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#古典がすき

古典がすきだと感じたエピソード、学習の記録、勉強法など、古典にまつわる投稿を募集します!

急上昇の記事一覧

アナログ派の愉しみ/本◎嘉村礒多 著『崖の下』

「私小説」とは ひとつの詩の形式ではないか 大正から昭和の戦前・戦後を通じて、文学史上のいちばんのキイワードは「私小説」だった。それが平成を経て、令和の時代を迎えたいま、ほとんど死語に等しい印象があるのはどうしたわけだろう。ありのままの自己をさらけだす方法論が説得力を失ったのか、それとも、だれもかれも自己をさらけだすのが当たり前になって、ことさら「私小説」を標榜する必要がなくなったのだろうか。 その事情はともかく、わたしは「私小説」といわれると、条件反射的に嘉村礒多(

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『孫子の兵法』に学ぶX戦略⑤

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます♪ 私の記事では数回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております! 今回は、「『孫子の兵法』をX戦略に生かしたらどうなるか?」のオリジナル記事第5弾となります🌟 『孫子の兵法』とは何か?について特集した導入記事(無料)はこちらです。(過去記事のポイント解説はマガジン購入がお得です♪) まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってみてくださいね! 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生かせる古

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【漫画】『枕草子』ってどんな話? ー 猫、あてなるもの、香炉峰の雪 ー

清少納言の随筆『枕草子』。「春はあけぼの…」以外にはどんなことが書いてあるのでしょう? 清少納言の『枕草子』は中学・高校の古文の授業で必ず取り上げられる教材です。 「春はあけぼの…」が有名ですが、『枕草子』全体の内容は季節や自然にとどまりません。風物、風習、人物スケッチ、生活風景、宮中の日々、天皇や中宮、殿上人・公卿らとの交流等々、実に多くの人々が登場し様々なことが描かれています。 まだ“随筆“というジャンルのなかった時代に、清少納言が思いのままにつづった文章の集合体が『

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「切磋琢磨」。スキルや知識だけなく、「心を磨く」ことに真意あり―『論語』

「継続は力なり」につながる言葉  新人が職場に配属されるこの時期に、「継続は力なり」ということをスタッフに訴えたい。それにふさわしい『論語』の言葉を、研修でとりあげてもらえませんか。  企業のオーナーからのそんなリクエストに応じて、候補の言葉をいくつか挙げたところ、オーナーが選んできたのは、「切磋琢磨(せっさたくま)」でした。  現在では、互いに競い合って、技能やスキルなど高める意味で使われていますが、もともとは、学問や道徳、技芸などを磨き上げる「自己研鑽」を意味していま

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百三十五話

 第百三十五話  親心(十二) 宮の姫はのぼせてしまったように熱を出して寝込んでしまいました。 世間の風に当たらずかしずかれた純潔な姫君には匂宮の世慣れた毒々しい囁きは負担にしかならなかったようです。 中君もそんな様子を聞くにつけても妹が気の毒と思わずにいられないので、それと知らぬふりをして側に呼び寄せました。 「姉上さまにどのような顔をしてお会いすればよろしいのでしょう」 己を卑下して縮こまる姫君が労しくて乳母は優しく髪を撫でながら言い聞かせました。 「中君さまは何事も

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中国古典インターネット講義【第16回】『十八史略』『蒙求』~初学者のための歴史教材

前回は、『史記』と『資治通鑑』についてお話ししました。 今回は、『十八史略』と『蒙求』です。 『十八史略』『十八史略』の構成 『十八史略』の著者曾先之は、字は孟参、宋末元初の人です。 『十八史略』は、初学者向けの歴史教材です。太古の神話伝説の時代から南宋王朝滅亡までのことを記しています。 『史記』以下の「正史」は、人物の伝記を中心に構成する「紀伝体」で書かれています。 紀伝体の史書は、歴史の中の一人一人の人物について詳しく知るには優れた記述方法ですが、ある時代全体の

