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雑記

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2021年2月の記事一覧

コロコロ変わっていく

半年前に、ある人が「私はモーツァルトの交響曲第41番『ジュピター』がこの上なく好きですね。聴いているとまるで天井に昇るかのようです。」と語るツイートを見て、僕もそれを聴いてみた。正直、何が良いのかさっぱり分からない。退屈とすら思った。

ただ昨日、半年ぶりに聴いてみたら、不思議なことに鳥肌が止まらない。特に第4楽章。とある記事を読んでいたら、どうやら第4楽章はとても複雑なフーガが多用されたソナタ形

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もう歳だな…(早い)

最近、popミュージック(ポピュラーミュージック)を体が受け付けてくれなくなって、専らクラシック音楽を聴いてる。商業的な意味合いから世の中ではキャッチーな曲が流行るのだろうけど、最近のオジサンの耳はそれを拒絶しているみたいだ。

一時的な傾向かも知れないけれど、この機会にクラシック音楽にどっぷり浸ってもいいんじゃないかと。もう一生popミュージックに戻れないかも知れないし…笑

ここ数日はベートー

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身の回りの景色を楽しむ!

毎日通る道に飽き飽きなーという時、印象派のモノの見方は参考になる。

印象派は朝、昼、夕方、天候など様々な条件下でどのような光が差すかを描いている。モネの『ルーアン大聖堂』の連作はそれが顕著に表れている。

同じ対象を描いているのにそれぞれ全く違う趣がある。ちなみに、僕が現場で撮ってきたルーアン大聖堂はこんな感じ。当たり前だが、絵画と現実というだけでもこんなに歴然とした違いがある。

印象派は様々

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マスクで研ぎ澄まされる嗅覚

マスクをしない日はないという生活をしているけれども、言い換えれば嗅覚を遮断された生活をしている。

僕の密かな楽しみは人がいないところで一時的にマスクを外してみること。すると、その場が発する香りがふわっと鼻に舞い込んでくる。よく通る道にも特有の香りがあることに気づく。特に自然が発する香りは格別。

そういう意味でマスクは嗅覚を鋭敏にしてくれるものなんだなとひしひしと感じる。マスクをしない生活では見

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デヴィッド・リンチ監督とアート

デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』を観ました。シュルレアリスムを思わせるような、不可解極まりない作品です。部分と部分がどう繋がって全体が構成されているのか、いや全体なんてものすらないのかも知れません。この解釈をすれば全て分かるのでは?と期待したとしても、すぐに裏切られる。もうお手上げです。

ちょっとでもヒントを得ようと、彼が自身の人生を振り返るドキュメンタリー『デヴィッド・リンチ

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過去より″今″でしょ

オリンピック・パラリンピックの組織委員長に就任された橋本聖子さんになったとのことですが、早速過去のスキャンダルが報じられています。また、韓国の人気バレー選手は過去にイジメしていたことが明らかになり、代表選手を追放されたとか。

たしかに両件ともあってはならないことですし、反省されるべきことです。けれども僕は、過去よりも″今″その人がどうなのかの方が大事だと思います。
人間なんて日々変化していくもの

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サーファーと北斎

2月も終盤に差し掛かり、徐々に春の兆しが見えてきた頃でしょうか。それに伴って海にはサーファーが増えてきました。

サーファーが波乗り後に引き返す様子は、まるで北斎の有名な『神奈川沖浪裏』のようですね。

一回限りに支えられる「おいしさ」

一回限りに支えられる「おいしさ」

フランスに「カスレ」という郷土料理があります。地域によって具材が異なりますが、基本的には大量に敷き詰められた豆の上に羊肉のソーセージやガチョウ肉のコンフィが乗っかっている構造のシチューのことを指します。

僕はヨーロッパを旅していた時に訪れた南フランス、トゥールーズという街でこの料理に出会ったのですが、今までの人生で食した中でトップ3に入るおいしさでした。お肉はほろほろトロける柔らかさで、そのジュ

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夕空のグラデーション



夕空を見上げると茜色から徐々に澄んだ青色へと移り変わるグラデーションを楽しめます。デザインソフトで使うような人工的なグラデーション(下に画像貼っておきます)では表現できない自然の美しいグラデーションです。

人が黄昏時を好むのは、自然の美しさの導きによるのかも知れませんね。

イタリア語の美しい響き

先日、ロベルト・ベニーニが監督・主演を務める映画『Life Is Beautiful』を観ました。作品全体を通して、モノの見方をズラすことで世界を素晴らしいものと捉え、過酷な現実をも笑いに変える見事なイタリアの喜劇映画です。特にナチスのユダヤ人迫害をこんなにもアイロニカルに、そして喜劇的に描けるのかと思わず膝を打ってしまいます。

内容も見事なのですが、イタリア語の流れるようで繊細な音の響きにも酔

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ソクラテスに学ぶ民族意識

昨晩起こった災害の最中、SNS上では差別発言が散見されました。災害の原因はアイツらの仕業だ、と。全く科学的ではないですし、魔女狩りが横行していた中世ヨーロッパから人間は何も学んでいないということになります。

コントロールできない事態に直面すると、敵対関係にある相手をその原因にしてしまう。つまり自分を落ち着かせるために、敵を利用するのです。敵を利用すればますます両社間の溝は深まります。

ではどう

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ポランスキー『水の中のナイフ』

映画 ポランスキー『水の中のナイフ』を観ました。

舞台の大半は一隻の水上ボートで、全体の3/4は一切何の突飛な事件が起こらず、ゆっくりゆっくりストーリーが展開する映画です。正直、終始退屈だと感じる人が多いような気がします。恐らく、即物的なものを追求する現代ではなかなか受け入れられないでしょう。
しかし逆説的ですが、平凡でつまらないとすら感じるのにも関わらず、吸い付くように夢中で観させる魔力を持っ

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音楽のイントロ

音楽はイントロの良し悪しを判断しているという話を友人から聞きました。思い返せば僕はイントロは全く気にしたことがなく、この話は目から鱗でした。

さらに彼曰く、最近は音楽聴き放題サービスが普及し、利用者は膨大な曲数からお気に入りの曲を発掘する必要があることから、曲は一瞬で良し悪しを判断されるべくイントロが短く早々にAメロが始まる傾向があるのでは?とも。

これは鋭い…!これは音楽を次から次へと消費す

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クイズ番組…

テレビでクイズ番組を放送していたので軽く観ていたらこれは酷いなと…。その番組のコンセプトは出演者がいかにバカかを露呈させることに焦点を当てていました。常識とされる問題を出題し、それに答えられない人はバカ。(そもそもその「常識」が何なのか問うことを出発点にすべきです。)

こういう番組によって視聴者は「こんなのも分からない人がいるのか…。自分はマシだ。」という大きな安心を感じることでしょう。

この

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