パラスパレス pal'laspalace
季節のことがらや、暮らしの豆知識。
ものづくりへの想いや産地との取り組み、舞台裏をご紹介。
スタッフたちの日常のひとこま。季節の小冊子〈シーズンブック〉にて連載中。
私たちは、天然素材や手仕事を活かしたものづくりを続けているファッションブランド「pal'las palace (パラスパレス)」です。 全国45店舗とオンラインストアを展開しています。 私たちが大切にしていることは、永く手元に残したくなる服を。 デニムのように経年変化が楽しめる「インディゴ染」や、 産地と共に、糸づくりからはじめるオリジナルテキスタイルとニット。 季節感を大切にした手描きの味わいがある柄もの。 素材つくりから、ひとつ、ひとつ。 流行にとらわれないデザイ
「冬うらら」ということばが思い浮かびました。 寒さはあれど、陽の光が明るく晴れやかである様子のことで、冬の季語でもあります。 1 年の終わりを迎え、また新しい 1 年を迎えるのもこの季節。 忙しなく感じることも多いですが、束の間訪れる「冬うらら」と詠みたくなるような穏やかな時間をそっとお守りにして、またひと冬、乗り越えていきたいものです。 今回は「冬うらら」と名づけた、ぱっと明るく晴れやかなテキスタイルと、その生地を使っ たベストとスカート
日めくりカレンダーがずいぶんとスリムになりました。11月のはじまりです。 11月3日は文具の日 ということで、普段愛用している文具をご紹介します。 日々、パラスパレスのものづくりをお伝えすべく、工場へ取材に伺う機会が多くあります。説明のメモをとる際に欠かせないのがこちら、測量野帳というノートです。 野鳥ではなく、野帳。 もとは、測量士が野外で作業するために誕生したフィールドノートです。 何が使いやすいかというと、 表紙が、がっちがちに硬いので、ふにゃっとならずに
ででん、と福々しい布袋さん。 とある工場の守り神として、鎮座しています。 その工場は愛知県で『ウール専門の糸づくり』をしています。それも、とても希少でこだわりのある糸づくりです。 パラスパレスでは、この冬のアイテムのために、糸をオリジナルブレンドで誂えてもらいました。 オリジナルで糸を作るって、どういうことでしょう? 糸は、糸やさんがストックしている既製品を使うのが一般的です。 しかし、今回のようにワタの種類や色をオリジナルでブレンドして作る場合もあります。 既製
東京都江戸川区。豊かな川が流れるにぎやかな街の一角に、とあるニット工場があります。 そのニット工場はホールガーメントという、縫い目のない製法で編み物を作っています。 通常の編み物ですと、袖や身頃をパーツごとに編み、くっつけて仕立てますが、ホールガーメントは始めから終わりまで編み続いているのが特徴です。 そのため、『無縫製ニット』と表現されます。 こちらが今回ご紹介のニット、 『木春菊』のお花を、幾何学柄に描きました。 服のかたちに合わせ図案をデザインした、ニットでこそ活
冬になるとシベリアからたくさんの白鳥がやってくる、それが私にとって、当たり前の風景でした。 生まれ育った、新潟でのおはなしです。 白鳥というと多くの方は、水面を優雅に泳ぐところを想像すると思います。けれども、私の目に浮かぶのは、群れで田んぼに降り立つ姿です。 冬の田には、きっとおいしいものがあるのでしょう。夢中でエサを探しています。よくよく観察すると、群れの中に見張り番がいて、交代制で首を空に伸ばし、きょろきょろしているのがわかります。 広がる土色のキャンバスの上に、
金木犀の芳香が風にのる季節、10月のはじまりです。 東京で一番大きいといわれている、金木犀の巨木が東京都小金井市にあります。 そこは『江戸東京たてもの園』という、建築がテーマの野外博物館。 歴史的価値が高い建築物を当時の姿で展示しており、実際にたてものの中に入って見学ができる施設です。 園の詳細はこちら↓ 園の入り口に、それはそれは大きな金木犀の木があります。お客さんを迎えるかのようにどっしりと2本、大迫力! おおきさは10mほど、一般的なビルの2階はゆうに超える
一枚ずつ違うかたち、波打つきわ。 パラスパレスが長年作り続けている「縮絨ストール」は、いっぷう変わったストールです。 本来お店に並ぶものであれば、個体差のない均一さが求められるかもしれません。しかし、このストールは、他とは逆を行くものづくりをしています。 個性があってどこか、いびつ。 なんだか人間みたいな味わいがあるのです。 そのストールが、こちら。 近づくと、生地がもこもこしているのがわかります。 フェルト状になっていて、ふっくら柔らか。この独特の風合いこそがい
