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ぴぴぷる
2020年1月31日 22:07
枯れた花が燃えている死んだ後で こんなに鮮やかな色をはなつのは幸せだろうか照らされた頬が染まっても 中まで暖まるわけじゃない枯れた花が燃えている とっくに消えてもおかしくないのに 火はまだそこにいる 幸せだろうか照らされた瞳が染まっても 中まで輝くわけじゃないこれがほんとの最後なのに
2019年8月18日 00:20
まあるい月から 雫が垂れたと思ったら それは涙でいや、それも見間違いで ただ網から油が 炭に落ちただけだった重く蒸発するようなその音は 一瞬のドラムのように静寂の中に響き また、虫の声が広がっていく僕の目の前には 愛しい人が ハンモックで寝ていて いつものように イビキをかいている音楽とも言えない音の重なりが 心に沁みてきて また、僕は酒を呑む幸せは 移ろうものと知りつ
2019年7月16日 22:28
私のなかの とても美しい絵画は現実には ラクガキにしかならない 私のなかの とても美しい映画も 現実には 学芸会のようなものだ感性という麻薬が イタズラに心をみだしてくる あの夕陽も 温もりも 涙も すべてはまぼろしなのに 私はなぜか 駆け出したくなってしまう真っ白のキャンパスにぶつかって トマトのように潰れてしまえば芸術になれるだろうか。
2019年6月22日 17:35
わたしからなにかを 引き算したらのこったこたえは 奇数だろうか白いノートに まるをつけてもあんまりきれいな かたちじゃないやべつのなにかを足したってわたしは浮き足 たったままだれかがまるを くれたってわりきれないと ここを出れない。
2019年3月31日 23:57
安いワインを グラスに注いで喉をならして 汚い幸せを流し込むスカスカの魂から 垂れる涙を知っている者にしか 分からない苦しみがある埃まみれの誇り傷の少ない人生足踏みしすぎて 窪んだ場所から離れられずにいる自分が腐るのを 対岸から眺めてそれをつまみに ビールを流し込むスカスカの魂の 薄い悲鳴を聞いた者にしか 分からない苦しみがある。
2019年3月7日 02:14
遥か彼方から 浮遊するように落ちてきた石が 砕ける瞬間を見た一筋の光に照らされて 細かく 細かく 自分も光であるように 粒子になって 砕けていった粉々になった石 何だったのだろう胸に灯った熱は あの煌めきによく似ている知っているこれは燻り ただの感情の燻りだ燃え上がることなく 心のなかで死んでいくだけなのに 輝きがこれを照らすまるで 手を差しのべるように
2019年1月27日 00:34
熱さの無いマグマがやってくるいつかの飲み込めていない思い出が「嘘つき」と無言でみつめてくるようで絵が 忘れられない置いた感情傘でしのぐことは出来ないから今日はもう人形だ首を吊った 人の形 けち臭い墓場 こんな ブサイクな自由は 寒いだけなのに知らなかった傷が疼く澄んだ空気と一緒に迫ってくる素知らぬ顔の景色たんじゅんだ たんじゅんだ って
2019年1月17日 01:39
置いた筆が転がってゆくころころ ころころ知らぬ間に 泉に落ちてぽちゃんとろうと思った筆はなく跡をたどれば 水溜まりここに落ちたはずなのにわたしの筆。
2018年12月16日 03:23
雪だるまが死ぬのは いつだろう頭が溶けてしまったときか降り積もり 埋もれたときか子供達の置いていった スコップやバケツももうすでに 姿を隠しつつある忘れものは これだけなのか遠い雲から白い細胞が降ってきて雪だるまの息を ゆっくりと奪ってゆく。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーりょーさけさんとの詩交換朗読企画!第2弾です!りょーさけさんの詩はこちら。
2018年12月7日 19:22
人形を焼いた灰をふりかけに混ぜてしまおう炊きたてのご飯にかけて 一気にかきこんだら愛情を思い出せるだろうか焚き火をじっと見ていると恐ろしさと 懐かしさとが 浮かんでくる 全く他人の顔の 母親のような 奇妙が焚き火の向こうに立っているようだ自分のなかにある なまの部分を人形に重ねて 焼いてしまおう その灰を ふりかけに混ぜて食べたら自分が分かるだろうか。
2018年12月4日 03:20
詩朗読 「別れのグラスに君を注いで」
別れのグラスに何浮かべるだろ君と僕との最後のグラスに酒を浮かべて笑みを映してこれでよかったと飲み干すだろか出会った喜び語るときには間逆に別れを考えていて沈思黙考したフリをして「どうでもよいか」とまた飲む僕さ顔も知らずに挨拶するとはハローたぬきさん どうしたことだろこちらは今々雲が晴れゆく君の空は何色だろうか?顔も知らずに別れ思うとは
2018年11月29日 13:10
君の好きな酒で乾杯しよう。せっかくだから。寿司屋じゃちょっと、落ち着かないね。やっぱり居酒屋がいいかな。魚がおいしいお店、どうかな。焼き鳥なんかもいいかもね。寒いときなら、おでんもあるね。おいしいものつまみながら、はなしをしよう。君のカサブタと、僕のカサブタ。見せあったなら、酒もすすむだろ。そんでベロベロになっても、次の店にいこう。僕の好きな酒で乾杯しよう。せっかくだから。
2018年11月24日 01:56
夕焼けのカクテル 作ってくれよ俺はそれを飲み干して 空へ溶けるから夕焼けのカクテル 作ってくれよ菫の心を彩った 海の向こうの誰かのように枯れた空気 冷えた耳 心の奥で切れる粘膜夕焼けのカクテル 作ってくれ俺は空を飲み干して それに溶けるから。
2018年11月20日 16:54
そして踏切が開いた。もはや向こうへ行ってしまった電車を横切るようにして、車はゆっくりと加速していく。山から流れてくる暗闇。どこか抗うようなヘッドライトと、共に流れていく。田んぼ。青信号。気持ち。霞。お墓。赤信号。疲れ。未来。まだ、終わりかけの1日。