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無料のイヌと半額セールのイヌと60万のイヌの話


祖母は、小さな島で、たくさんの動物とと過ごしており、お世話が大変という問題や盗難のため、だんだん動物は減ってきていますが、

犬だけは、貰い手がいつもすぐ見つかるため、去勢手術は行わず、もはや、犬のブリーダーみたいになってる祖母です。

たしかに、いつも募集をかけると、すぐ飼い主が見つかり、祖母の家を去っていきます。

小さな島で、高齢化も進む島なのに、貰い手が見つからない。ということは一切ないのです。


私はこんなにすぐ見つかるんだ。といつもびっくりしています。

ペットショップもないし、動物園もない島だからかな?


おかげでその小さな島は、祖母発信の犬で溢れています。みんな、血がつながっている。


顔がみんな似ているし、色も同じなので、その島で祖母の犬の子孫かどうか大体わかるようです。

そもそも、小さい島で交流も強いところなので、貰い手がほぼ知り合いみたいな感じなので、連絡先はもちろん、どこに住んでいるかもわかるため、生まれた子犬のその後が知ることができます。


しかし、それはいいことも悪いことも同時に知れます。


どちらかといえば、悪い事のほうが明るみになりやすいです。

子犬をもらった飼い主が犬にとって良い飼い主であれば、連絡をこまめにくれたり、SNSで、犬の写真をアップして可愛がってる姿が垣間見えたりすることがあります。

SNSにあげてるからと言って、=可愛がってるとはならないかもしれませんが、犬のことを思っている気持ちが伝わるということで、その子犬が愛されていたら嬉しいなぁ。と思います。


しかし、知り合いの中では、犬にとって悪い飼い主もたくさんいます。


飼ったはいいものの、ワクチンなどの注射を打たずにほったらかしにしていたり、病院にかようこともない人や

鎖につないだまま、散歩も行かずに庭に犬を置いているだけの人。


小さな島が故にこういった情報がすぐに入るし、また、自分の目で見てしまうこともあります。


中でも私が一番傷ついたのは、

3年前、祖母から犬をもらった人のこと。(Aさんとします。)

Aさんは、私はじめで合うような人だったのですが、おばの知り合いということで、Aさんの家にAさんをおばの車で迎えに行く。という機会がありました。


そのとき、見た光景が、さっき書いたような、
太い鎖に繋がれたまま、犬小屋で吠え続けている犬。

人が来るだけで、大きくて吠えて暴れまわるような犬でした。

おばが、Aさんの家の犬は祖母からもらった犬ということを教えてくれました。

Aさんは、家を出るとき、自分の愛犬に向かって、「うっせえ!黙ってろ!」と怒っていました。

その後も、あの犬は朝も昼も夜もずっと外に出しっぱなしで、散歩なんて言ったことがない。と話していました。

愛情なんてない。

なぜ、Aさんが祖母の犬をもらったのかはわからないのですが、たいへん傷つきました。

飼い主としての最低限のことを何一つやってない。

Aさんの犬はどう思っているのかな。

もし、あのとき、他の飼い主に貰われていたら、、幸せだったのに。とか思ってないかな。と心配になります。

それ以前に、簡単に渡してしまう祖母にも責任があるのかな。とも考えます。

それについては何も言えていない状況なのですが。


以前、旅先で、たまたま乗ったタクシーの運転手さんが犬のブリーダーもやっていると話していて、

「タダで上げてもいいんだけど、タダで貰ったものは大切にしないから、15000円であげている。」と話していました。


Aさんの犬も、15000円という価値がついていれば、未来は変わったのかなぁ。と思います。



しかし、、言い方が不適切かもしれませんが、私の命だって、両親にしてみたら、はじめはタダで貰ったもの。

病院代とかそういったお金を含めると、莫大になるのかもしれませんが、私自身はタダと言えると考えます。

里親で、子供を授かる人も、また、不適切な言い方かもしれませんが、タダで貰う。と考えられます。

タダだったけど、両親は私のことは何よりも大切に育ててくれたし、

里親になる人も、タダだから貰っておこう。というひとは絶対にいないはずです。

お金よりも、育てたいから育てる愛情のほうが優先されて、タダなんて発想は一切ないはずです。



それが、犬の命になると、タダなら貰う。
ということもあり得るのかな。と思います。


もし、15000円だったら、Aさんはあの犬を買っていたかな。

もし、15000円だったら、Aさんはあの犬を大切に育てていたかな。

それが、もし、1000円や、10万円だと、もっと未来は変わっていたのかなぁ。


何が適切かもわからないし、あげる側も、犬にとって適切な飼い主かどうか、飼ってみないと見抜くことはできません。


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私の家には2匹の犬がいます。

7歳のミディアムプードル(トイブードルより一回り大きいプードルのこと)と3歳のトイプードル。


はじめに家にいたミディアムプードルは、3ヶ月のとき、インターネットでおばが買った犬。

私はそのとき、小学生だったので、とにかく、犬が来たということが嬉しくて、値段やインターネットで買った犬という事実について何も知りませんでした。


後で聞くと、私の愛犬は半額セールになっていた。ということ。半額かどうかは確かではないのですが、とにかく、処分セールみたいなことになっていたらしいのです。

そして、おばが買ったというのに、なぜ私の愛犬になっているかというと、おばは、そのとき2匹の色違いを同時に購入して、(おそらく、セールだったから)

