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中山かず葉
2024年7月22日 02:25
月を、見ていた。煌々と輝き満ちている。今回は二度目の山羊座満月だという。「月が綺麗だよ」という友の声に合わせ、数人で夜空を見上げてそんな話を昨日もしていた。他者から見て小さかろうが、粗末だろうが、こうした穏やかで大切な時間を私は「幸福」と呼ぶ。それなのに今日はどこか物悲しい。「寂しい」という感情が全身を埋めつくしているみたいだ。それもきっと満月のせいなんだと思う。
2024年6月12日 01:05
学年が上がると仲の良いグループが変わったり、ライフステージが変わると友人との関わり方も少しづつ変わっていくように、対人関係は「限られた期間内」で人生の一部を彩っている。 仮に契約を交わすような関係性(結婚や仕事など)だったとしても、一定の期間が過ぎると気持ちに変化があらわれるため、必ずしも同じ感情・付き合い方がずっと続くということはまずありえないだろう。 だからこそ、対人関係は瞬間瞬間を
2024年5月12日 20:26
頭と右手の意思疎通ができずにいる。取り留めのない思考が、まるで濃霧にのまれているかのように「書き記す」行為を遮断して行く手を阻む。私にとって「感じること」は、すなわち生きること、だった。だったはずなのに、ちょっとした不調がキッカケで鈍る感受性相手に、今はただ一抹の「やりきれなさ」と「無」しか抱けずにいる。──寂しいやら、悔しいやら。*あなたに伝えたいことは山ほどあって、それ
2024年4月13日 18:40
つんざくような桜流しにいっそ打たれてしまえばよかった花弁に絡みつくきみの香りがいっときの喧騒を足早にぼくのからだをすり抜け指先をかすめることもなく知らない誰かの元へと散り散りに舞い落ちてゆく寒空の下で開いた心だけを置き去りにして細い枝葉は苛烈な雨風に揺らぎ青灰の春を迎えました
2024年3月28日 19:56
満ちゆく月に痩せた背中を重ねて手を伸ばすこの世界から消えてしまったあなたの名前を僕らは今でも地球のどこかで呼びあっている