メインビジュアル【秘めた想い】
今回は、卒業制作で制作した『“古の歌人”による翻訳』という冊子の表紙のビジュアルについて、解説していこうと思う。
冊子についての解説はこちら▼
このビジュアルのタイトルは「秘めた想い」。
昔の人は自分の恋心を隠すのが当たり前であったり、直接顔を見られない状態での恋もあったというところから、「秘める」ことをテーマに制作した。
髪の毛や宝箱によって想いを隠している様子。
内に秘めた想いが「和歌」として、宝箱から溢れ出ていく様子。
「和歌」という形で表現することで、時代を超えて、現代の私たちにまで受け継がれてゆく。
「宝箱」を開くことで、それぞれの「恋心」が花開いてゆく。
こんなに素敵なことって、あるのだろうか。
ビジュアルに使用した和歌は、すべて冊子の内容からピックアップしたものである。
君がため 惜しからざりし いのちさへ
長くもがなと 思ひけるかな
(『百人一首』50番 / 藤原義孝)
忘れじの ゆく末までは かたければ
今日をかぎりの いのちともがな
(『百人一首』54番 / 儀同三司母)
あらざらむ この世のほかの 思ひ出会に
いまひとたびの あふこともがな
(『百人一首』56番 / 和泉式部王)
いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを
人づてならで 言ふよしもがな
(『百人一首』63番 / 左京大夫道雅)
あひみての のちの心に くらぶれば
昔は物を 思はざりけり
(『百人一首』43番 / 権中納言敦忠)
あふことの たえてしなくば なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし
(『百人一首』44番 / 中納言朝忠)
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