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夫婦ともども

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なんでもない夫婦の日常を書いてます。
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よだれブローチ

よだれブローチ

6月に息子が誕生しました。
日々いろんなことができるようになり、最近ではずり這いと、口先でよだれをブクブクと遊ばせる戯れを覚えました。今日も、一生懸命ブクブクしています。

親であるわたしもそんな彼の成長が楽しみで、知らない世界を見せてあげようと、色んなところに連れ回したり、まだ舐めたことがない素材があれば与えてみて世の中を味わってもらうようにしています。

あかちゃんマン!新しい素材よ!

そん

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義両親と仲よくなる努力の話

義両親と仲よくなる努力の話

このたび妻が臨月を迎えました。

お腹は大きく、腹囲98cm。かかりつけのお医者さんにはいつ生まれてきても大丈夫、と言われています。いよいよ、ですね。
彼女はひと月前から徐々に仕事を減らし、5月から正式に産休をとって埼玉県の実家に里帰りしていました。

そして今週からわたしも、妻の実家で居候生活をはじめています。お世話になる産院の規定で「出産の立ち会いは、同居5日以上の方 1名だけ」とされているた

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人間になって2年が経ちました。

人間になって2年が経ちました。

人間になって今日でまる2年。

ここ2ヶ月は「誰もおれに話しかけてくれるな」と念じながら、目の前の作業をひたすらこなす"作業マシン"に成り果てていましたが、先日夙川に咲く桜の花を眺めているときに人の心を取り戻シタカラ、モウ、ダイジョウブDEATHヨ。

「今日から3年生のあなた、来年の進路はどうするの?」
今朝、朝食のときに妻がわたしに聞いてきた。

不意の問いを「さぁ、、どうしようね。」とはぐら

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株式会社〇〇

株式会社〇〇

【この"〇〇"に入る言葉を答えなさい。】

ツナガリMusic Lab.を始めて丸4年経つこの春に、法人化すると決めた妻。
そんな彼女から課された「企業名のお題」を先延ばしにして、気づけば半年が過ぎていました。

あ、いえね。忘れてたわけじゃないし、お題に燃えなかったわけでもないんですよ。大事に、丁寧に考えるため、先に細かい仕事を片付けておこうと思っていたら、、季節は冬になっていたわけです。

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いくらを4つ集めて消す話

いくらを4つ集めて消す話

わたしは距離感をつかむのが苦手である。

一日に何度も足の小指を棚にぶつけるし、2日に1度妻の足を踏んでしまう。大切にしようと近づくと、相手を傷つけてしまうのだ。
「お嬢さん、お逃げなさい。」とは、
森のくまさんと、距離感がつかめない悲しい男のためにあるセリフである。

そしてもうひとつ。
距離感がつかめないわたしは頻繁に、食器をこわす。お皿を洗う際、パッ、パッと手首を利かせてお皿の水をきる。その

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プペルを観てきてポロリな話

プペルを観てきてポロリな話

昨日の夜、わたしは妻と、映画館にいました。

「・・・なんか。すごく、よかったよね。」
「そうだね。・・・すごかったね。」

ポップコーンとチュロスの残りを食べながら、しばらくの間ぼぅっと、スクリーンの席に座り込んで独り言のようにつぶやく。

観終わったばかりの「えんとつ町のプペル」について、とりとめもなく、一緒にみた者同士だから辛うじて通じる程度の、少ない言葉で感想を語りあっていた。

「キャラ

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靴を買いにいったけど冒険しなかった話

靴を買いにいったけど冒険しなかった話

「いい靴は、いい場所へ連れて行ってくれるらしいよ。」
妻がふいに、わたしの足元をみながら言いました。

「その靴では行けても、スパ水春かな。」
「そうか、水春好きだけどな、おれは。」
「わたしも好き。」

「でも、その靴じゃリッツ・カールトンには行けないでしょ?」

・・・
妻は話す時、よくリッツ・カールトンを引き合いに出します。
「リッツ・カールトンだったら、こんなメールは送らないよね?」
「リ

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エビを育てる話

エビを育てる話

あけましておめでとうございます。
2021年はなにか新しいことを始めてみたい、と思いまして10分でかけるエッセイ「つづきを読む」を書きます。初めて知ったことや、夫婦の"言った・言わない"を記録します。しばらくつづけてみます、飽きるまで。

