菊川 恵(きくかわ めぐみ)

ソーシャルワーカーの🐣です。福祉分野での学び、当事者としての学びをつらつらと書いていき…

菊川 恵(きくかわ めぐみ)

ソーシャルワーカーの🐣です。福祉分野での学び、当事者としての学びをつらつらと書いていきます。家族にまつわる福祉や心のことに興味があります。

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記事一覧

誰のための「理想の子育て」なのか

妊娠6ヶ月になりました🤰妊婦生活も半分きったところです。   こんなnote書いてるのに、子どもが生きて産まれなかったら、どうしよう・・・と思い、怖くなりながら書いて…

本質的でありたいから、もぐることにした【引っ越した&転職したよ】

実は3か月前に引っ越し&転職しました! 今回のハイライトは、当事者を降りて、就活したこと。 わたしは子どもの頃からずっと、自分の生い立ちのストーリーで、たくさん…

家族を安全な場所にできるように、家をひらくと決めた

1月14日(月)に結婚しました。 家族って、むずかしそうだな、ってずっと思っていました。 距離が近いからこそ、相手と自分が一体化しやすいんじゃないか、と。 本当は、…

仕事を「心の拠り所」にしない

「変わらないもの 探していた あの日の君を忘れはしない」 奥華子さんの「変わらないもの」の一節を最近よく思い出す。 「時をかける少女」を見てから大好きになって、…

目が醒めるような毎日

「醒」 今年を漢字一文字であらわそうと考えたとき、真っ先に浮かんだのが「醒」だった。 2018年は、文字通り、目が醒めていくような1年だった。 年明け早々に「当事者…

クリスマス・イヴの日、ひとつ決めごとをした

サンタさんは、気まぐれだと思っていた。 子どもの頃、どれだけ頑張ってお願いしても、ほしいものをもらえなかった。 きれいな字で手紙を書いてみたり、見えやすいように…

主役になれなくても、心躍る瞬間はつくれる

思い返してみると、主役になれない人生だったな、と思う。 子どもの頃から、なにか創ったり、表現したりすることが好きだった。 でも、絵の具づかいが絶望的に下手だった…

小さくてもいいから、本当のことがしたい

子どもの頃から、嘘をつくのが苦手だった。 例えば、先生がテストの採点ミスをしたとき。たとえ点数が下がったとしても、言い出さずにはいられなかった。 そんな不器用さ…

もう一度、人の力を信じてみたくなった #soar応援

こちらの記事には、ウェブメディアsoarの3周年に向けて、soarメンバーやsoarライター・これまで記事に登場した方たちがsoarへの思いを綴ったコラムを掲載しています。 「#…

分かりやすさへの危機感

子どもの頃、好きなことにしか興味を持てなかった。 大人になってからも、子どもの頃と変わらず、興味関心の幅は狭いまま。 人の尺度はどうでもよくて、自分が心踊るもの…

選択肢は「知る」ことから始まる

社会的マイノリティの人々の個別の物語を通して、可能性が広がる瞬間を描くメディア「soar(ソア)」。 この前、soarで自分の生い立ちと経験からの気づきを書く機会をもら…

「暗闇の中にいる人」に届きますように

あー、こんなに「誰も置いてけぼりにしない」本には初めて出会った。 この前、『暗闇でも走る 発達障害・うつ・ひきこもりだった僕が不登校・中退者の進学塾をつくった理…

ドキュメンタリーに生きたい

社会福祉士の勉強を始めたり、こども宅食という新しい取り組みに加わったり。2017年は自分が広がった年だった。   時代に逆行してる感があるけど、2018年は深める年にした…

心の痛みは誰にも測れない

当事者は語れない、と言われる。 「語れない」という言葉には、困っている人は「自分が何に困っているのか分からない」「困りごとを言葉にできない」という意味が込められ…

「つなぐ」のその先を考える

「サポートにつないだ後、どうなるんだろう?」と思う。 困りごとを抱えた人のサポートをする「ソーシャルワーク」。 ソーシャルワークには、目の前の人に向き合うことや…

乗り越えた自慢を聞かせてくれ

「幼いころに“虐待”を受けた子どもは、脳が萎縮する」 「子ども時代に家庭で傷ついた経験が、大人になってからの人格形成に影響する」 それは、分かったからさ。 じゃあ…

誰のための「理想の子育て」なのか

誰のための「理想の子育て」なのか

妊娠6ヶ月になりました🤰妊婦生活も半分きったところです。
 
こんなnote書いてるのに、子どもが生きて産まれなかったら、どうしよう・・・と思い、怖くなりながら書いてます。
 
コロナ禍の中での出産は、正直、マイナスなことも多いと思うのですが、そんな中で大切な気づきがあったので、残しておきます。
 
✱ ✱ ✱ ✱ ✱
 
わたしは、人との関わりが苦手です。怖くなって、逃げ出したくなります。
 

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本質的でありたいから、もぐることにした【引っ越した&転職したよ】

本質的でありたいから、もぐることにした【引っ越した&転職したよ】

実は3か月前に引っ越し&転職しました!

