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妄想のカケラたち

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書く習慣アプリのお題 シロクマ文芸部のお題 ....などから妄想したもの
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2023年8月の記事一覧

【自由律】華やぐ朝

【自由律】華やぐ朝

#121 華やぐ朝

殺風景な
僕の部屋に
君の笑い声と
金木犀のコロンが香り
僕の心も華やぐ朝

書く習慣アプリのお題「香水」から #自由律

【短編】幸せな彼女が愛するヒマワリ畑の秘密(シロクマ文芸部)

【短編】幸せな彼女が愛するヒマワリ畑の秘密(シロクマ文芸部)

ヒマワリへ朝一番に水をやり
手入れをするのが、この夏の彼女の大切な日課です。

都会から少し離れているけれどそんなに不便ではない、緑の多い住宅地で彼女は暮らしています。
子供には恵まれませんでしたが、夫と2人で穏やかな幸せを紡いでいるようです。

この家の庭には、彼女が15年かけて育てたささやかなイングリッシュガーデンがあり、一見ランダムに見えるけれど、考えて植えられている夏の宿根草たちが咲き繁り

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夕日を迎えるエメラルドグリーン

夕日を迎えるエメラルドグリーン

#119 夕日を迎えるエメラルドグリーン

海へいこう
都会に疲れた足を引きずり
あの海へいこう
まだあるだろうか?
あの海は__

親友とおしゃべりばかりで
仕上がらなかった写生大会
居残りでふたりで描くことにしたあの船着場で
青春のおしゃべりはさらに続いた。

気がついたら夕方で、青かった海はエメラルドグリーンのグラデーションに変わり夕日を迎えていた。

ショッピングモールどころか映画館もない

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【詩】もう、愛には戻れない

【詩】もう、愛には戻れない

#118 もう、愛には戻れない

裏返した愛情は
嫉妬になるけれど
嫉妬を裏返しても
もう、愛には戻れない

書く習慣アプリのお題「裏返し」から #詩

【詩】ないものねだり

【詩】ないものねだり

#118 ないものねだり

空を飛ぶ
鳥のように
自由になりたい
君は言う

空を飛ぶ
翼の代わりに
僕らには
自由を掴む
この手があるのに

書く習慣アプリのお題「鳥のように」から #詩

【SS】フユコの歩く理由はフユコにもわからない(シロクマ文芸部)

【SS】フユコの歩く理由はフユコにもわからない(シロクマ文芸部)

ただ歩く、
ただただ、ひたすらに、歩いています。

歩く理由はあったような気がするけれど、忘れてしまいました。

思い出そうと考えるのもなんだかちょっとねぇ...

ただ、立ち止まってはいけないような気だけはして、夕日に急かされながら、ただただ歩いています。

「フユコおばあちゃん!
 どこ行くの?
 みんな探してるよ!」
息を切らせて走ってきたセーラー服のかわいいお嬢さんから声をかけられました。

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【詩】大切なコレクション

【詩】大切なコレクション

#117 大切なコレクション

片方なくしたシルバーのイヤリング
ビーズが飛んだ髪飾り
ピンが壊れた猫のブローチ
子供の頃夜店で買ってもらったペンダント

もう鳴らないオルゴールに入っている
もう使えない大切なコレクション

書く習慣アプリのお題「いつまでも捨てられないもの」から #詩

【短歌】綴ってばかりの恋 (シロクマ文芸部)

【短歌】綴ってばかりの恋 (シロクマ文芸部)

文芸部の
窓から見える
片想い
声に出せずに
綴ってばかり
#シロクマ文芸部  参加作品です。
ご覧頂きありがとうございます。
また、部長の小牧さん
今週もありがとうございます

言っちゃえばいいのにさー.....と
下世話に思いつつ詠みましたww

冒頭に「文芸部」が来る事が条件だったので、そのために、出来あがった歌は他の部に置き換えられないよう下の句を考えるのが自分なりのちょっと頑張った点です

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愛されし蝶々 【詩】

愛されし蝶々 【詩】

#116 愛されし蝶々

今日も舞う
華やかなライト
栄光の喝采
やまないアンコール
愛の紙ふぶき

休むことはありえない
私はみんなの私

いつの日か
舞えなくなる日が
来たならば
広げた羽をピンで留め
美しくおさまったガラスケースの中から
蝶よ花よと
愛されることになるのでしょう

書く習慣アプリのお題「蝶よ花よ」から #詩

続けるために問い続けるのだ! (シロクマ文芸部)

続けるために問い続けるのだ! (シロクマ文芸部)

平和とは__
今日も空に問いかける

空気と水と安全と
そして、ファーストフード店員の笑顔さえも、
当然のようにタダの国で大人になったけれど
実はこの世界はずっと不安定で
後ろ手に皆がピストルを隠し持つ世界なのだ。

その気になればいつでも撃ち合いを始められる。

だから、始めないために問いかけ続ける
平和とは

この夏一番の炎天の下で
溶けてゆくアイスクリームにさえ
なす術持たぬちっぽけな自分だ

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優しい夜の迎え方 #妄想のカケラ

優しい夜の迎え方 #妄想のカケラ

#115 優しい夜の迎え方

明日、もし晴れたら、
思いきり布団を干しましょう

そのままベランダで猫と一緒に
ひなたぼっこもしましょう

そうして、
日暮れ前に取り込んだ布団とひなたぼっこ猫に
移ったおひさまの匂いに包まれて
眠りに落ちて見る夢は陽だまりのような夢

きっと、そんな、優しい夜になるのでしょう__

書く習慣アプリのお題「明日、もし晴れたら」から #詩

だから私は一人でいたい #妄想のカケラ

だから私は一人でいたい #妄想のカケラ

#114 だから私は一人でいたい

他人の些細な息遣いが耳につきはじめたら限界なのだ

私は部屋にこもってひとり静かに布にくるまる
思わず誰かを傷つけて、自分も傷つかないように

ある日、そんな私を「心配」という善意を着た隣人が尋ねてきた

いくらなんでもずっとひとりは寂しすぎるだろう
少しは陽に当たった方が気分が良くなるだろう

などと、用意してきた彼の思う親切を披露すると
断りもなく私のくるま

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