パラスパレス pal'laspalace

インディゴ染めや産地と共にものづくりをしているファッションブランドです。noteでは制…

パラスパレス pal'laspalace

インディゴ染めや産地と共にものづくりをしているファッションブランドです。noteでは制作背景や季節の読み物などをご紹介。全国45店舗とオンラインストアにておまちしております。

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記事一覧

神無月|おおきな金木犀の木

金木犀の芳香が風にのる季節、10月のはじまりです。 東京で一番大きいといわれている、金木犀の巨木が東京都小金井市にあります。 そこは『江戸東京たてもの園』という、…

東京都八王子市から。『いびつ』さを味わうストール。

一枚ずつ違うかたち、波打つきわ。 パラスパレスが長年作り続けている「縮絨ストール」は、いっぷう変わったストールです。 本来お店に並ぶものであれば、個体差のない均…

ウールのはぎれ はじめました

パラスパレスのオリジナルテキスタイルを使った、はぎれ。生地のサンプル反や洋服の裁断端を、もったいないの気持ちからお届けしています。 今年も、冬季限定ウールのはぎ…

長月|無花果葉(ムカカヨウ)

無花果(いちじく)の葉を乾燥させたものをムカカヨウと呼びます。 葉、そのものからも、いちじくの実に似た香りがして、生薬やお茶にも使われています。 ムカカヨウを知…

奈良のものづくり 足元のおしゃれ

奈良といえば、ぱっと思いつくのが大仏、寺社、鹿……。 観光のイメージが強いですが、 実は、靴下の生産量が日本一の産地でもあるのです。 ”靴下団地”といって工場が…

葉月|だるまと靴下

太陽はぎらぎら、アスファルトはゆらゆら。 植物はのびのびと枝葉を茂らせ、ながいながい夏の訪れを感じます。 八月がはじまりました。 夏休みには旅行や遠出をしたり。…

季節をはじめる格子柄 ‐秋間道‐

パラスパレスではこの秋、「秋間道」という格子柄のシャツをつくりました。 間道とは、ストライプやチェックの古い呼び名です。 鎌倉~桃山時代に異国から伝わった染織品…

夏のご挨拶 今治のタオル

二十四節気は小暑から大暑へ。暑さきびしくなるころ、いかがお過ごしでしょうか。 パラスパレスでは2024年7月18日(木)より、夏のご挨拶としてこんな催しを予定していま…

文月|梅仕事の成果

梅雨らしからぬ晴天続きで七月がはじまりました。 先日インスタグラムでご紹介した、梅シロップつくり。無事にできあがりました。 洋梨のようなフルーティーな香りが特長…

餅まき|パラスパレスの ヒト モノ コト #3

私が生まれ育った関西の地方では「餅撒き」の行事があります。 餅撒きが開催されるのは、おおきな神輿が練り歩き、町中が活気に包まれる秋のお祭りのとき。 もともと祭事…

「もったいない」を新しいかたちに。リネンのはぎれ。

2024年6月26日より、パラスパレス公式オンラインストアにて、リネンのはぎれの取り扱いがはじまります。 この生地の正体は…… パラスパレスは日本各地の産地と取り組み、…

水無月|幸せの便り

京都のプリント工場さんから、荷物を受け取ったときのことです。 荷物とは別に「◯◯様 幸便」と書かれた封筒が入っていました。 幸便、しあわせびん……?さちびん? …

岡山•倉敷より|い草のバッグ

夏らしさが日ごとにまし、よそおいも軽やかに。 Tシャツ、サンダル、帽子……。 さて、手もとのバッグはどうしましょう。 たたみと同じ材料「い草」を使ったこんな夏バ…

皐月|端午の節句のしつらい

晴れ渡る五月。気持ちの良い月がはじまりました。 みなさまゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。 わたしは休暇を利用して岡山、兵庫に旅行してきました。 各地で…

夏のTシャツ つぶぞろい

まずは、ベーシックな無地を。 何枚でも欲しくなるシンプルなTシャツは、色と素材にこだわりを。 生地には「ラフィ」という糸をつかっています。不均一で自然な太細がある…

夏のシャツはじめ

それではシャツの旅、はじまりはじまり。 今回は「あべこべグレンチェック」にスポットをあててご紹介します。 ◾️生地のデザイン 服つくりには、2つのパターンがあり…

