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陰謀論・神真都Q・反ワクチン

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コロナ禍の混乱を象徴する陰謀論、陰謀論集団、反ワクチン論についての整理と分析
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#陰謀論

論破と嘲笑のあとに何が残されたのか──陰謀論者対応の実態

論破と嘲笑のあとに何が残されたのか──陰謀論者対応の実態

記事執筆中に能登半島地震が発生しました。人工地震などの陰謀論が、あの人たちによって盛大に語られました。このできごとと重ね合わせて読んでもらえたら幸いです。

はじめに 深みにはまった陰謀論者の家庭は、まるで荒れはてた花壇みたいだった。そこここに残る平穏だった日々の痕跡が、荒廃した家族関係との間に残酷なコントラストを描いている。

 陰謀論者と家族に聞き取りを行い、ネットメディアや論壇誌に記事を寄稿

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安倍悪魔化と統一教会支配説を信じ切った素朴な人々

安倍悪魔化と統一教会支配説を信じ切った素朴な人々

加藤文宏

 下関を統一教会の聖地と断定した有田芳生の演説は衝撃的であった。演説には批判の声が寄せられたが、肯定的にとらえて賛同する立憲民主党議員や一般人の主張を意訳すれば「そう言われるのが嫌なら、有田芳生に投票しろ。有田が当選すれば聖地とされたレッテルをはがせるぞ」というものだった。

 どこかで見た光景だ。福島県に原発事故で汚染されて取り返しがつかなくなった土地と風評のレッテルを繰り返し貼り、

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ミヤネ屋と専門家の構造 誰が陰謀論を生み 誰がテロに賛同したのか

ミヤネ屋と専門家の構造 誰が陰謀論を生み 誰がテロに賛同したのか

追記:2023.4.21 対策法と教会自身によるコンプライアンス強化策によって被害が減少していた点を補記した。

加藤文宏

反カルトから生まれたカルトなのか 安倍元首相暗殺事件以来、暴力が連鎖する可能性を警告してきた。そして暗殺事件を発端にして展開された旧統一教会追及の異様さと弊害を、教会2世だけでなくオウム脱会信者などに取材し、さらにワイドショーとの関係をデータをもとに論考した。これらはnot

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スキャンダル暴露で踊り狂った統一教会問題を データと証言で振り返る【短信】

スキャンダル暴露で踊り狂った統一教会問題を データと証言で振り返る【短信】

「みんな暴露、暴露、暴露……で酔って踊り狂ってた」「いま統一教会に向いているものすごい熱量が何を達成できるのか、私には想像できません」と、統一教会二世で公務員のA氏は言った。カルト問題解決の要点である被害者の救済はどこへ行ってしまったのか。

構成・本文写真・タイトル写真
加藤文

救われるどころか怯えるA氏 旧統一教会・世界平和統一家庭連合について8月末に下記の有料記事を公開し、予告通り更新を続

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神真都Q 倉岡被告公判開始と袋井市新本部で深まる家族問題

神真都Q 倉岡被告公判開始と袋井市新本部で深まる家族問題

構成・タイトル写真
加藤文

憂慮されるふたつのできごと 神真都Q構成員本人と家族の問題について取材と報告を続けてきたが、いま構成員家族問題は大きな曲がり角に立っている。そして9月6日、新型コロナウイルスのワクチン接種会場に侵入し業務を妨害したとされる倉岡宏行被告ら5人の初公判が東京地裁ではじまり、全員が起訴内容となっている犯罪事実を認めた。

 このふたつのできごとは無関係か、裁判の成り行き次第

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神真都Q崩壊 何が変わり何が変わらないのか──面白おかしい話はひとつとしてない

神真都Q崩壊 何が変わり何が変わらないのか──面白おかしい話はひとつとしてない

加藤文 (Kヒロ)

 陰謀論集団神真都Qの崩壊が確実になった。これまで神真都Q構成員の実態を証言などから伝えてきた責任の一貫として、いま何が起こりつつあり、これからどうなるのか手短に伝えることにする。

 神真都Qは、彼らが会員制団体となったときからくすぶり続けていた金銭管理の杜撰さへの疑惑を端緒として崩壊しようとしている。この問題を理解するうえで頭に入れておきたいのは二点。神真都Qはイチベイ(

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ママ友から陰謀論を介して浸透するニセ医療──ニセ医療問題2

ママ友から陰謀論を介して浸透するニセ医療──ニセ医療問題2

ニセ医療をめぐる言論は、ニセ医療とされる行為とこれを行う医師や施術者を語ることに費やされてきた。そこにはニセ医療に騙されないための啓発もあったが、騙される人々の5W1H(誰が、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように)が注目されることは少なかった。今回は、ニセ医療がママ友を介して深く浸透している問題を、騙される人の側から考えることにする。