パラスパレスのオリジナルテキスタイルを使った、はぎれ。生地のサンプル反や洋服の裁断端を、もったいないの気持ちからお届けしています。 今年も、冬季限定ウールのはぎれがお店に並びはじめました。 材料がある年のみ、初秋から晩冬まで登場する人気のアイテム。 数に限りがあるので見かけたときは、一期一会、かもしれません。 ウールをメインとした素材は、ふっくらふわふわ、あたたかな風合いです。 ひとつずつ、柄の入り方や組み合わせが異なるので、どうぞ手に取ってお気に入りをみつけてくださ
無花果(いちじく)の葉を乾燥させたものをムカカヨウと呼びます。 葉、そのものからも、いちじくの実に似た香りがして、生薬やお茶にも使われています。 ムカカヨウを知ったのは、数年前。先輩と一緒に、とあるギャラリーに立ち寄った時のことでした。 ガラスのドーム型のケースに、枯葉がふんわりと積まれています。 なんだろう、と近付いてみると、 『香りをお楽しみください』の文字が。 蓋をもちあげると、 ふわっ。 甘さと青々しさが混ざった芳香が広がりました。 葉を干しただけで
奈良といえば、ぱっと思いつくのが大仏、寺社、鹿……。 観光のイメージが強いですが、 実は、靴下の生産量が日本一の産地でもあるのです。 ”靴下団地”といって工場が団地の様に軒を連ねたほど、特に広陵町は靴下の町として有名なところ。 町境には靴下の形をしたお茶目な看板が出迎えてくれます。 毎年4月と11月には靴下の市というお祭りがあり、靴下販売や出店が楽しめるそうですよ。 この秋、パラスパレスのお店にも沢山の靴下が並びます。 洋服のオリジナルテキスタイルの柄を靴下に落と
太陽はぎらぎら、アスファルトはゆらゆら。 植物はのびのびと枝葉を茂らせ、ながいながい夏の訪れを感じます。 八月がはじまりました。 夏休みには旅行や遠出をしたり。たのしみが待っていますね。 ひとつ、夏の旅で印象的だったおはなしを。 群馬県高崎市に行ったときのことです。 だるまが有名な高崎市 だるまは県の伝統工芸品にも指定されていていて、江戸時代からの歴史があります。 高崎だるま発祥のお寺として「少林山達磨寺」があり、だるまが並んだユニークなお寺を参拝してみようと
パラスパレスではこの秋、「秋間道」という格子柄のシャツをつくりました。 間道とは、ストライプやチェックの古い呼び名です。 鎌倉~桃山時代に異国から伝わった染織品を指し、茶道をたしなむ権力者に愛された裂のひとつ。 掛軸の表装や茶入れの仕覆として大切にされていました。 名物裂 めいぶつきれ 間道 金襴 緞子 を主流としたこれらの生地は名物裂として茶人の名を冠したものや、背景にちなんだ名前がついています。 たとえば、利休間道は、千利休が好んで用いたもの。 吉野間道は豪
二十四節気は小暑から大暑へ。暑さきびしくなるころ、いかがお過ごしでしょうか。 パラスパレスでは2024年7月18日(木)より、夏のご挨拶としてこんな催しを予定しています。 ちょっと遅いお中元。暑い季節におあつらえむき、タオルを贈答いたします。 一年の折り返し、感謝をこめて。どうぞひきつづきご愛顧、おつきあいくださいませ。 このタオルの故郷は…… 愛媛県今治市にて作っていただきました。今治はタオルの名産地です。 ○○のマンチェスター?! 今治は江戸時代より綿業がさかん
梅雨らしからぬ晴天続きで七月がはじまりました。 先日インスタグラムでご紹介した、梅シロップつくり。無事にできあがりました。 洋梨のようなフルーティーな香りが特長の、有本農園さんの翠香という梅を取り寄せて、初挑戦しました。 とろりと透き通った琥珀色。ひとさじ味見をして、 「おいしい〜!」 美味しんぼの栗田さんのような抑揚で自然と声にでました。香りが豊かで、梅のうまみがぎゅっとつまっています。 当初は、引くぐらいの砂糖の多さに、 「梅の水分だけでこの大量の砂糖が溶ける
私が生まれ育った関西の地方では「餅撒き」の行事があります。 餅撒きが開催されるのは、おおきな神輿が練り歩き、町中が活気に包まれる秋のお祭りのとき。 もともと祭事が盛んな地域、お神輿も刺繍や飾りで贅を尽くした豪華なもの。上京してから関東のお神輿をみて、こんなにも風情がちがうものかと驚きました。 神社の境内では巫女さんや神職の方が、丸い餅を節分のように勢いよくばら撒きます。 餅がほうぼうに宙を舞い、拾おうとする人たちの熱気は最高潮。硬い餅なので、ぶつかると痛いくらいです。