夏のおいてけぼり
#今日の現場
事務所でたまった作業をしていると電話が鳴った。急いで車を走らせ指定された場所に向かうと住宅地の中でらとても車は停められそうにない。コインパーキングからご自宅へと向かう途中、サンダル姿の女性を目にしてなんだか急に夏を感じた。
まるでおいてけぼりのような、強烈な感覚。
「そっか、もう7月か」
そう呟いて、ネクタイを締め直す。
今朝もどってきたというお身体はまだあたたかく、硬直も激しい。痛めてしまわぬように細心の注意を払いながらも、結構な力が必要となった。
含み綿でお顔を整えた後マッサージをして可動域を広げながらお着せ替えを進め、顔剃り・ドライシャンプーをすませて保湿に移る。
最低限の色味を整え、ご確認いただき終了となった。
人通りの多い裏道を荷物を抱えて高いヒールで歩く。
ちょっとだけ「なにやってんだろうな」って言葉が上辺をかすめた。
もしかしたら迷っているのかもしれない。
あんまり言葉と感情は一致しない。
だからそのかすめた言葉を鵜呑みにするつもりはない。
ただ、やっぱり一筋縄ではいかないなと感じた昼だった。
あと、言葉は上手くなりたいとも強く強く思った昼だった。
終
また、お目にかかれますように。
おくり化粧師 Kao Tan
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