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藤田 淑子
2021年4月2日 18:43
その海は誰の涙でできている確かめる前に両足を浸すひび割れたグラスにうつるその女(ひと)は時が経つほど美しく光る溺れても大丈夫ですその波はあなたの心奪えやしないいつだって優しい言葉をくれるのは傷付けたくないからそれとも花びらが散る頃にもまだ降り注ぐ紙吹雪のよう気まぐれな言葉唾を吐き馬鹿野郎などと叫ぶならアスファルトになれ雑草になれオーロラに光る眼鏡をかけてみてどうだいこの世も
2021年3月4日 10:23
夢の中あなたと並んで行く道で同じ地点を見つめていたい胸の奥ほんとの想いに触れなけりゃ良かったのかと乱され続け明るさで覆い隠した闇の中覗きたい私見せないあなたアネモネの花々に添えたメッセージ読むな気付くな読んで気付いて幸せのバランスがとれた過去は今ぼろぼろと崩れ跡形も無くその男(ひと)は誰なんだいと聞かれても答えられない憂鬱に飲まれ星が今ひとつ増えたら照らされた見たくなかった
2021年2月14日 13:21
いつまでも覗ける秘密はつまらない消えてこその夢 幻の華年表を眺めあなたもそんな時あったのねいつか辿り着く日まで中身さえわからぬ箱を追い求めどうせ空だと勘付く頃に10年の時を経てまた巻き戻るその記憶そっと引き出しにしまえ時既に遅しと思い諦めた心ふわふわ彷徨いながら寂しさを埋める行為は虚しくも想い溢れてまた浸る過去遡るあの頃握った幸せは今や溶け出し跡形も無く戻りたいそんな思
2021年1月13日 23:40
あたたかい夢抱えつつ目の裏に写り込んでる湖の底銀色に輝く魚横切れば無視した後悔あぶくとなり消え悪い癖届く届かぬ五分五分のあなたへの手紙したため続けて裸足でも歩ける君の応援がここまで届く雪の上ならヒヤシンスその根はどこに繋がったあなたの足元その道の先過ぎし日を反芻しても進まないそれでも思い出として生き続け甘くても苦くてもいい君のそば居られるならば咲き乱れる花舌の上転がる球
2020年11月20日 20:35
じたばたと転げ回って表情を変え続けても驚かぬ君あなたにはどんな姿に見えている諦めずしがみつく私の影愛される自信がなくて月影にうつして薄目で見る臆病ゆえこわいんだあなたに何処かへ行かれたら居場所持たない寂しさを見る雨よ降れいつまでも降れこの場所で選択肢奪う口実となれふられれば安心するのかこの心拒否され嫌われるのには慣れたよ痛くない胸の奥へと突き刺さる棘の大きさ気付きたくない
2020年11月20日 01:31
「あの時にこうしておけば」と言う人と「あの時」すら無かった己の日々後悔をしない道選び歩んでも生まれた時代(とき)は変更が効かず私には普通のことが分からないあなたの邪魔にはなりたくなくていつまでも手放すことが出来なくて遂に形にして並べ始めこんなにもたくさんの想い伝えたらあなたは重さに耐えられるかしらこの気持ち全てを明かす時までに私は幾度も更新(交信)を続け夜を待ちわざと彷徨う
2020年11月13日 23:21
あの女(ひと)もあなたもきっと真ん中でいつか出逢うわ星と瞬き私にはなんの資格も無いのならせめて静かに願いだけを込め甘い嘘それでも嬉しかったのさ外に出れない今年の夏が間違ったことがこれほど嫌なのに根本から歪む己の想い三角の点が消えたの一つだけ残った二点は繋がらないのに幻が消えずに寧ろ愛おしくあなたの中に残る虚しさ私には一体何が出来るでしょう繋がった先空のむこうで自由まで奪
2020年10月20日 02:23
膨らんだ風船のようなこの想い破裂で届けば後悔もなくいつだって影が見えればその姿あなたでないと分かっていながら背の高い茶髪の男(ひと)は来なかった?何処にでもいるそんな野郎は澄んだ瞳(め)が美化されてゆく脳内でかけ離れてもいいの綺麗なら現在のことでありつつセピア色いつの日のあなた何処にいるわたし分からない丁度良いくらいどれくらい加減を知りたい掌の上サラサラと風に飛ばされ舞い上
2020年10月18日 00:30
夜を呼ぶ街の景色は様変わり私は帰る「よい子」ですもの眠れないこんな時間もまた一興浮かぶ言葉と微睡み戯れこの場所をいつか乗っ取るつもりなのお前なんかに誰が付いてくか正気には戻っちゃいけない勝つまでは自分の納得する戦法で蕁麻疹出てきて教える危険地帯気付かぬふりして渡り歩けば色の無い日々を過ごすも悪くないあなたを想うだけで鮮やかに幸せになりたいなんて言う奴はその偶像を追いかけて死
2020年10月12日 05:33
あなただけ置き去りのままの日捲りがプロジェクションされ季節変わりゆく将来の展望絶望希望などそのどれも聞けぬ明日は何処に真上には雲の切れ間が今ならばまだ間に合いますあの先を目指せ高架下ガラス張りの外見つめてはあなたの姿思い浮かべてここでなら何を言っても平気だわ列車の通過掻き消す冗談走りゆく想いを筆にのせ続け消えない過去は塗り潰せないがアルバムを繰り返し開く今は無駄それでもあの
2020年10月9日 04:04
夢でみた魚になって泳ぐ君水槽の狭さ気になりつつも時が経ちあなたの色がくすんでも私が汚れりゃ相乗効果で坂道は上って下って歩くだけ今どの地点か分かりはしないよ目を閉じて探してもあなた見つからず何処に居るのか雨粒を覗く宝石のような瞳に映るのはいつも遠くの見知らぬ景色で「分かり合う」などというのは不自然だ寄り添い互いを理解するのみやさしさは何かと問えば分からないやさしくなくても惹き
2020年10月3日 03:31
曖昧なあなたのこころどこにある置いてきたのね遥か遠くへあまりにも日常として染み付いたあなたへの想いこすっても消えず洗剤で幾度も洗えど落ちぬシミ堕ちた証拠として残り続け本気なの本気じゃないのそんなこと言い争える程若くもなく何度でも書いては出せず引き出しに入れては溜まってゆく紙切れたち本当はアナログじゃないデジタルの恋文と呼べる重さも無いメモ透き通る飴色に魅せられるたび思い出す
2020年9月15日 07:14
頭髪が多いのは鬱陶しいんです。「嘘つき」とあだ名が付くほど軽薄なあなたはおそらく正直者です疑われも問われもしないその人生全てが嘘でできている日々「ホントウ」を口にするほどその言葉作り物になるなら捨てたいさっきまでここにリンゴがあったんだ誰が食ったかそうか私かイヤリング落としたんです探してよ先程自分で捨てたんですが外側を見てもいつものボブヘアー捲ればわかる当てたバリカン音