マル

とりあえず、note で書くことを始めました。 総じて、学ぶことが好きです。 日々の暮…

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とりあえず、note で書くことを始めました。 総じて、学ぶことが好きです。 日々の暮らしで学んだことを書いていきます。 クリエイティブとかアートという言葉に弱いです。 自分にないものだからかな。

記事一覧

空間の落とし穴にはまって

馴染みのない街で、カフェを探していた。 待ち合わせに、早く着きすぎてしまったのだ。 「××電気店焙煎所」 Googleマップは、ここが一番近いカフェだと示す。 はて、…

マル
4か月前
7

カラフル住宅

三半規管が弱いのだろうか。 新幹線に乗ると、大概、耳がつまる。 子どものころは飛行機に乗ると、耳が痛くて、静かに泣いていた。 あめ玉とか唾を飲み込むとか、そんなも…

マル
6か月前
17

夕立ちの日に

まるで、他人が話しているのを、側から眺めているかのようだった。 自分の前に、漫画みたいな吹き出しすら見える。 …… 窓の外には、珍しくグレイの雲が低く垂れ込める…

マル
9か月前
10

『The Yin and Yang of Gerry Lopez ジェリー・ロペスの陰と陽』から

ジェリー・ロペス Gerry Lopez 名前は、聞いたことがあった。 あとは、サーファー界のレジェンドということは知っていたくらい。 YouTubeで、彼の半生を描いたフィルムが…

マル
10か月前
9

長い休暇

長い休みに入った。 文字通りのゴールデンなウィークだ。 日本は、明日から休みなんだって? 祝日がたくさんあって、いいよね 海外からメッセージが飛んでくる。 おいお…

マル
1年前
13

雨の日に思う

なんにも確からしさのないこの世の中で、 確かなことって、なんだろうか? 自分だよ と言いたいけれど、まだそんな自信はないや。 小学生のときに、夢中になって読んだ…

マル
1年前
14

最高のベーコン

いったいどんな人が、どんな理由で、 わざわざ休みの日の朝に、オープン前の百貨店に並ぶのだろうと、長い間、疑問に思っていた。 いや、しかし、 今日、ついに、自分の番…

マル
1年前
10

本と本の間で、眠りたい

自分は、所謂、本好きとまでは言えないけど、 やっぱりブックカルチャーには興味がある。 三つだけ、気に入ってる本屋の話しをしたい。 一つは、前住んでいた街にあった…

マル
1年前
22

その現場は、左手が見た

今年は、秋が長いのだろうか。 そもそも、今は、秋なのだろうか。 秋は、なんていうか、もう少しキュンとする季節ではなかっただろうか。 なんだか、いろいろな意味で「…

マル
1年前
8

お久しぶり、ニッポン

相変わらずだ、この空の色 立ち止まって、空を見上げた。 建物と、空の境目が分からないような色合い。 このところ特に、だ。 灰色がかった水色、というのかな。 吸い…

マル
1年前
9

二つの家 vol.5

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 前回の話し Mumは、紅茶を飲みながら、私に語りかける。 ここには、来たいときにいつでも来ていいのよ…

マル
1年前
8

二つの家 vol.4

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 前回の話し その白い木造の家は、中も白が基調だった。 床は濃いマホガニーで、落ち着いたよい色だ。 …

マル
1年前
5

二つの家 vol.3

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 前回の話し 「いつも同じ服着てるよな」 同じクラスの男の子が、私に向かって言ってきた。 言われてち…

マル
1年前
4

二つの家 vol.2

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。  前回の話し いつから、この感覚あったんだろうか。 落ち着かない、そして、閉塞感。 とりあえず、そ…

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1年前
6

二つの家 vol.1

これから書くことは、ちょっと勇気がいる。 ファンタジーすぎるかもしれないし、 なにを伝えられるのか、分からないからだ。 でも、noteは書く練習場だと思ってるし、 書…

マル
1年前
9

蟹と引越し

日本に帰ることになり、機上でメモを書いている。 幾つになっても、引越しは好きじゃない。 その移動に、どんな前向きな理由があったとしてもだ。 自分は、この家も土地…

マル
1年前
12
空間の落とし穴にはまって

空間の落とし穴にはまって

馴染みのない街で、カフェを探していた。
待ち合わせに、早く着きすぎてしまったのだ。

「××電気店焙煎所」

Googleマップは、ここが一番近いカフェだと示す。

はて、電気店なのか?コーヒー屋なのか?