今年の運勢は「吉」です。

・・・

昨夜、大晦日の晩。
突然「おせち料理をつくりたい」といって出かけた妻は、閉店間際のスーパーからクルマエビを買って帰ってきま

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京都へ出かけた話

京都へ出かけた話

『そうだ京都、行こう。』

シルバーウィーク3日目の朝、目覚めとともにふと思った。
窓の外は京都にちょうどいい気候。持て余した時間も元気も、愛も勇気も希望もすべてが京都にむき始めた。

「その日にならないと気分はどうなるかわからないからな〜」
と言い訳をしていつも先の予定を立てないのおで、ゴールデンウィークもお盆休みも、特にスペシャルがないまま終わってしまった。2アウト。

そしてこのシルバーウィ

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自転車屋に行ってきたお話

自転車屋に行ってきたお話

我が家のケッタマシーン1号と2号とは、かれこれ4年の付き合い。

当時、とにかくオシャレな生活を夢みていた新婚の夫婦は、三宮でみつけた2台の自転車に一目惚れしました。

「この自転車を自由が丘でちょい乗りしたら、きっとそれがシティでポップでめっちゃナウい!!」

2人はその場で自転車を即購入し、汗だくになりながら我が家へ乗って帰りました。

当時住んでいた「いかなごのまち・垂水」の築50年の賃貸で

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皿を洗いつづける話

皿を洗いつづける話

”ちょうど”21点になる日。

その日わたしは一日中、くすぐったくて、静かなワクワクした気分が続いていた。晩ごはんが肉じゃがと知ったときのような、世にも奇妙な物語が放送される日のような、静かな期待感。

〜何かいいことがおきるかもしれない〜

仕事を終え家に帰ると、妻はにやにやしながら待ち構えていた。
彼女はソファに寝転んだまま言う。

「ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・お皿洗う?」

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夫婦でマンゴー食べる話

夫婦でマンゴー食べる話

仕事終わり。家につくとすでに消灯していて、中はまっくら。

先に寝ている妻を起こさないようそっと部屋へ。
せめてお風呂には入ろうと思って服を脱いでたら、見慣れない箱に足をぶつけた。

「あいて。なんだこりゃ。」
「・・・ヤンさんから」

真っ暗な部屋の奥から、おそらく目をつむったままの妻が、かぎりなく省エネで返事をした。

「・・・タイワン・・・マンゴー」
「へ?」
「ヤンさんから、台湾のマンゴぉ

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無口な父の話

無口な父の話

こんにちは。武藤崇史(d_tsunagari)です。

昨日は父の日でしたね。
だから、というわけでもありませんが、この週末は地元の知多へ帰省して、実家の両親と一緒に過ごしてきました。

土曜の昼頃に実家につくと、ちょうど父が洗車をしているところでした。

「ただいまる。」
「おぉ。」

一言挨拶を交わすと、まるで関心がないように、息子に背をむけて再び車のボディをこすりはじめる父。

言葉少ないこ

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まるい母の話

まるい母の話

こんにちは。武藤崇史(d_tsunagari)です。

昨日は母の日でした。
うちは妻が用意してくれたギフトに、短い手紙を添えて贈りました。

「プレゼント届きました、ありがとう。」
当日の朝、母からLINEがきてました。

「いつもありがとう。大事につかってね。」
と返事をしました。

あとで妻に確認すると、中身は神戸の洋菓子だそうです。

わたしの母はやさしく、天然と持ち前の明るさで家族を笑顔

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