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百三十六話

 第百三十六話  親心(十三) 匂宮の振る舞いを聞きつけた母・常陸の守の北の方はとんでもないことと急ぎ二条院へとやって来ました。 このままここに置いて宮の姫が穢されては薫大将と娶わせるなど夢のまた夢と消えるように思われたからです。 すでに口さがない女房たちの噂にのぼっておれば、遠くない将来に薫君がそれを耳にすることもあろうかと思うと、たとい潔白であっても宮の姫を二条院には置いておけません。 「賤しい身でありながら、それを顧みずに中君さまのお手に縋ろうとしたあさましさをどう

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【貧しい家で育ったとしても、知恵や道徳を学べば、泥の中に咲く蓮のように生き生きとする】 お金がないなりにがむしゃらに努力して、自分の努力は間違っているのかなと、自分を疑うことはあると思います。でも、振り返れば一時の時間浪費が、長い目で見た時の糧になっていたりするんですよね。

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アラサーからの学び直し【古文への情熱】

ときどき私に起こる発作の一つ、「やっぱりちゃんと古文を読めるようになりたい」という気持ちの湧き起こりが、この頃とても強いです。 というわけで、実は最近ちょっと勉強頑張ってますねん(だからnoteの更新が落ちてますねん)、という話をば。 発作の原因は私の学生時代にあります。 当時、私は江戸時代を対象に研究していました。が、その実あまり古文が得意ではありません。とはいえ、卒論はともかく修論を書くにあたっては、一次文献(現代語訳ではなく、本人が書いたままの文章)を読まないという

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【文学紹介】(続き)明け方の茶店と青瓷の花 楊万里:道旁店

1:前回の続き前記事 【文学紹介】明け方の茶店と青瓷の花 楊万里:道旁店からの続きになります。 何気ないのスケッチに長けていた詩人、楊万里の作品を見ていきましょう。 2:道旁店【原文】 路旁野店両三家, 清暁無湯况有茶。 道是渠儂不好事, 青瓷瓶挿紫薇花。 【書き下し】 路旁の野店、両三家、 清暁湯無く、況(いはん)や茶の有るをや。 道(い)ふ是(これ) 渠儂(かれ)は好事ならずや、 青瓷の瓶に挿す、紫薇花。 【現代語訳】 鄙びた道のほとりに二、三の店が並んでいる 明

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頼山陽が見た「花の雨」(2)

【スキ御礼】 歳時記を旅する13〔桜〕後*上千本中の千本花の雨 西行が見た「花の雨」 秀吉が見た「花の雨」 芭蕉が見た「花の雨」 本居宣長が見た「花の雨」 頼山陽が見た「花の雨」(1) 前回母を連れて吉野を訪れて花に出逢えなかった頼山陽は、その8年後の文政十年(1827年)三月十八日、再び母を連れて吉野を訪れる。 今回は花に遅れてはならじと雨をついて出発し、二十日に吉野に着くと雨はようやく上がり、翌二十一日は晴れて満開の桜に会うことがことができた。 前回の八年前より十五

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『孫子の兵法』ポイント解説⑭「用間篇」情報収集の精度を高めよ

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます! 私の記事では数回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております! 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生かせる古典として、「ビジネスパーソン必読の書」と言われています。 『孫子の兵法』の存在を知ってはいたけど、実際には読んだことがない。 読んだことがあるけど、ちょっと難しかった。あまり頭に残らなかった。 そんなことにとっても分かりやすいポイント解説を心がけてみたいと思います。 今回が、本編の最後のポイントとな

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百三十話

 第百三十話  親心(七) 匂宮が参内の為に二条院を離れると、北の方は早速中君の元を訪れました。 やはりこの二条院の空気に触れた今となっては宮の姫こそこちら側の世界に相応しいように思われてならないのです。 「中君さま、こちらに参りましてわたくしはどれほど自分が取るに足りない存在か思い知りましたわ。宮さまのご様子の立派なこと。やはり尊い御方は違いますわねぇ」 中君はあからさまに褒める従姉妹の仕草が媚びて田舎じみているとは思いましたが、愛娘の為に必死なのであろうと笑んで応えま

