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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2022年3月の記事一覧

ヨーロッパが来た! ー 「さよなら低金利」(但し日本は除く?)。

ヨーロッパが来た! ー 「さよなら低金利」(但し日本は除く?)。

 ヨーロッパ=ユーロの国債金利上昇が激しい。2021年前半まであれ程頑なに「インフレは一時的」と言い放っていたのが嘘のような変貌ぶり。変化の背景にあるのは、やはりエネルギー価格の高騰。事実3月のCPI(年率)は欧州各国で軒並み急伸 ↓ 。もはや "緊急事態" レベルである。

 ドイツ  @+7.3% ← 2月@+5.1% (変化+2.1%)
 フランス @+4.5% ← 2月@+3.6% (変化

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止まらない「円安」。ー 一体日銀はどこまで "我慢"(?)するのか?

止まらない「円安」。ー 一体日銀はどこまで "我慢"(?)するのか?

 「円安」が止まらない。ドル円を見る度に▼1円ずつ「円安」に。単一民族国家・日本の特性でもあるが、一度動き出すと止まらなくなる。問題は政府・日銀が全くの無策であること。ちょっと怖い現象だ。

 ご存じのようにドル金利は上昇に拍車が掛かっている。マーケットは既にFRBによる@3~3.5%までの「利上げ」を織り込みペースも加速 ↓ 。

 それどころか、ご丁寧に(苦笑)先行きの「景気減速」まで織込み始

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「利上げ」予報 @3/25/2022。

「利上げ」予報 @3/25/2022。

 3/25の「利上げ」予報をお伝えします。

 【アメリカ】

 ・大型で強い「インフレ・ハリケーン」は各地を暴風雨圏に巻き込みながら勢力を拡大中です。引き続き物価上昇被害の拡大が懸念されます。

 ・今後「利上げ」低気圧は急速に発達し、年内のFRBによる「利上げ」予想は@3%に達しつつあります。

 ・5~10年の「逆イールド」(短期金利>長期金利の逆転現象)は更に進み、金利差は▼0.08%まで

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逃げ出す「お金」。向かう先は...。

逃げ出す「お金」。向かう先は...。

 「損切丸」は銀行(それも結構大手)の「資金繰り」担当という、やや特殊な仕事に就いていた。足りない「お金」を言われた通りに日々調達するだけ、という働き方も可能(他の外銀・東京支店はほぼそう ← 日銀担当者談)だが、それでは面白くない。だから「お金」がどう動いているのか、フローを追うのが習慣になった。その界隈では ”変わり者” らしい(苦笑)。

 「大金」(5,000億~兆単位)が動く代表例が「株

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突っ走る「金利正常化列車」。ー 米国債では「逆イールド」が進行中。

突っ走る「金利正常化列車」。ー 米国債では「逆イールド」が進行中。

 いよいよ「金利正常化列車」が突っ走る気配。世界中で国債金利が一斉に上昇し始めた。10年はイタリアが@2%乗せ、オーストラリアも近年高値の@2.7%台に乗せ。ドイツの@0.5%、フランスの@1%も目前である。

 この金利上昇をリードしているのが米国債。こちらは典型的「利上げ初期」相場であり、「利上げ」開始と同時にシナリオがどんどん変化している。2年債は@2%を超えたと思ったら、あっという間に@2

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2022年「金利」の "Conundrum" (謎)。ー 株高を支援する「イールドスプレッド」。

2022年「金利」の "Conundrum" (謎)。ー 株高を支援する「イールドスプレッド」。

 標題添付の「米国債FF~30年」のイールドカーブを見て頂きたい。2021年7月がこれ ↓ だから、いかに金利が動いているか、お判り頂けよう。その中でも特筆すべきなのがイールドカーブの「形状」の変化。

 通常、期間の長い金利が短いものを上回る「順イールド」が形成されるが、この1年のように「利上げ」サイクル初期では短期金利の上昇が大きくなるため、イールドカーブは平坦化=「フラットニング」する。

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FOMC、一夜明けて。ー 日本は "激震" なのにマーケットには "春の陽気" ? 

FOMC、一夜明けて。ー 日本は "激震" なのにマーケットには "春の陽気" ? 

