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Books

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世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
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#日本

7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

以前、インドで話される言語のうち、ヒンディー語とタミル語とマラヤラーム語を少しまとめていた。

今回は、タミル語が話される南インド、タミルナドゥ州在住の日本人の方に借りた、大野先生の本2冊『日本語の起源』『日本語の源流を求めて』を読んで、タミル語から見る日本語の起源について、歴史を振り返ってみたいと思う。

「皆が普段使っている言葉がよくわかっているかどうかが、とても大事」

言葉を厳密にとらえよ

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子どもの精神的成長を阻害する親の愛というものがある【本:男の勘ちがい】

子どもの精神的成長を阻害する親の愛というものがある【本:男の勘ちがい】

出張でホテル宿泊が続いていたとき、ふと気分転換がしたくなり、旅館にたどり着く。旅館といっても、ゲストハウスのような場所で、1階にコタツつきの共用畳部屋があって、そこにあった本棚に目が留まった。

「これらの本って、お客さんが置いて行ったものですか?それとも、店主が購入されたもの?」

そう店主に聞くと、「結構、お客さんが置いていくものが多いね、あと僕が買ったものもあるよ。本交換もできるから、もし何

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競争原理を捨てて、公共の価値を生み出すことを求める【本:オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る】

競争原理を捨てて、公共の価値を生み出すことを求める【本:オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る】

およそ3か月、20時間以上の取材を受けながら、日本とオンラインでつないでディスカッションをしながら作られた著書。

前回、台湾のデジタル担当大臣オードリー・タン氏が出演される前に、こちらの著書も同時に読み進めていた。そして、ようやく、全てを読むことができた。

・部門間を横断する問題をデジタル技術をつかってクリアにしていくことが、デジタル担当政務委員としての私の仕事

・AIは、人類がどういう方向

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自分の地図をつくる洞察力とは【本:建築のエッセンス】

自分の地図をつくる洞察力とは【本:建築のエッセンス】

2000年に、建築家の斎藤裕氏により発行された『建築のエッセンス』という本からは、建築家の情熱と奥深さ、そして日本の空間と色彩美を学んだ。

「日本の建築って、なんで色彩が無くてつまらないんだろう」そんなことを南米や東南アジアで考えていたけれど、まさか日本の茶室や書院造に美しい空間と色彩を学ぶとは。そういえば、今思えば旅籠や書院造も、籠るだけ、書くだけ、という質素でいて壮大な花鳥風月を感じる場所だ

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ベトナムの建築家から壁面緑化と風土を考える【本:Going Green with Vertical Landscapes】

ベトナムの建築家から壁面緑化と風土を考える【本:Going Green with Vertical Landscapes】

"Going Green with Vertical Landscapes" というベトナムと日本の建築家編集による本は、現在、金沢美術工芸大学、福岡大学、明治大学、北海道科学大学などの限られた大学の図書館にしか置かれていない。

・Vertical Gardens(壁面緑化)

・In the 21st century, the architects and designers of urban

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何に情熱を持ち続けることができるか【本:2022―これから10年、活躍できる人の条件】

何に情熱を持ち続けることができるか【本:2022―これから10年、活躍できる人の条件】

この本が出版されたのは2012年。それから8年が経ち、改めて当時のメモを読み返す。「答え合わせ」なんていうと烏滸がましいけれど、同時に、人口動向はある程度予測可能な未来だし、新興国の状況も、コロナのような外的要因があったとしても、きっと状況はそこまで変わらないのかもしれない。

「活躍できる人の条件」とはあるけれど、何よりも、自分自身への納得感が大事であり、情熱を持って続けられるか、それがとてもハ

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背伸びする街で【本:スーツケースの半分は】

背伸びする街で【本:スーツケースの半分は】

少し前に本屋で見つけて、ずっと読みたかった本との「再会」。不思議なスーツケースと、異なる主人公との物語。

・背伸びする街で

・あなたの旅に、幸多かれ

・住んでいる人のふりをして街を歩くこともできる街

・なぜ、言えないのだろう。自分が好きでやっていることなのに、恥ずかしいと思ってしまうのだろう。

・隠すようなことではないと思いつつ、言えないことなんて、だれもが持っているものなのかもしれない

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