一年たったころに、どちらか一匹、人に譲ると言い出したので、私も、私の母も、必死に止めて、私達が飼うことにしました。


私は、当時、毎日のようにおばの家に犬に会いに行っていたのでとても嬉しかったです。

いまでも、時々、私の愛犬は購入される3ヶ月の間、どこにいたのだろう。なにをしていたんだろう。

もし、あのセールでずっと買われなかったら、どうなっていたんだろう。と考えることがよくあります。

おばも、もし、あのときセールじゃなかったら、2匹同時に買っていたのかな?1匹だけにしていたのかな。

それとも、別の犬を買っていたのかな。といろいろ考えます。

今ではおばも、愛犬を買ったサイトを忘れてしまったようで、その答えをずっと知ることができません。

そんな、私達が引き取ったほうじゃない、もう一匹の残された方のおばの犬は、おばが仕事で忙しく、またひとり暮らしのため、ずっと一匹で家にいることが多く、おば自身も、一緒にいる間も可愛がることもせず、犬に愛情がない。と言っている始末です。

家族ながら、おばには本当に呆れます。



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私のもう一匹のトイプードルの愛犬は、2匹目も欲しいなぁ。とぼんやり考えていた頃。3年前にペットショップに行って、購入した犬です。

そのペットショップは、よく犬が入れ替わるペットショップで、可愛い犬が多く、今でも大人気です。

ペットショップの中で、トップクラスの管理やサービスがあるところでもあります。


100万円する犬もわんさかいるようなペットショップで、愛犬は、少し大きめで鼻も長くて足も長い。人にとれば、いい特徴も、犬の可愛い条件からは外れた犬で、60万円という価値がつけられて、店頭から離れたところにいました。


もともと買っているミディアムプードルにそっくりで、私も母も強くその犬に惹かれました。


最初に見て、一目惚れして、すぐ、飼いたくなりました。

一度は冷静になるために家に帰ったものの、もう買うことしか考えられなくなっていました。


私の家は裕福ではないし、私も高校生で、父からは犬をさらに飼うことに反対されることがわかっていたため、母の少ない貯金から出すことしかできない状況でした。


100 万円がずらっと並ぶ中で、60万は大金のはずなのに何故か安く感じてしまいました。それ以上に、なぜ安いのか。のほうが気になってしまい、入れ替わりが激しく、大人気のお店ということもあり、急がないと。という気持ちが強かったです。

結局、見つけてから次の次の日くらいには購入することに決めました。

2匹家にいることは私にとって本当に幸せです。

しかし、今でも頻繁に、あのとき、もう一匹、ペットショップで飼うべきだったのか。と母も私も強く悩むことがあります。


先にいたミディアムプードルと怪我をするくらい喧嘩したり、ミディアムプードルのほうが不服そうな顔をしていたり、

トイプードルの愛犬がやんちゃで、色んな所に粗相をしたりものを壊したりするとき、

つい、悩んでしまいます。

だからといって、愛犬を手放すことは何が何でもしたくない。私にとって2匹とも大切な存在です。

先にいたもう一匹のミディアムプードルは私達の考えで、もう一匹増えて、どう思っているのかな。と少し気になります。


犬の多頭飼いをするときは、何でも上の子優先にすると言うことで、全てにおいてミディアムプードルのほうを優先させています。

なので、冷酷な言い方をすると、60万の犬よりも、半額セールの10万の犬の方を優先しているということです。

もちろん、愛犬と触れ合うとき、お金で優劣を決めたことなんて一切ありません。


お金のことは忘れるくらい、どっちも、私達にとって大切な家族です。

優先順位はあるものの、平等に大量の愛情を注いでいます。




今でも、ペットショップにいくと、ここの店で一番高級で、人だかりができていた犬は今どんなふうに過ごしているのかな。とか、

飼うことを決めた人を見ているとよかったね。など思います。

ペットショップの犬は、可愛い条件を満たせば満たすほど人気も値段が高くなりますが、高くついたからと言って幸せになれるかどうかはわからないし、安いからといって不幸せともわかりません。


半額になって見つけられた犬も、半額のまま、誰の手にも渡ることのなかった犬もいる。


15000円という同じ値段がつけられていても、同じ状況で過ごせるとは限らない。

タダだから、と思う人もいれば、タダだから、と思わない人もいる。

タダだから飼う人もいるし、お金がつくなら買わないという人もいる。

100万円の犬より、タダの犬のほうが幸せに暮らしている場合もたくさんあると思います。


命に値段がつけられていたり、命を無料で渡したり、

犬は、たった一日でお金を払うだけで何十年もこれからともにする家族を得られます。

人の子どもとはそこが違うのかな。とも考えます。

結論がまだ見つけられていません。


ペットショップや、ブリーダー、犬の命について、犬を買うことについて、もっと真剣に考えなければならないと思いました。


他の犬を心配するくらい愛犬を幸せにできているのか不安にもなります。



すべての犬が幸せに暮らせる世の中になりますように。

すべての犬が幸せになれますように。



私に何か具体的な策があるわけではないけど、犬の命について考えることから始めなければならないと思いました。




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