 「あれっ、何か揺れてないか」

 いやぁ、昨夜(3/15)の地震は驚いた。あの揺れがどんどん強くなって迫ってくる感じ。3.11以降、規模の大きな地震は感覚でわかるようになったが、1回目の大きな揺れで一旦止んだと思ったら、すぐに "激震" 。東京でもかなり揺れたが、郡山(福島県)の母に電話で連絡が取れて聞いたら、「神棚が ”吹っ飛んだ” 」と表現していたからかなりの揺れだったのだろう。他にも色々

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人民元やインド・ルピーは「ルーブルの避難回廊」になり得るのか。 ー 「通貨安」と「ドル建債務」の問題。

人民元やインド・ルピーは「ルーブルの避難回廊」になり得るのか。 ー 「通貨安」と「ドル建債務」の問題。

 激しい「お金」の戦争が続く中、「独裁主義」陣営にも支援の動きが見られる。道義的な観点は別にして、ここは「損切丸」らしく「お金」やマーケットの観点から考察を加えてみよう。

 まずは「原油購入」の話。

 「お金」の面を考えると、例えばインドなら代金を払う側となる。問題は何の通貨で払うのか。当然インドはルピーを主張するだろうが、そうすると受け取った側は即座にルピーを為替市場でドルやユーロに換える。

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続報:中国に異変? 着実に進む「お金」の「中国離れ」。

続報:中国に異変? 着実に進む「お金」の「中国離れ」。

 ↑ 標題にブルームバーグ社の "Dragon China Index" チャートを引用させて頂いたが、何と2020年の高値から▼70%以上も下落しているという。香港ハンセン指数は昨日(3/14)の▼1,000.ー以上の下落に続き、今日(3/15)もオープニングから▼800.-以上下落。あっという間に@19,000.-を割り込みひどい有様。だがこれも大きな流れの中の1つに過ぎず、「お金」の「中国離

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中国に異変? 急落・低下に転じる中国株・中国国債金利。

中国に異変? 急落・低下に転じる中国株・中国国債金利。

 3/14 ハンセン指数が▼1,000.ー以上下げ(▼5%)、@19,500.ー 台に急落、上海/深圳CSI300も▼3%下落( ↑ 標題)。一義的には感染拡大が伝えられ各地でロックダウン措置が取られたことがきっかけだが、先週▼4%余り急落したドイツDAXと同等のショック。 「 "高金利" には気をつけろ」。ー 中国不動産と地方政府の「自転車操業」。|損切丸|note で述べた「不良債権問題」→「

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”おかしな米国債イールドカーブ”。ー 5年債 ≓ 10年債 ≓ @2.0%?

”おかしな米国債イールドカーブ”。ー 5年債 ≓ 10年債 ≓ @2.0%?

 「共感疲労」

 何が本物の情報かも掴めない中、悲惨なシーンばかり見せられていれば誰でも精神的に疲れてしまう。おまけに「共感」したからと言って何かできるわけでもない。申し訳ないと思いながら、戦況は客観的情報に留め、今後はマーケット全体の動きの方に重きを置いていく。

 さていよいよ3/16にFOMCを控え、「歴史的転換点」に立ち会う場面が迫ってきた。ここでおかしな米国債イールドカーブが出現してい

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ECBも「インフレ>金融危機」に転換。ー 「量的緩和縮小」を前倒し。

ECBも「インフレ>金融危機」に転換。ー 「量的緩和縮小」を前倒し。

 「あれっ、ブンズ(ドイツ国債)急に利回り上がったな」

 3/10にECB理事会があることは知っていたが、正直まさかこの状況で「引締め」方向の決定が下されるとは想定していなかった。 ↑ この発表後、DAXの反落(昨日+8%も急騰した反動だから止む得ない)などで買い戻されていたドイツ10年国債金利は@0.18% → @0.27%に反転。”懐事情” の厳しいイタリアやギリシャの影響は甚大で、+20B

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FRB「利上げ」の足を止める「デフォルト・リスク」。 ー 鍵は「資金繰り」。

FRB「利上げ」の足を止める「デフォルト・リスク」。 ー 鍵は「資金繰り」。

 ECB:「ズベルバンク・ロシアの完全子会社 "ズベルバンク・ヨーロッパ" および同社のクロアチアとスロベニア部門が破綻しているか破綻しそうだ」「地政学的緊張による風評被害の結果、多額の預金流出が発生し、流動性ポジションの悪化につながった」→ いわゆる ”取り付け”

 このニュースを見てちょっと驚いた。中央銀行が他国に属する銀行の破綻についてこんなにあからさまに公表するのを見たことがない。例えば

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