エビを育てる話
あけましておめでとうございます。
2021年はなにか新しいことを始めてみたい、と思いまして10分でかけるエッセイ「つづきを読む」を書きます。初めて知ったことや、夫婦の"言った・言わない"を記録します。しばらくつづけてみます、飽きるまで。
今年の運勢は「吉」です。
・・・
昨夜、大晦日の晩。
突然「おせち料理をつくりたい」といって出かけた妻は、閉店間際のスーパーからクルマエビを買って帰ってきました。
半額の値段を勝手につけられた哀れなクルマエビ。なむ。
早速、下ごしらえで背わたをとりのぞこうと蓋をあけたそのとき。
バシュっ!とエビが飛び跳ねた。そう生きていたのです。
「コワイからあなたが捌いて」
「いや、おせち作りたいのはあなたやろ」
「ううん、人生の経験としてあなたはやったほうが良いと思う」
「おれもあなたに逃げない習慣を身につけてほしい」
一生懸命生きようとしてるエビの前で、醜いなすりつけ合いを繰り返す夫婦。そんな2人が最後に出した答えは「食べずに育てましょう」でした。
翌日の今日元旦。
エビの水槽をつくるために、ドン・キホーテまで買い物に出かけました。
出かける前に調べたこと
・海水は、水道水のカルキ抜きを行ったあと、塩を溶かして作る
・水槽には砂利を敷いて、クルマエビが潜って隠れられるように
・ろ過装置は海水対応してるものを使用
・エアポンプは酸素の溶存酸素量を増やすために要る
新しい家族を迎え入れるための買い物は、元旦にふさわしく、気持ちが高鳴る気分でした。
「正月から気分がいいわね」
「昨日まで【えび 生きてる 殺し方】で検索してたのに、ね。」
と笑い合う夫婦は、きっと爽やかすがすがしい。育てると決めてよかった。
帰り道中に「エビ吉」「エビ丸」「エビ蔵」と名前を決めました。
「ただいまー・・・あれ。」
帰宅すると、さっきまで元気だったエビたちの様子が...もうほとんど動かない虫の息でした。
「か、か、海水に入れたら動き出すかもしれない」
海水の水槽を大急ぎで用意し、エビたちを放り込みました。
それでもなかなか元気になりません。
とりあえず今日のところは一晩様子を観察してみます。
死んでしまったら美味しく食べるつもりですが、、今はとにかく生きてほしい。ああ、ソワソワする。
エビたちが食べるように、ちくわもひとつ水槽に沈めておきました。
(追記)
次回予告 「結局エビを食べた話」
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