自らに問い直す
人財育成や組織開発を研究対象とされている中原淳先生が、折に触れて発信されている言葉。
これ、ものすごく本質的で、心に刺さるものだなと。
たとえばマネージャーとしてメンバーの育成に携わるとき、「すでにできている私」と「まだできない彼、彼女」という区分けで相手の前に立つ自分がいるのではないか。
たとえば人事として社員の成長課題を考えるとき、「評価する側にいる私」の立ち位置から「評価される側にいる彼ら」にジャッジを突きつけ、学習を迫る自分がいるのではないか。
役割上、自分のことは一旦脇に置いて育成対象者のことを観察し、どんな学び育ちの環境をつくっていくのかを判断する場面は当然あるのだけれど。
そのとき、自身を「できあがった人」枠に置いて、安全地帯のなかから他者だけに成長することを、変わることを要求していないだろうか。
これまでの経験を通して、特定の知識やスキル、行動能力を習得してきた、それによって一定の評価を得ていまのポジションに就いているという事実はあるのかもしれない。
だけど、それは社会人として、人として学べるはずのことの、ごく一部に過ぎないのではないか。
自分にはまだ多くのブラインド・スポットがあるために、相手の持つ資質の全てを発掘することも、それを磨くための支援をすることも含めて、まだまだ発展途上にいるのだと。
そんな真摯な気持ちで人に組織に向き合えるかどうか。自分自身の伸びしろにも向き合えるかどうか。
それが人財育成や組織開発に携わる者として手放してはいけないスタンスではないかなと考えるのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?