和音

熱さの無いマグマがやってくる

いつかの飲み込めていない思い出が

「嘘つき」と無言でみつめてくるようで

絵が　忘れられない

置いた感情

傘でしのぐことは出来ないから

今日はもう人形だ

首を吊った 人の形

けち臭い墓場

こんな ブサイクな自由は

寒いだけなのに

知らなかった傷が疼く

澄んだ空気と一緒に

迫ってくる

素知らぬ顔の景色

たんじゅんだ　たんじゅんだ　って

チグハグな心を締め付けてくる

ついに

天使のような悪が

閉じようとして

なんだ

憎いものなんてないのに

ぬめりのある感情は

熱をもって

脳みそから垂れてくる

橋をわたったむこうに

卑怯な自分がまってる

ふつうってなに 聞こえる

変なひと 変なひと

ほんとうの気持ち　聞こえない

待ってなんて 呪文使いすぎて

みんなもう 終わりになってしまった

昔のカサブタが剥がれて

目の前で崩れる

持っていないものばかりが

山の向こうで泥々になって

ゆっくりと 押し寄せてくる

夜明け

楽になりたい鳥や

陸にいきたい魚も

留守にしている心がある

劣化するとは知らずに

炉を求める わたし達の

和音。