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【演劇】メディア/イアソン

 2024年3月28日(木)に観劇した『メディア/イアソン』の感想を残したいと思います。  私は文章を書くのが遅い方です。記事にしていない作品の感想も結構あるのですが、最近は、短めでもよいから、残した方がよいのかなと思うようになりました。 ■公演概要(東京公演)期間:2024年3月12日(火)〜3月31日(日) 場所:世田谷パブリックシアター 上演時間:約2時間(休憩なし) 脚本:フジノサツコ 演出:森新太郎 出演:井上芳雄、南沢奈央、三浦宏規、水野貴以、加茂智里

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百三十四話

 第百三十四話  親心(十一) 右近の君から夫の情けない振る舞いを聞いた中君は深い溜息を吐きました。 「まったくどうして女人に関しての嗅覚があれほど優れているのでしょう。このようなみっともないことをされては姫を預けられた母君に申し訳ないわ。姫もどんな思いでいらっしゃるでしょう」 どうしてあの姫のことを嗅ぎつけたのか、中君は驚き呆れ果てております。 只でさえ美しい女人は見過ごすことが出来ずに仕える女房たちも端から手をつけるその所業はとても高貴な皇子の振る舞いとは思われません

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百三十一話

 第百三十一話  親心(八) 次の間では薫大将の御姿を一目垣間見たいと若い女房たちが色めき立っております。 「薫大将さまといえばこちらの匂宮さまと並び称される当代一の貴公子という噂ですもの。素敵な殿方なのでしょうね」 「あら、宮さま以上の御方なんてそうそうおられないわ」 こちらに来てすっかり匂宮に心酔した女房が反論するように、北の方もあれほど尊い御方を凌ぐ貴公子がそうそういるとは思われないのです。 ほどなくしてまず高貴な芳香が漂ってきたのを不思議に感じると、北の方はその主

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天皇だけが知る『古事記』冒頭の意味(現代語訳『古事記』では分からないこと 9)

■『古事記』冒頭の意味不明さ 原文(書き下し文)を読むと明らかなのだが、『古事記』は、冒頭すなわち書き出しの天地初発から、伊耶那岐命・伊耶那美命の二神の誕生までの部分だけが、以降の全体の文章とは異なったトーンで書かれている。 我々がよく知る『古事記』は、イザナキ・イザナミの天降りの場面からだが、詳細な意味はともかく、現代人の我々が読んでも、だいたいの意味を知ることができる。 上記の大意は、複数の天つ神が、イザナキ・イザナミに、ただよえる国をおさめ固め成せと命じて、天沼矛

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百二十九話

 第百二十九話  親心(六) 下の姫の婚儀が近づく頃には常陸の守はすっかり対の姫に遠慮をすることがなくなっておりました。 しまいには北の方が密かに集めた婚姻用の調度を横取りしようとするのです。西の対にやってくるとそこにある上等な調度品を舐めるように品定めして言いました。 「婚儀は一か月後と変更ないものでな、何分時間がない。こちらの対で少将さまを迎えることにする」 「こちらの姫はどうせよとおっしゃるのですか?」 「その辺の局におればよかろうが」 「なんという情けないことをお

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大河ドラマ「光る君へ」第16話~香炉峰の雪を振り返る

こんばんは、もちまるです。 今回は、大河ドラマの感想です。 ネタバレありますので、ご注意ください。 今回は、『枕草子』の「香炉峰の雪」の場面が出てきました。 「香炉峰の雪」といえば、高校の古典で出てきた場面ですね。 定子が、清少納言に向かって「香炉峰の雪はいかがであろうか」と問うと、清少納言は簾を上げる。 これは、白居易の詩「香炉峰の雪は簾(すだれ)を撥(かか)げて看る」の一節がもとになっているといいます。 とっさの定子からの問いかけに、すぐに白居易のことだと分か

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【徒然草 現代語訳】第百四段

神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。 原文荒れたる宿の人めなきに、女の憚ることある頃にて、つれづれと籠り居たるを、或る人とぶらひ給はむとて、夕づく夜のおぼつかなきほどに、しのびて尋ねおはしたるに、犬のことことしくとがむれば、げす女のいでて、いづくよりぞといふに、やがて案内せさせて入り給ひぬ。心細げなる有様、いかで過ぐすらんと、いと心ぐる

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