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個性因果律 プロローグ
プロローグ
世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在。生まれ持った超常的な力“個性”を悪用する犯罪者・敵〈ヴィラン〉が増加の一途をたどる中、同じく“個性”を持つ者たちが“ヒーロー”として敵〈ヴィラン〉や災害に立ち向かい、人々を救ける社会が確立されていた。
その夜、僕・緑谷出久は、夢を見た。
「違う。そんなつもりじゃないんだ。行かないでくれ。離れていかないでくれ」
この手
姉弟(僕ら)の意志と幸せの在処 第1話
第1話 意志
自己否定存在。
いつからだろうか、僕の中に“彼女”が現れたのは。
あらゆる考え、あらゆる思い、あらゆる願い、あらゆる自分を、否定するためだけに存在する“彼女”。
あらゆる視点、あらゆる価値観を以って、否定する。否殺し(いなごろし)。
彼女はもしかしたら否殺(ひさつ)隊の一味なのかもしれない(漫画に出てくる組織)。
最初に言っておくが、“自己否定”と“自己犠牲”は全く違う。
姉弟(僕ら)の意志と幸せの在処 第2話
第2話 幸せ
私は、天才なんだ。
私がいなくなれば、どれだけの損失が待っていると思ってる。
立場を弁えろよ。
私が力を使えば、お前ら組織一つ分くらい余裕で潰せるんだよ。
絶対に、絶対に、絶対に、ぶっ潰してやる!!
天才か。たしかに君の貢献がなければ今の組織はないだろう。だから、今までは目を瞑っていた。
しかし、年々君の稼働率が減っていた。昔は完全無欠だったが、ミスをするようになった。