不思議に思いながら店に近づくと、若いカップルがちょうど入って行くところだった。

中をのぞいてみると、明るくて、感じがいい。
レジの前に、これでもかと、いろんな食べ物が並んでいるのが見える。

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カラフル住宅

カラフル住宅

三半規管が弱いのだろうか。
新幹線に乗ると、大概、耳がつまる。

子どものころは飛行機に乗ると、耳が痛くて、静かに泣いていた。
あめ玉とか唾を飲み込むとか、そんなもんじゃ効かないんだ、あれは。

東京駅を出発し、しばらくすると、だんだんと耳に圧を感じ始める。
ちょうど、そのあたりで、右手にカラフルな家が並ぶ様子が見えてくるんだ。

知ってる人もいるかな。
パステルカラーの黄色や水色の壁に、赤や緑色

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夕立ちの日に

夕立ちの日に

まるで、他人が話しているのを、側から眺めているかのようだった。
自分の前に、漫画みたいな吹き出しすら見える。

……

窓の外には、珍しくグレイの雲が低く垂れ込めるのが見えた。
久しぶりに雨が降るようだ。

オフィス街のショッピングモールにある、その和食レストランは、昼時を迎えてかなり混んでいた。

東京のど真ん中ならではの価格だが、ボリュームがあるし、料理のあしらいもきれいなので、人気がある店だ

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『The Yin and Yang of Gerry Lopez ジェリー・ロペスの陰と陽』から

『The Yin and Yang of Gerry Lopez ジェリー・ロペスの陰と陽』から

ジェリー・ロペス
Gerry Lopez

名前は、聞いたことがあった。
あとは、サーファー界のレジェンドということは知っていたくらい。

YouTubeで、彼の半生を描いたフィルムが無料で公開されているよ、とにかく観てごらんよと言われて、めずらしく素直にその提案にのっかり、昨夜、観たところだ。

『The Yin and Yaing of Gerry Lopez ジェリー・ロペスの陰と陽』 パタ

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長い休暇

長い休暇

長い休みに入った。
文字通りのゴールデンなウィークだ。

日本は、明日から休みなんだって?
祝日がたくさんあって、いいよね

海外からメッセージが飛んでくる。
おいおい、きみたちだって、つい最近までイースター休暇だったじゃない。

日本は、こんなにたくさんの祝日があるのに、なんでいつも忙しい感じがするんだろう。
腹が立つというより、純粋に、不思議だ。

祝日がある分、仕事が集中するからかな?
いい

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雨の日に思う

雨の日に思う

なんにも確からしさのないこの世の中で、
確かなことって、なんだろうか?