今回のハイライトは、当事者を降りて、就活したこと。

わたしは子どもの頃からずっと、自分の生い立ちのストーリーで、たくさんのものを得てきました。お金も、仕事も、人間関係も。傷でつながったものばかり。

今回は、久しぶりに自分の当事者性を語らず、ストーリーでの共感を得ない形で就活できました。
 
なんとなく、自分の人生にとっても、第2のステージに立ったのかな

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家族を安全な場所にできるように、家をひらくと決めた

家族を安全な場所にできるように、家をひらくと決めた

1月14日(月)に結婚しました。

家族って、むずかしそうだな、ってずっと思っていました。

距離が近いからこそ、相手と自分が一体化しやすいんじゃないか、と。

本当は、たとえ家族であっても、「あなた」と「わたし」は違う人間のはずなのに。

苦手なことや課題みたいに、気になるところほど、自分のことのように捉えやすいと思うんです。
 
指摘する内容が、本当に相手を考えてのことなのか、自分の思うように

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仕事を「心の拠り所」にしない

仕事を「心の拠り所」にしない

「変わらないもの 探していた あの日の君を忘れはしない」

奥華子さんの「変わらないもの」の一節を最近よく思い出す。

「時をかける少女」を見てから大好きになって、中高生の時に無限リピートしていた曲。

この曲を取り憑かれたように聴いていたわたしは、きっと「手放せない人間」だったのだと思う。

わたしは、関係性を手放せない。

来る者は拒まず、去る者は追わず。そんな凛とした人に憧れていた。

でも

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目が醒めるような毎日

目が醒めるような毎日

「醒」

今年を漢字一文字であらわそうと考えたとき、真っ先に浮かんだのが「醒」だった。

2018年は、文字通り、目が醒めていくような1年だった。

年明け早々に「当事者とはなにか」の議論に心が揺らいだ。

わたしは、起きた出来事の大きさと、痛みの大きさは比例しないと考えている。

そもそも痛みはその人だけのもので、ほかの人が測ることはできない。

その前提に立ちつつも、「当事者」という記号が、自

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クリスマス・イヴの日、ひとつ決めごとをした

クリスマス・イヴの日、ひとつ決めごとをした

サンタさんは、気まぐれだと思っていた。

子どもの頃、どれだけ頑張ってお願いしても、ほしいものをもらえなかった。

きれいな字で手紙を書いてみたり、見えやすいように高い位置に手紙を貼ってみたり。

自分なりに工夫はしてみたけれど、クリスマスプレゼントはいつもお菓子だった。

サンタさんの正体は、おじいちゃんとおばあちゃん。ゲームばかり欲しがるわたしに、一切ゲームを与えなかった。

それも、ひとつの

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主役になれなくても、心躍る瞬間はつくれる

主役になれなくても、心躍る瞬間はつくれる

思い返してみると、主役になれない人生だったな、と思う。

子どもの頃から、なにか創ったり、表現したりすることが好きだった。

でも、絵の具づかいが絶望的に下手だったり、とにかく音痴でリズム感がなかったり、散々だった。

「好き」と「得意」はまったく別なのだ、と人生の割と早い段階で気づいてしまったように思う。

「大きくなったら、なにか変わるかな」

そう期待したものの、高校生や大学生になっても、自

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小さくてもいいから、本当のことがしたい

小さくてもいいから、本当のことがしたい

子どもの頃から、嘘をつくのが苦手だった。

例えば、先生がテストの採点ミスをしたとき。たとえ点数が下がったとしても、言い出さずにはいられなかった。

そんな不器用さは、おとなになっても変わらずで、仕事の選び方にもあらわれた。

わたしは「やりたいこと」はもちろん、「どう在りたいか」を大切にしていた。

「小さくてもいいから、本当のことがしたい」

これが、はじめての就職活動のときに、心においていた

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もう一度、人の力を信じてみたくなった #soar応援

もう一度、人の力を信じてみたくなった #soar応援

こちらの記事には、ウェブメディアsoarの3周年に向けて、soarメンバーやsoarライター・これまで記事に登場した方たちがsoarへの思いを綴ったコラムを掲載しています。