神無月|おおきな金木犀の木

神無月|おおきな金木犀の木

金木犀の芳香が風にのる季節、10月のはじまりです。

東京で一番大きいといわれている、金木犀の巨木が東京都小金井市にあります。

そこは『江戸東京たてもの園』という、建築がテーマの野外博物館。

歴史的価値が高い建築物を当時の姿で展示しており、実際にたてものの中に入って見学ができる施設です。

園の詳細はこちら↓

園の入り口に、それはそれは大きな金木犀の木があります。お客さんを迎えるかのようにど

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東京都八王子市から。『いびつ』さを味わうストール。

東京都八王子市から。『いびつ』さを味わうストール。

一枚ずつ違うかたち、波打つきわ。
パラスパレスが長年作り続けている「縮絨ストール」は、いっぷう変わったストールです。

本来お店に並ぶものであれば、個体差のない均一さが求められるかもしれません。しかし、このストールは、他とは逆を行くものづくりをしています。

個性があってどこか、いびつ。

なんだか人間みたいな味わいがあるのです。

そのストールが、こちら。

近づくと、生地がもこもこしているのが

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ウールのはぎれ はじめました

ウールのはぎれ はじめました

パラスパレスのオリジナルテキスタイルを使った、はぎれ。生地のサンプル反や洋服の裁断端を、もったいないの気持ちからお届けしています。

今年も、冬季限定ウールのはぎれがお店に並びはじめました。

材料がある年のみ、初秋から晩冬まで登場する人気のアイテム。

数に限りがあるので見かけたときは、一期一会、かもしれません。

ウールをメインとした素材は、ふっくらふわふわ、あたたかな風合いです。
ひとつずつ

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長月|無花果葉(ムカカヨウ)

長月|無花果葉(ムカカヨウ)

