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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2022年7月の記事一覧

もう「利上げ」停止? ー 興味深いFOMC@7/27へのマーケットの反応。

もう「利上げ」停止? ー 興味深いFOMC@7/27へのマーケットの反応。

 昨日のFOMCでは予想通り+0.75%の「利上げ」が実施されたが、その後のパウエル議長の記者会見(下記抜粋 ↓ )に対するマーケットの反応が興味深かった。

 これを「利上げは峠を超えた」と大方の市場関係者は解釈。「利上げ」予報では "@3.5%で停止" になっている。

 株式市場は諸手を挙げて大歓迎。NYダウ、ナスダックに加え、ビットコイン(BTC)も急伸しており、ウォール街は "万歳三唱"

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元祖・「QT」は日本の「総量規制」。with 「利上げ」予報@7/26/ 2022。  

元祖・「QT」は日本の「総量規制」。with 「利上げ」予報@7/26/ 2022。  

 このところ「損切丸」でも ”リセッション” の進捗を計るために注視している米住宅関連指標 ↑ 。@5~6%台に上昇した住宅ローン金利が大きなブレーキになっているのは間違いなさそうだ。

 @5%の20年複利は@8.5%を超え、返済額は元金の約2.7倍にもなる。↓

 この辺りが日本人が苦手とする「金利」の怖ろしさだが、消費者金融や ”闇金” で@15%とか ”十一” ( "といち" 、10日間で

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「インフレ」と「資金繰り」の狭間で。  ー 「倒産」を巡る葛藤。

「インフレ」と「資金繰り」の狭間で。 ー 「倒産」を巡る葛藤。

 ”7/20 米最大手EVメーカーのテスラ社は2022. 4〜6月に保有するビットコイン(BTC)の75%を売却”

 「あのイーロン・マスクでも "資金繰り" に苦労してるんだな...」

 折しもツイッター社買収でゴタゴタしており、BTC売却によってテスラが手にした「お金」は9.36億ドル ≓ 1,300億円。6月末時点の保有残高は2.18億ドル ≓ 300億円へ減少している。通りで相場があん

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「国債・無制限指し値買いオペ」はマーケットの ”最後の貸し手” ? - 「円」を犠牲にして唯一人「過剰流動性」を供給し続ける日銀。

「国債・無制限指し値買いオペ」はマーケットの ”最後の貸し手” ? - 「円」を犠牲にして唯一人「過剰流動性」を供給し続ける日銀。

 しばしば中央銀行は ”最後の貸し手” (Lender of last Resort)と呼ばれたりする。 ”金融危機” など「お金」が目詰まりを起こした時に「緊急貸出」などで銀行に流動性を供給するからだ。

 世界中が「インフレ騒ぎ」になり一斉に「利上げ」「金融引締」で "火消し" に動く中、颯爽と "薪" をくべる国が2つある。日本とトルコである。後者は「インフレには利下げ」という独特の ”エル

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「弱いところを攻めろ!」 Ⅱ。ー リスクは「金利」から「信用」へ。

「弱いところを攻めろ!」 Ⅱ。ー リスクは「金利」から「信用」へ。

 「弱いところを攻めろ!」 ー 「資金繰り」が決め手の「信用格差」。|損切丸|note の続編。

 米国債の本格的売り相場に引っ張られるグローバル市場。これだけ「金利」がドタバタ動くのは久しぶりで何だか懐かしいが(苦笑)、実は「金利」の "中身" が変化してきている。

 標題に添付したのはアメリカの「高金利債券」にあたる「ジャンク債」の金利推移だが、2022年に入り一気に@5%超に金利が急騰(

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買い向かう「日本人」の「円安デモクラシー」 Ⅱ。ー 「円安は投機」の嘘。

買い向かう「日本人」の「円安デモクラシー」 Ⅱ。ー 「円安は投機」の嘘。

 買い向かう「日本人」の「円安デモクラシー」。 ー ”Trend is NOT Friend !” |損切丸|note の続編。

 「最近売られた後戻すなあ...」

 昨日(7/15)もそうだったが、NYダウもナスダックも下値でしっかり買いが入る。確かに7月FOMCの「利上げ」予報は+1.0%が消えて+0.75%に落ち着いてきた ↓ が、株価が+2%も反発する理由としては弱い。