「#soar応援」キャンペーンのお誘いをいただいて、いろいろと昔のことを思い出した。

そのひとつが中学時代のことだった。

わたしは中学生のとき、ラジオが大好きだった。ちょうどその頃、家も学校もなんとなく楽しくなくて、どこ

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分かりやすさへの危機感

分かりやすさへの危機感

子どもの頃、好きなことにしか興味を持てなかった。

大人になってからも、子どもの頃と変わらず、興味関心の幅は狭いまま。

人の尺度はどうでもよくて、自分が心踊るものだけが大好きだった。

本を読むときも、同じようなジャンルばっかり読んでいた。

それでも、もちろん楽しいのだけれど。

でも、なんだか、自分が触れたものが、自分の幅を決めるような気もする。

だから、自分の幅を広げるために、今年はいつ

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選択肢は「知る」ことから始まる

選択肢は「知る」ことから始まる

社会的マイノリティの人々の個別の物語を通して、可能性が広がる瞬間を描くメディア「soar(ソア)」。

この前、soarで自分の生い立ちと経験からの気づきを書く機会をもらった。

“生きづらさ”もちゃんと見つめたい。だって私の大切なアイデンティティのひとつだから。親との関係に苦悩した子供時代を経て、菊川恵さんが気づいたこと

soarで書こうと思ったのは、「ひとつの事例になりたい」と思ったからだ。

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「暗闇の中にいる人」に届きますように

「暗闇の中にいる人」に届きますように

あー、こんなに「誰も置いてけぼりにしない」本には初めて出会った。

この前、『暗闇でも走る 発達障害・うつ・ひきこもりだった僕が不登校・中退者の進学塾をつくった理由』という本を読んだ。

これは、不登校・中退・引きこもりなどを経験した人に向けた個別指導塾「キズキ共育塾」を運営されている安田祐輔さんの半生を描いた本だ。

内容紹介にも書かれているように、安田さんは起業までに様々な経験をされている。

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ドキュメンタリーに生きたい

ドキュメンタリーに生きたい

社会福祉士の勉強を始めたり、こども宅食という新しい取り組みに加わったり。2017年は自分が広がった年だった。
 
時代に逆行してる感があるけど、2018年は深める年にしたい。もっとリアルに触れて、掘り下げていきたい。
 
でも、それは、社会というより、自分へのアンチテーゼだと思う。

いつも早く何かを手に入れたくなって、見えない誰かに追われている自分自身への。

1)そばにいる人を深める
スピード

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心の痛みは誰にも測れない

心の痛みは誰にも測れない

当事者は語れない、と言われる。

「語れない」という言葉には、困っている人は「自分が何に困っているのか分からない」「困りごとを言葉にできない」という意味が込められている。

自分が何に困っているのか言語化して伝えられる人は、「真の当事者ではない」と言われることもある。

この表現には、心が痛む。

なぜ心が痛むのか。

それは、真の当事者こそがサポートすべき人であり、それ以外は対象者ではない。そう

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「つなぐ」のその先を考える

「つなぐ」のその先を考える

「サポートにつないだ後、どうなるんだろう?」と思う。

困りごとを抱えた人のサポートをする「ソーシャルワーク」。

ソーシャルワークには、目の前の人に向き合うことや、地域や社会に働きかけるなど、いろいろな側面がある。

現場から遠いところで働いている人には「サポートにつなぐ」という意味で使われることが多いように感じる。

もちろん、何かのサインに気づいて、つなぐ役割を担うことは重要。

ただ、少し

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乗り越えた自慢を聞かせてくれ

乗り越えた自慢を聞かせてくれ

「幼いころに“虐待”を受けた子どもは、脳が萎縮する」
「子ども時代に家庭で傷ついた経験が、大人になってからの人格形成に影響する」

それは、分かったからさ。
じゃあ、大人になった私たちは、どう生きればいいんですか?

「事実を伝える」という名目で生まれた、虐待やDVのルポタージュ。

クリックされるために、煽るかのように「鬼畜」「罵る」「悲劇」という衝撃的な言葉ばかり並べられたタイトル。結末はきま

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