮されるには?そこから発信される視点から何を学べるのか?どう意味づけるのか?

そんなことを考えるとき、こちら「社会的アイデンティティのセルフチェック」の項目は、なかなか示唆深いものだと思います。

ウェルビーングを半歩身近に引き寄せる

ウェルビーングを半歩身近に引き寄せる

私のキャリアは、「生きていくために目の前の頼まれごとに取り組む」ことからスタートしました。

20代の頃は、様々な事情を抱えながら、サービス業界のいくつかの中小企業で事業部門に職を得ていました。

その仕事のなかで、また仕事外で置かれた環境のなかでの経験が相俟って、「人が幸せに働ける場をつくる」ことを自分の役割として生きていきたいという想いに至り、社会人8年目に人事へ転身しました。2007年のこと

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ハードワーク! ~正しく自分を追い込める人になろう

ハードワーク! ~正しく自分を追い込める人になろう

キングコングの西野さんが語る仕事論。特に若手の方へのメッセージがいつも本当に深く頷かされるもので。

抜きん出たければ、スピードを上げてとにかく量をこなす。そして質の向上に転換していく。そのためにはハードワーク一択。とにかく励む。それだけ。

厳しいように聞こえるかもしれないけど、現実感のある話だなと思う。

少しだけ私の解釈も付け加えると、これは「回転数を上げる」という話。

大切なのは、成功で

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社会の公器とは何か。会社で働く人財は誰のものか。

社会の公器とは何か。会社で働く人財は誰のものか。

15年ほど前に出会った言葉ですが、いまも私の「人財育成観」の柱になっているものがあります。

社会人になって8年目、それまではサービス系の事業部門で働いていた私が、人財育成の仕事がしたくて某電機メーカーに転職。
当時の社長さんは創業家以外からはじめて経営のバトンを受け取られた方でした。
一担当者としては「雲の上」の存在でしたが、新人研修などの講話に来てくださったときに、いまも忘れられない話をされて

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