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#友達
「あかりの燈るハロー」第一話
プロローグ ゴウン…ガロン…ギ…ギギ…ギ。
ゴウン…ガロン…ギ…ギギ…ギィィ……。
やがて、観覧車は完全にその動きをとめ、遊園地にともされたはなやかな電飾も消えると、あたりを静けさが包みこんでいく。
耳をすませば、かすかに聞こえる波の音だけ。
あたしは歌う。
♪ ハウマッチウッド・ウッドアチャック・イファウッドチャック・クッドチャックウッド?
♪ ハウマッチウッド・ウッドアチャッ
「あかりの燈るハロー」第二話
第一章バイバイ、お母さん。ハロー、ハンデ。
(1)
あたしには最近好きなものができた。
それはメール。といってもケータイのじゃなくてパソコンのメール。あたしが使っているパソコンはとても型式の古いノートパソコンで、起動するのにびっくりするくらい時間がかかる。それによく途中で突然動かなくなってしまうし、書いていたメールが全部なくなってしまうことだってある。
電気屋さんに並んでいる、薄くて格好
「あかりの燈るハロー」第五話
第二章ハローワールドの住人
(1)
午前の授業が終わり、給食を食べ終えると、あたしは残りの休み時間を図書室で過ごす。
♪ ハウマッチウッド・ウッドアチャック・イファウッドチャック・クッドチャックウッド?
図書室へ向かう廊下で、あたしは鼻歌混じりに早口言葉を口ずさむ。
昔はお母さんとよく言葉遊びをした。ロンドン橋や十人のインディアン、ヒッコリー・ディッコリー・ドックなんかの言葉遊びも
「あかりの燈るハロー」第八話
第三章吃音という証明(1)
「茜、おはよう! 今日もよく眠れたかい?」
「……う、うん」
お父さんの声はいつもと同じに元気だったけど、どことなくさみしそうに見えた。
トースターが最近よくお目見えする山型のイギリス食パンを跳ね上げると、その勢いに助けられるようにしてあたしは口を開く。
なにかあったのかな……? と少しだけ心配になったから。
「……お、おおおーお父さんっわっ?」
「お父さん、昨
「あかりの燈るハロー」第十話
第四章最高の友だち
[夏休みまで一週間――]
あたしと朱里はすぐに仲良くなれた。
これはひとえに朱里のおかげ。とにかく朱里はなにかを聞き出すことがうまい。そしてどんどん話をさせる。聞き上手というのはこういうことをいうんだろうな。
たとえば好きな食べ物。朱里があたしに好きな食べ物はなに? と質問してくる。『オムレツ』と答えると次には、どんな固さのオムレツが好き? どこで食べたオムレツが一番
「あかりの燈るハロー」第十五話
第七章はーい! せんせー。
(1)
夏休みがすぐそこまで迫ってきてるって、セミの鳴き声が教えてくれそうな暑い日の朝、始業チャイムとともに教室に入ってきた安西先生の後ろに、男の子が立っていた。
「おーい、おまえたち座れー。まったく蝉にも負けないくらいうちのクラスは元気だな」
先生はあたしたちを鎮めると、黒板に大きな字で、「古賀篤仁」と書いた。
教室がざわつく。
「静かに! もうすぐ夏休みだけ
「あかりの燈るハロー」第二十二話
第十一章あたしがやりました。
(1)
Re.ハローワールド
『朱里、おはよう!
今日から短縮授業。はやく帰ってこれるよ!
そして今日からは、あたし思いっきり失敗するつもり!
帰ってきて元気がなかったら、またはげましてね!』
朝のメールを送るとパソコンを閉じ、手さげかばんを持ってリビングにおりる。お父さんは、今日もフライパン片手にトーストを焼く。わたわたしているのもいつもと同じ。
「お
「あかりの燈るハロー」第二十三話
あたしがやりました。
(2)
先生のお説教が延々と続く。古賀くんも大和もまるで上の空。ぼーっと天井をながめては、「おい! お前ら聞いているのか⁉」なんて、先生の喝が飛んでくる。
かなえは先生が口を開くたびに食ってかかり、正当性を主張するものだから、安西先生のお説教は蛇行運転する車みたいに、ぐねぐねと話がそれてばかりだった。頭の回転が早いかなえに口げんかで勝てる子なんていない。かなえの猛口撃に
「あかりの燈るハロー」第二十四話
第十二章お父さんの恋人
(1)
がらんとする家の中に入る。お母さんの笑顔にただいまのキスをし、自分の部屋にあがる。今日はいろんなことが起こりすぎて、とても半日とは思えないほどみんなであれこれやっていた気分だ。
実際に先生にお説教を受けてたから半日じゃないけど……。小学校生活の中で、たった半日で二回も職員室に呼び出されたのも初だ。
お父さんが聞いたらなんていうかな?
部屋に入ってパソコン
「あかりの燈るハロー」第三十一話(最終話)
Extraordinary♭ ポロン♭
《 to the world... 》
ううん、今日も一番好きだよ!
でも明日はもっと好きになるの!
だから毎日が一番になるの!
明日は今日よりもっと好き!
(おわり)
dedication
――あなたへ。
《了》
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