 そこで「損

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このままでは「円」の「信用」がボロボロになる Ⅱ。ー 注目の参院選、与党圧勝に終わって...。

このままでは「円」の「信用」がボロボロになる Ⅱ。ー 注目の参院選、与党圧勝に終わって...。

 このままでは「円」の「信用」がボロボロになる。|損切丸|note の続編として。与党圧勝に終わった参院選直後の2つの発言が気になった。

 ①黒田総裁@日銀支店長会議:「(必要があれば)躊躇なく追加緩和」

 世界的「インフレ」の最中、「追加緩和」の発言には驚いた。これでドル円はあっという間に@137円台。安倍前首相が銃撃され ”後ろ盾がなくなった” との見方も浮上する中、ご本人のプライドなのか

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「テスラ」とBTCとWTI。ー 「過剰流動性」はどの程度影響していたのか。

「テスラ」とBTCとWTI。ー 「過剰流動性」はどの程度影響していたのか。

 標題添付のチャートが何かすぐお判りの方はかなり米株に詳しい。そう、何かとイーロン・マスク氏が話題の「テスラ」だ。業績など色々取り沙汰され、2019年末に@86ドル程度だった株価は2021年11月には一時@1,200ドル台まで急騰。まさに ”時代の寵児” の趣だが、それでもトヨタなど日本の自動車メーカー全部の株式時価総額を上回ったのは "異常" だ。

 PERなど専門的分析を加えるともっと正確に

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ドル ≓ ユーロ ≓ ポンド > 円に?

ドル ≓ ユーロ ≓ ポンド > 円に?

 ユーロ円がドル円と同じ価格になる日。|損切丸|note から2年以上かかったが、再度ユーロがパリティ(1ユーロ=1ドル)に近付いている。1992年の欧州通貨危機、ポンド離脱など難局を乗り越えて1999年に発足した当時が@1.1300程度。その後2002~2003年の一時期パリティ割れになったが、それ以外は一貫してドルより高いレートで推移してきた。

 特にドイツがメルケル首相(2005~2121

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「ルーブル」の ”リアル” Ⅲ。ー 全力で繕ってきた「プロパンダ」も限界? ガスプロムの「無配転落」が示唆する事。

「ルーブル」の ”リアル” Ⅲ。ー 全力で繕ってきた「プロパンダ」も限界? ガスプロムの「無配転落」が示唆する事。

 続・「ルーブル」の ”リアル” 。ー 人民元安、インドルピー安による「隠れルーブル買介入」。|損切丸|note の続編として。

 前回FOMC前後の米国債の乱高下以降、 ”見落とし” がないよう目を皿のようにして(苦笑)マーケットを横断的に注視してきた「損切丸」。QTによる「量」の減少に伴い、焦点はナスダック → ビットコイン → WTI(原油価格)に移ってきているが、2022年の ”最強通貨

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「インフレ」攻防戦。ー 「金利」「通貨」「株」を犠牲にする "覚悟" はあるのか。

「インフレ」攻防戦。ー 「金利」「通貨」「株」を犠牲にする "覚悟" はあるのか。

 WTIの長期チャート ↓ を見ると、今非常に際どいラインで攻防戦が行われている。@110ドル近辺はまさに「天下分け目の戦い」。2011~2015年、強固に上値をブロックされた価格帯であり、需要減退ラインとも読める。

 各国政府は明らかに "覚悟" を試されている。特に「インフレ」の震源地アメリカでは、ウォール街を中心に「リセッション運動」を起こしており、米政府は「株価」を人質に取られた状態。米

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「お金」は「中国」から「日本」へ? Ⅱ ー 「人」も国内回帰へ。

「お金」は「中国」から「日本」へ? Ⅱ ー 「人」も国内回帰へ。

 「お金」は「中国」から「日本」へ? ー 「円安」を利することができるか。|損切丸|note の続編(標題添付は日中不動産価格の推移)。

 ”複合機” とはいわゆる ”コピー機” のことだが、またぞろ中国が「無理」な要求をしてきている。「無理」といっても、向こうは「どうせ断れないだろう」という算段のようだが、ここは日本も正念場だ。

 「分断」に向かう世界 Ⅲ。ー 金利から見る「ドルからちぎれた

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