見出し画像

自転車屋に行ってきたお話

我が家のケッタマシーン1号と2号とは、かれこれ4年の付き合い。

当時、とにかくオシャレな生活を夢みていた新婚の夫婦は、三宮でみつけた2台の自転車に一目惚れしました。

「この自転車を自由が丘でちょい乗りしたら、きっとそれがシティでポップでめっちゃナウい!!」

2人はその場で自転車を即購入し、汗だくになりながら我が家へ乗って帰りました。

当時住んでいた「いかなごのまち・垂水」の築50年の賃貸では、
決して自由が丘のような暮らしにはなりませんでしたが、たしかにその自転車たちは生活に彩りを添え、自然と姿勢をただしたくなるようなオトナな気持ちにさせてくれました。

・・

そんな愛車も4年もたつとかなりの年季が。

1号(妻愛用)は
「✗ブレーキがきかない」「✗カゴが錆びてる」「✗スタンドがぐらつく」などなど、安全面でもかなりの問題児に。

先日優等生の2号(わたし愛用)のタイヤがパンクしたので
「今こそ愛車を若返らせよう!」と夫婦そろって、自転車屋へ行ってきました。

画像8

妻はブレーキのきかない自転車にまたがって。
わたしはパンクしちゃってるので自転車をひっぱって駆け足で、妻と並走します。

画像3


画像1

自転車にのること(乗らずにひいて走り続けること)25分。
最寄りの自転車屋「リンリン」に到着。

「すみませーん。ぼくのオシャレ自転車がパンクしちゃって。」
「・・・あーこれはだめだ。タイヤ替えよう。白はないけどいいね?」

無駄のない、端的なもの言いで大事なことだけ告げられる。信頼できる。

「え。白ないんですか?一応色味も気にしてて、、。」
「白はないよ。それに黒の方がタイヤは強いから。いいよね?」

これは答えが決まってるのだ、と悟ったわたしは
タイヤが黒になっても、、いや黒こそきっとオシャレだ。と自分に言い聞かせて「ワカリマシタ」と店員さんへ伝えた。

わかりましたと伝えたあとも、
片目をつぶったり、一部を手で隠したりしながらオシャレに生まれ変わる愛車を想像したけれど、、ダメだ。ぜんぜん想像つかない。
やっぱり白のタイヤを取り寄せたほうがいいのでは。でも黒の方が強いって言ってたし。。

そうウダウダと考えているうちにも、手際よく淡々と、タイヤ交換はすすんでいった。

画像4

画像5

「☆%!?・・・カッコイイジャン」
とりあえず声をしぼり出して愛車をほめてみた。
言葉通り”とってつけた”ような黒タイヤへの違和感が、すこしやわらいだ気がした。

「アシンメトリーな感じが、チグくてハグくて、イカシテル。」
そうそう。あえて色ちがいにしたんだ、と自分に言い聞かせるとそんな気がしてきた。

「これで世界に一つだけになったね。」妻がフォローを入れる。
「!!」そうだ、これで唯一になったのだ。

もう大丈夫。生まれ変わったヘンテコな愛車が特別にみえてきた。
よくみりゃかわいい。これからよろしく。
と後輪にふれると、あれ。タイヤ表面の硬度が全然ちがう!
たしかに言われた通り強くなってる!!

タイヤが黒い理由
タイヤに使われるゴムには、カーボンブラックと呼ばれる黒い炭素の粒が含まれているからです。カーボンブラックは、黒色の着色材として、印刷インキやトナー、マスカラなどにも使われおり、カーボンブラックを混ぜることで黒いゴムができます。耐摩耗性、耐衝撃性、耐候性(紫外線)が強化されます。
引用)https://www.bridgestone.co.jp/corporate/technology/basics/tire_color/


画像6

画像7

妻の愛車は、妻自身が選んだ頭でっかちなカゴがついた。かわいい。

見えないけれどブレーキも修理してもらい、止まれる自転車に生まれ変わった。スタンドは修理のお願いし忘れてぐらつくまま。

「ありがとうございましたー。」

と店員さんへお礼を告げ、記念撮影したい気持ちをガマンして、閉店時間をとっくすぎてるリンリンをあとにした。

帰り道。
坂を下りながら上機嫌に妻がいった。

「色々やってもらったけど、一番うれしいのはサドル高くしてもらったことだなー。スカートが巻き込まれないし、超うれしい!」

ほんとにうれしそうだったので「よかったね」とだけ伝え、
それは自分でやりなよ、とは言わなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?