■前回の記事

脱ステロイドはインスタグラムから

「キラ

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コロナ禍を騒がせた彼らはさっそく忘れられてなにも解決されないままひとつの時代が終わるのか

コロナ禍を騒がせた彼らはさっそく忘れられてなにも解決されないままひとつの時代が終わるのか

コロナ禍が“原因”で反ワクチンや陰謀論の騒動が“結果”なら、この結果が原因になって新たな問題が登場しても不思議ではない。あの奇妙な人々の騒動が賞味期限切れの話題になっても、彼らは消えていなくなったわけではないのだ。

彼らは消えていなくなったわけではない2020年1月に国内で新型コロナ肺炎の感染者が見つかってから、私たちは今まで経験したことのないできごとに翻弄され続けてきた。こうしたできごとには変

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ワクチン忌避を煽った医師が神真都Qや多数の陰謀論者を生み出した実態

ワクチン忌避を煽った医師が神真都Qや多数の陰謀論者を生み出した実態

ワクチン害悪論を煽る医師や研究者が生み出したものはワクチン忌避者だけではありません。そして彼らは何ひとつ後片付けをしないまま承認欲求やビジネスを追求しています。

著者/ケイヒロ
聞き取り/Kヒロ+ハラオカヒサ:プロジェクト

もうひとつの神真都Qストーリー陰謀論集団である神真都Qの構成員を妻に持つ方からメールが届いた。

「真面目な妻が神真都Qに至るキッカケを作ったのは、大阪市立大学井上正康名誉

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デマと陰謀とビシネス/期待通りの結論を求めて単語を切り貼りする人たち

デマと陰謀とビシネス/期待通りの結論を求めて単語を切り貼りする人たち

誤った情報を信じて本人のみならず家庭や社会を混乱させる人たちがいます。こうした人たちを食い物にするビジネスがあります。陰謀論の本質から、人の心のもろさと、もろさを弄ぶビジネスについて考えます。これは陰謀論に限らない明日は我が身の問題です。

著者/ケイヒロ
聞き取り・調査・まとめ/Kヒロ+ハラオカヒサ:プロジェクト

それはジクソーパズルを組み立てるようにはじまったプロジェクトとして反ワクチン派や

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緊急更新 陰謀論や神真都Qによる家庭内被害の現状と対応

緊急更新 陰謀論や神真都Qによる家庭内被害の現状と対応

著者/ケイヒロ (Kヒロ+ハラオカヒサ:プロジェクト)

変更・追加/2022.4.17 23:23 対応の基本に追記

いま何が起こっているのか2022年3月から4月にかけてワクチン接種会場やクリニックへのカルト的な陰謀論集団『神真都Q(ヤマトキュー)』の実力行使が頻発し、その後逮捕および警視庁公安部による家宅捜索にまで発展した。

こうしたできごとの直後から筆者(およびプロジェクト)に神真都Q

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神真都Qな父は娘を悪魔と罵った/終わりなき家族の修羅

神真都Qな父は娘を悪魔と罵った/終わりなき家族の修羅

[緊急掲載]神真都Q(ヤマトキュー)構成員はどのように変容して家族を苦しめたのか。家族の責任にしてよいのか。家族に救いはあるのか。

著者/ケイヒロ

記事の前に神真都Qをやめたい場合はまずどうすべきか。次の記事で方法を具体的に説明している。

神真都Qに個人情報を握られていることを危惧するなら警察や弁護士への相談を勧めたい。もし個人情報を使った嫌がらせが発生したら迷わず110番通報を。そのときあ

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期待通りの物語がほしい反ワクチン派80%が陥ったウクライナ・ネオナチデマ

期待通りの物語がほしい反ワクチン派80%が陥ったウクライナ・ネオナチデマ

ウクライナ侵攻問題でロシアの主張を鵜呑みにする反ワクチン派を知るための調査と仮説。考え、論じるための材料です。

著者/加藤文宏
調査/Kヒロ+ハラオカヒサ:プロジェクト

この記事の結論

ウクライナをネオナチ国と信じたのは誰だ2022年2月24日、ウラジミール・プーチン大統領がウクライナに軍事侵攻する目的をウクライナの非軍事化と非ナチ化であると説明した。

ウクライナにはナチス・ドイツに加担し

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神真都Qは信者にとって会いに行けるアイドルなのかもしれない

神真都Qは信者にとって会いに行けるアイドルなのかもしれない

神真都Qと従来型陰謀論との決定的な違い。アイドルとしてのイチベイ。活動に参加することで完成する、陰謀論のエンターテインメント化。前例なき陰謀論の構造について。

著者:加藤文(ケイヒロ)

従来型の陰謀論とあきらかに違う神真都Q筆者は1週間前に以下の論考で神真都Q(ヤマトキュー)とは何か、その危険性はどのような性質のものか説明した。

上掲の記事では、神真都Qを知るための第一歩を複雑にしないよう、

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