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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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#読書の秋2022

日本人の9割に英語はいらない (成毛 眞)

日本人の9割に英語はいらない (成毛 眞)

(注:本稿は、2013年に初投稿したものの再録です)

 いつもの図書館の新着図書の棚で見つけた本です。
 私は英語が全くダメなので、タイトルに反応してしまいました。著者が成毛眞氏であることも気になった原因のひとつです。

 意図的だとは思いますが、かなりセンセーショナルな内容で成毛さんの筆が踊っていますね。
 まずは、「まえがき」で明確な著者のメッセージが開陳されています。

 著者は、英語を勉

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海賊とよばれた男 上・下 (百田 尚樹)

海賊とよばれた男 上・下 (百田 尚樹)

(注:本稿は、2013年に初投稿したものの再録です)

 評判になった本なので手に取ってみました。

 主人公は、石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造。石油元売会社出光興産の創業者である出光佐三氏がモデルとのことです。

 物語は、太平洋戦争敗戦の瞬間から始まります。
 戦前から石油販売を生業としていた国岡商店は当然のように倒産の危機に陥ります。どん底からの再生、その苦しい中、店主の国岡鐵造はただ

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希望のつくり方 (玄田 有史)

希望のつくり方 (玄田 有史)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 いつも行く図書館の書架で目についたので手にとってみました。玄田有史氏の著作を読むのは初めてです。

 本書は、個人を取り巻く社会のありようと希望との関係に注目する「希望学(希望の社会科学)」の入門書です。

 先の東日本大震災以降、「希望」を扱う著作が数多く出されましたが、この本の発行は2010年10月なので震災前。当時は、長引く不況を背景

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政治の修羅場 (鈴木 宗男)

政治の修羅場 (鈴木 宗男)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 衆議院議員選挙・東京都知事選挙と選挙月間の12月、妻が読み終わったというので、私も手にとってみた本です。

 鈴木宗男氏、正直なところ私はあまりいい印象は持っていないのですが、“政治玄人”の評価は高いですね。
 いろいろな点でちょっと気になる政治家ですし、本書は、鈴木宗男氏本人の筆によるものなので、それも興味を惹いた理由のひとつです。

 

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恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八篇 (菊池 寛)

恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八篇 (菊池 寛)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 先に読んだ池内紀氏の「文学フシギ帖」で菊池寛氏の作品として「入れ札」が紹介されていたので、興味を抱き手に取ってみました。
 「恩讐の彼方に」などストーリーを知っているものもありますが、恥ずかしながら菊池寛氏の作品そのものを読むのは初めてです。

 本書に採録されているのは、「恩讐の彼方に」はもちろん、「忠直卿行状記」といった代表作に加え「三

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Think Simple ― アップルを生みだす熱狂的哲学 (ケン・シーガル)

Think Simple ― アップルを生みだす熱狂的哲学 (ケン・シーガル)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

Think Brutal 著者のケン・シーガル氏は、アップルの印象的なキャンペーンである「Think Different」に携わった有名なクリエイティブ・ディレクターです。

 そのシーガル氏が、アップルの様々な経営姿勢に通底する「シンプル」という哲学を豊富な具体例を示しながら紹介していきます。

 本書では、10の章でアップルの「シンプル」

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「善人」のやめ方 (ひろ さちや)

「善人」のやめ方 (ひろ さちや)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 ちょっと気になったタイトルだったので手に取ってみました。ひろさちやさんの本は初めてです。

 本書を読んで興味深かったのは、仏教の教えとサマセット・モームが著した小説の主題とを関連付けて自説を語っているくだりでした。
 そこで取り上げられたモームの小説は「人間の絆」、その主人公はフィリップという青年です。

 「無意味」というのは「無価値」

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ラジオのこころ (小沢 昭一)

ラジオのこころ (小沢 昭一)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 小沢昭一さんの本は、「道楽三昧―遊びつづけて八十年」に続いて二冊目です。

 本書は、40年にも及ぶTBSラジオの名物番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」で語られた話題の中から、小沢氏自らが厳選したセレクションとのこと。取り上げられてた材料はまさに種々雑多?、その料理の仕方も多種多様です。

 もちろん、小沢さんの語り口も絶妙なのですが、その

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文学フシギ帖 ― 日本の文学百年を読む (池内 紀)

文学フシギ帖 ― 日本の文学百年を読む (池内 紀)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 いつも行っている図書館で目についた本です。
 池内紀氏の著作を読むのは「世の中にひとこと」に続いて2冊目です。

 日本文学の素人向けの入門書のような内容を想像していたのですが、実際には、著名な作家や有名な作品を材料にした池内氏得意のエッセイでした。
 その中からいくつか印象に残ったところを書き留めておきます。

 まずは、歌人与謝野晶子を

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今日、ホームレスになった ― 13のサラリーマン転落人生 (増田 明利)

今日、ホームレスになった ― 13のサラリーマン転落人生 (増田 明利)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 妻が図書館で借りていたのですが、ちょっと内容が気になったので読んでみました。

 2006年発行の本なので、紹介されている多くは、バブル崩壊を契機としたリストラ等で失業した方のレポートとなっています。

 40歳代後半から50歳代になると再就職といってもとても厳しく、これといった落ち度がなくてもホームレスという境遇に陥ってしまう。著者はそう

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落語論 (堀井 憲一郎)

落語論 (堀井 憲一郎)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 会社近くの図書館の書架で目についたので読んでみました。

 私は、まあまあ落語が好きな方だと思います。
 基本的には上方落語、四天王と言われた六代目笑福亭松鶴・三代目桂米朝・三代目桂春團治・三代目桂文枝各師匠や二代目桂枝雀師匠がお気に入りですが、最近は東京落語、五代目古今亭志ん生師匠はもとより四代目桂三木助師匠・八代目桂文楽師匠あたりも聞き

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からくり民主主義 (高橋 秀実)

からくり民主主義 (高橋 秀実)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 単行本で出版されたのは10年ほど前、ちょっと古い本ですが、タイトルが気になったので手にとってみました。
 著者の高橋秀実さんはテレビ番組制作会社の勤務を経てフリーになったノンフィクション作家です。

 本書は、賛成・反対双方の声が渦巻くいくつかの社会問題の現場を訪れ、自らの眼と耳で取材した実相レポートです。そこには、テレビ等のマスコミで伝え

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<決定版> プロの仕事術 (「THE21」編集部)

<決定版> プロの仕事術 (「THE21」編集部)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 会社の昼休みに覗いた図書館で目についたので読んでみました。
 いわゆる「仕事術」をテーマに、大前研一氏・藤田晋氏ら著名なコンサルタント・起業家など20名の方々のインタビューをまとめたものです。

 タイトルには「仕事術」とありますが、具体的には、「考える技術と書く技術」「話す技術と聞く技術」「最強の営業技術」「最強の勉強術」「採用される人の

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妻と別れたい男たち (三浦 展)

妻と別れたい男たち (三浦 展)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 ちょっと心情的には複雑なのですが、妻が「ザッと読んだので」といって渡してくれた本です。
 ただ、内容は、かなり「?」なものでした。基本的には、首都圏1都3県在住の40~64歳の男性2201名へのインターネット調査をベースにした考察です。

 たとえば、こういった分析結果が書かれています。

 さて、この結果をどう評価しましょう。
 前述した

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