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My Story&Another Story

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あなたのはなし。 あなたのりそう。 なんでもはなしてみて。 これは、どこにでもあるようで、ここにしかない。 あなただけのものがたり。
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死にたいと思った時の話

死にたいと思った時の話

昨日は見に行きたい映画があったのだけど、日曜日だし人が多そうだからと9時からの上映回に足を運んだ。
そして次に行くつもりだったお店の開店時間は19時。

しばらく外に出てなかったし、そのくらいの時間差など埋められるだろうとタカをくくって意気込んで朝から出掛けたものの、見事に時間を持て余した。

映画が終わってからの1時間半ほどでもともと欲しいと思っていた買い物は全部済んでしまい、そこからなにをした

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地元と言える場所

地元と言える場所

「出身どこなの?」と聞かれるといつも返答につまる。
世間話の延長でたいして興味もない事だろうからヘラっと答えられたらいいのだが、わたしには地元と言える場所がわからない。

生まれは外国だけど幼稚園の頃には日本に越してきていたし、両親の出身はそれぞれ違う。
どちらの生まれた地にも住んだことがあるけれど、わりと転々としていたから幼なじみと言えるような人もいないし、20歳を過ぎて一人暮らしを始めるまで地

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ひと夏の思い出

ひと夏の思い出

7月末、海でウミネコをみた。

3月頃からコロナ自粛がはじまり、4月から仕事を休みはじめた。
思いのほか状況が改善しなくて、でもなんだかこの生活にも慣れはじめていて焦りばかりがつのっていた時、以前から色んな話をしていた友人がふと「あそびにきたら?」と言ってくれた。

うちからその友人の住む地域まで約300km。
このご時世だったことも相まってか高速バスが驚くほど安く、これならいけるかも!とわりとす

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わたしがみたいもの

わたしがみたいもの

写真が好きです。
風景やモノももちろんですが、やっぱり人が好きです。
好きなことやってる人がすきです。
えがおがすきです。
そんなことをしみじみおもいながら夜道をあるいています。
みんなたのしくしあわせであれたらいいなぁと、そんなふうにおもっています。

また、お目にかかれますように。

おくり化粧師 Kao Tan
#おくり化粧 #おくり化粧師 #納棺 #納棺師 #おくりびと #kaotan

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コイスルオトメ

コイスルオトメ

昨日話していたことをぼんやりとおもいかえしていたら、「あ、これだな。」とおもえるこたえがみつかったので書き残しておこう。

当時好きだった人。
その人のことがほんとに本当に大好きだったんだとおもう。
だから、ひとことでいいから「わたしへの言葉」
がほしかった。
「いいね」ってみとめてほしかった。
その言葉があればなんだってできた。
なんていうのは幻想だろうけど、ほかの誰にでもなくわたしはいつもその

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「ひとり」では完結しないものがたり

「ひとり」では完結しないものがたり

最近ずっと考えていることがあって。

それは「わたしは「ひとり」では完結しない」ということなんですね。
どういうことかと言うと、インプットとアウトプットがセットなように、入れたものを出せる場所、みてくれる人が必要なんです。

服を買いました。
それ自体は自分の満足のためでもあります。
だけど、自分がよければそれでいいとはならなくて、その服を着た自分を誰かにみてほしい、そしてできれば肯定してもら

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過ぎ行く夏の中にいて

過ぎ行く夏の中にいて

季節はおかまいなしに過ぎていく
あたたまったワックスの減りの早さ
シャワーを浴びたのにとまらぬ汗
そんな日常の端々に夏を感じて
わたしはなんだか泣き笑い
今日も生きている
生かされている
なんのために
誰のために
こたえる声はなくとも
わたしは今日も生きている
#mystory #anotherstory #my #another #story #小説 #短編 #短編小説 #short #sho

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あなたに感謝

あなたに感謝

なんだかわからないけどどうしようもなく落ち込むとき。
話したところで解決しないっておもってるけどかかえているのがおもくてつらくてしょうがないとき。
ないないづくしでどこにも道なんて見えなくて、それでも誰かに話したいと思うとき。

わたしはいつも、話しかけてる。
頭の中で。

本当にはいえやしないから。
もうここにはいないから。
ここにいてくれたならっておもうけど、もうここにはいないから。

いない

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夏のおいてけぼり

夏のおいてけぼり

‪#今日の現場

‪事務所でたまった作業をしていると電話が鳴った。急いで車を走らせ指定された場所に向かうと住宅地の中でらとても車は停められそうにない。コインパーキングからご自宅へと向かう途中、サンダル姿の女性を目にしてなんだか急に夏を感じた。‬
‪まるでおいてけぼりのような、強烈な感覚。‬

「そっか、もう7月か」

そう呟いて、ネクタイを締め直す。
今朝もどってきたというお身体はまだあたたかく、

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退屈な昼下がりのぼんやりした青空と風

退屈な昼下がりのぼんやりした青空と風

夢の中で、わたしはだれかと一緒だった。
この部屋でくだらない話をして笑ってた。
まだ明るい日差しの中で気付けば眠っていて、目が覚めたらひとりだった。

退屈な昼下がり。
雲の多いぼんやりした青空を見上げると、湿度を含んだ風が吹いてくる。
涙は流れないけど、この瞬間を覚えていたいとおもった。

かけがえのないひと時を、二度とと訪れないこの時を、わすれたくなかったんだ。

今はひとりのこの

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対照的なふたり

対照的なふたり

ある夜、いつものバーに居合せたふたりの男の話。

ひとりは、めずらしく遅くまで飲んでいた。

良き男として、また良き夫として誰からも好かれるような彼が、こんな遅くまで店にいることはこれまでにない。
不思議におもって声を掛けると、どうやら夫婦間の問題があるらしい。

結婚してからは飲みにいっても必ず夜のうちには帰り、朝帰りなどしたことがないそうなのだが、今日はどうしても家に帰りたくないと

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ほうわしてる

ほうわしてる

クラクラと目が回る。
真夜中の高速道路はあいかわらず綺麗でカメラだけを構えていたい欲望。
あぁ目が回る。
視界がぶれて幾重にも重なる。
このまま何処かへいけたらいいのに。

眉根に皺を寄せて、くちびるをおもいっきりひっぱって。
精一杯の笑顔。
あなたにみせたいな。
今いてくれたらいいのにな。

今日はもう眠ろうか。
あしためがさめなくてもいいように。
僕らの旅はどこまでつづく。
目指した先に虹がみ

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腕によりをかけたごちそうのような、きらきらしたキセキの時間。

腕によりをかけたごちそうのような、きらきらしたキセキの時間。

一回壊れて、でも修復された。
そんな関係。
言葉を交わさなくては気付かなかった、そんな関係。
お互いがどこかで壊れてもいいと、切れてしまっても仕方ないと自ら壊しにいった、そんな関係。
好きじゃなかったから話せた。
そんな関係。
過度に入れ込むこともなくどこか俯瞰して、またどこか試すように探りながら。でもやっぱり手放すには惜しいとどこかで踏みとどまった。
そんな関係。

あなたとあたしはそんな関係。

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ひざをかかえて

ひざをかかえて

ひざをかかえて、まっくらのやみ
ひざをかかえて、キッチンのそば
ひざをかかえて、冷蔵庫のまえ
ひざをかかえて、洗濯機のよこ
ひざをかかえて、玄関のとびら
ひざをかかえて、部屋の片隅
ひざをかかえて、ひざをかかえて、ひざをかかえて、わたしはどこへ。