無花果(いちじく)の葉を乾燥させたものをムカカヨウと呼びます。

葉、そのものからも、いちじくの実に似た香りがして、生薬やお茶にも使われています。

ムカカヨウを知ったのは、数年前。先輩と一緒に、とあるギャラリーに立ち寄った時のことでした。

ガラスのドーム型のケースに、枯葉がふんわりと積まれています。

なんだろう、と近付いてみると、

『香りをお楽しみください』の文字が。

蓋をもちあげると、

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奈良のものづくり 足元のおしゃれ

奈良のものづくり 足元のおしゃれ

奈良といえば、ぱっと思いつくのが大仏、寺社、鹿……。

観光のイメージが強いですが、
実は、靴下の生産量が日本一の産地でもあるのです。

”靴下団地”といって工場が団地の様に軒を連ねたほど、特に広陵町は靴下の町として有名なところ。

町境には靴下の形をしたお茶目な看板が出迎えてくれます。

毎年4月と11月には靴下の市というお祭りがあり、靴下販売や出店が楽しめるそうですよ。

この秋、パラスパレス

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葉月|だるまと靴下

葉月|だるまと靴下

太陽はぎらぎら、アスファルトはゆらゆら。

植物はのびのびと枝葉を茂らせ、ながいながい夏の訪れを感じます。

八月がはじまりました。

夏休みには旅行や遠出をしたり。たのしみが待っていますね。

ひとつ、夏の旅で印象的だったおはなしを。

群馬県高崎市に行ったときのことです。

だるまが有名な高崎市

だるまは県の伝統工芸品にも指定されていていて、江戸時代からの歴史があります。

高崎だるま発祥の

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季節をはじめる格子柄 ‐秋間道‐

季節をはじめる格子柄 ‐秋間道‐

パラスパレスではこの秋、「秋間道」という格子柄のシャツをつくりました。

間道とは、ストライプやチェックの古い呼び名です。

鎌倉~桃山時代に異国から伝わった染織品を指し、茶道をたしなむ権力者に愛された裂のひとつ。

掛軸の表装や茶入れの仕覆として大切にされていました。

名物裂 めいぶつきれ
間道
金襴
緞子

を主流としたこれらの生地は名物裂として茶人の名を冠したものや、背景にちなんだ名前がつ

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夏のご挨拶 今治のタオル

夏のご挨拶 今治のタオル

二十四節気は小暑から大暑へ。暑さきびしくなるころ、いかがお過ごしでしょうか。

パラスパレスでは2024年7月18日(木)より、夏のご挨拶としてこんな催しを予定しています。

ちょっと遅いお中元。暑い季節におあつらえむき、タオルを贈答いたします。

一年の折り返し、感謝をこめて。どうぞひきつづきご愛顧、おつきあいくださいませ。

このタオルの故郷は……
愛媛県今治市にて作っていただきました。今治は

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文月|梅仕事の成果

文月|梅仕事の成果

梅雨らしからぬ晴天続きで七月がはじまりました。

先日インスタグラムでご紹介した、梅シロップつくり。無事にできあがりました。

洋梨のようなフルーティーな香りが特長の、有本農園さんの翠香という梅を取り寄せて、初挑戦しました。

とろりと透き通った琥珀色。ひとさじ味見をして、

「おいしい〜!」

美味しんぼの栗田さんのような抑揚で自然と声にでました。香りが豊かで、梅のうまみがぎゅっとつまっています

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餅まき|パラスパレスの ヒト モノ コト #3

餅まき|パラスパレスの ヒト モノ コト #3

私が生まれ育った関西の地方では「餅撒き」の行事があります。

餅撒きが開催されるのは、おおきな神輿が練り歩き、町中が活気に包まれる秋のお祭りのとき。

もともと祭事が盛んな地域、お神輿も刺繍や飾りで贅を尽くした豪華なもの。上京してから関東のお神輿をみて、こんなにも風情がちがうものかと驚きました。

神社の境内では巫女さんや神職の方が、丸い餅を節分のように勢いよくばら撒きます。

餅がほうぼうに宙を

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「もったいない」を新しいかたちに。リネンのはぎれ。

「もったいない」を新しいかたちに。リネンのはぎれ。

2024年6月26日より、パラスパレス公式オンラインストアにて、リネンのはぎれの取り扱いがはじまります。

この生地の正体は……
パラスパレスは日本各地の産地と取り組み、糸や生地から独自企画をするファッションブランド。

オリジナルテキスタイルの服にならなかった裁断ロスや、試作の生地を、はぎれにしてお届けしています。

産地の方々と手塩にかけて作った生地。まだ使えるものだからこそ「もったいない」の

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水無月|幸せの便り

水無月|幸せの便り

京都のプリント工場さんから、荷物を受け取ったときのことです。

荷物とは別に「◯◯様 幸便」と書かれた封筒が入っていました。

幸便、しあわせびん……?さちびん?
意味を知らなかったので、調べてみることに。

どうやら、

こうびん

と読むようです。

幸便とは

つまり、

ついでで申し訳ありませんが、〇〇様にわたしてください。

という意味ですね。

タイミングよく託せて幸い、というニュアン

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岡山•倉敷より|い草のバッグ

岡山•倉敷より|い草のバッグ

夏らしさが日ごとにまし、よそおいも軽やかに。

Tシャツ、サンダル、帽子……。

さて、手もとのバッグはどうしましょう。

たたみと同じ材料「い草」を使ったこんな夏バッグはいかがでしょうか。

持ち手の部分に「い草」の持ち手をつけたリネンバッグ。

今年も、岡山県倉敷市にて工房をかまえる「須浪亨商店」さんに誂えていただきました。

じつはこの持ち手、須浪さんのい草の鍋敷きから着想したもの。

鍋敷

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皐月|端午の節句のしつらい

皐月|端午の節句のしつらい

晴れ渡る五月。気持ちの良い月がはじまりました。
みなさまゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。

わたしは休暇を利用して岡山、兵庫に旅行してきました。
各地で見かけた端午の節句のしつらいをご紹介します。

倉敷の阿智神社でみかけた、おおきな鯉のぼり🎏
その脇に、ひな壇ならぬ武者壇(?)がありました。とっても立派です!

岡山の工芸品、張り子の虎が対になって迫力がありますね。

そして、姫路

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夏のTシャツ つぶぞろい

夏のTシャツ つぶぞろい

まずは、ベーシックな無地を。
何枚でも欲しくなるシンプルなTシャツは、色と素材にこだわりを。

生地には「ラフィ」という糸をつかっています。不均一で自然な太細がある糸で、どこかこなれたヴィンテージ風。
さらに、Tシャツのかたちにしてから染色をする製品染を施しているので、雰囲気がある一枚です。

オリジナルの色つけをしていて、今回は、南風格子柄から色をチョイスしました。

実はこの色つけも、染テスト

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夏のシャツはじめ

夏のシャツはじめ

それではシャツの旅、はじまりはじまり。

今回は「あべこべグレンチェック」にスポットをあててご紹介します。

◾️生地のデザイン

服つくりには、2つのパターンがあります
①生地からオリジナルで服をつくる
②生地屋さんが作った生地から服をつくる
今回のシャツは①のパターンです。
色、柄、どこにもないブランド独自のものができあがります。

ただしとっても時間がかかるので、考えはじめるのは半年以上前で

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