自分だよ

と言いたいけれど、まだそんな自信はないや。

小学生のときに、夢中になって読んだ本や、教室の窓の外に見えた椎の木や、講堂でみんなで見た映画や、初めて聴いたバッハの楽曲や、

今でも昨日のことのように思い出すことができるあの瞬間、私は、なにと繋がっていたんだろうと思う。一体なにを見ていたんだろう。

あの瞬間の私の

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最高のベーコン

最高のベーコン

いったいどんな人が、どんな理由で、
わざわざ休みの日の朝に、オープン前の百貨店に並ぶのだろうと、長い間、疑問に思っていた。

いや、しかし、
今日、ついに、自分の番が来てしまったんだ。

理由は、シンプルだった。

海外から遊びにきた友人が、ランチしようと声をかけてくれたのだ。
その指定されたお店が、新宿の百貨店にある小籠包が有名な店だった。

中華ならば、世界中にあるだろう、
とちょっと思ったけ

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本と本の間で、眠りたい

本と本の間で、眠りたい

自分は、所謂、本好きとまでは言えないけど、
やっぱりブックカルチャーには興味がある。

三つだけ、気に入ってる本屋の話しをしたい。

一つは、前住んでいた街にあった本屋で、
残念ながら、今はもうない。

店は狭いし、限られた本しかないんだけど、その品揃えがすごいんだ。
各コーナーに対して思い入れがあり、プロフェッショナルだった。  

店員は、皆、アーチストや学芸員みたいな雰囲気で、服装からしてお

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その現場は、左手が見た

その現場は、左手が見た

今年は、秋が長いのだろうか。
そもそも、今は、秋なのだろうか。

秋は、なんていうか、もう少しキュンとする季節ではなかっただろうか。

なんだか、いろいろな意味で「鈍い」気がする。

駅前ロータリーの街路樹は、真っ赤に色付いた葉をここしばらくぶら下げている。なかなか落ちる気配もない。

気候だけじゃなくて、
私の感覚も、どこか、鈍いな

なんて思いながら、駅前のスーパーに寄って、小魚の干物を買った

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お久しぶり、ニッポン

お久しぶり、ニッポン

相変わらずだ、この空の色

立ち止まって、空を見上げた。

建物と、空の境目が分からないような色合い。
このところ特に、だ。

灰色がかった水色、というのかな。

吸い込まれそうな青い空というけど、
こんな灰色の空の方が、本当に吸い込まれたら、果てしなく「無」なんじゃないだろうか。

この国の空は、いつも、
いろんなものを吸い込んでいるようだ。

前方からたくさんの人が歩いてくるけれど、
なんてい

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二つの家 vol.5

二つの家 vol.5

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。

前回の話し

Mumは、紅茶を飲みながら、私に語りかける。

ここには、来たいときにいつでも来ていいのよ。
あと、家族に何でも好きなものを持って帰ってあげて。何でも。
さあ、選んできて。

と、促された。

全く迷うこともなく、私は、家族への贈り物を三つ目の前に揃えた。

父へは、古い素敵な置時計を、
母には、庭で友だちになった仔鹿を

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二つの家 vol.4

二つの家 vol.4

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。

前回の話し

その白い木造の家は、中も白が基調だった。
床は濃いマホガニーで、落ち着いたよい色だ。

長い廊下に、えんじ色の絨毯が敷いてある。そのせいか、ますます、廊下が長くて見えた。廊下沿いの壁には、幾つか、感じのよい絵が飾られていた。
重くもなく、軽くもない、草花や人物の洒落たデッサンだった。

廊下の左側にあるリビングには、古い

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二つの家 vol.3

二つの家 vol.3

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。

前回の話し

「いつも同じ服着てるよな」
同じクラスの男の子が、私に向かって言ってきた。

言われてちょっとびっくりした。
そうだったんだ、私。同じ服着てるんだ、と。

確かに、セーターとスカートをいつも同じ組み合わせで、二、三セットを順番に着ていた。

ちゃんとした質のものだったには違わないが、他に着る服が無かったわけでもないのに。

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二つの家 vol.2

二つの家 vol.2

二、三年前に経験した、個人的なできごとについて書いています。 

前回の話し

いつから、この感覚あったんだろうか。

落ち着かない、そして、閉塞感。
とりあえず、その暗い場所に、自分はじいっと座ってみた。

少しすると、

自分が、落ち着かないと感じていた感覚は、
なにか、黒い気体のように、映像として脳裏に浮かんできた。
そして、その黒い気体はボワボワと動きながら、名前を名乗ったんだ。

『どう

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二つの家 vol.1

二つの家 vol.1

これから書くことは、ちょっと勇気がいる。

ファンタジーすぎるかもしれないし、
なにを伝えられるのか、分からないからだ。

でも、noteは書く練習場だと思ってるし、
書き表わすことができるのか、チャレンジとして書いてみたい。

さて、いつごろだったかな。
それほど前でもなく、ここ二、三年の話しだ。

早朝、部屋の中で、バサンという音がして覚めた。

音がして目が覚めたというより、音がする前に、す

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蟹と引越し

蟹と引越し

日本に帰ることになり、機上でメモを書いている。

幾つになっても、引越しは好きじゃない。
その移動に、どんな前向きな理由があったとしてもだ。

自分は、この家も土地も気に入っているし、定住型だし。

そう言ったら、友人に、かに座だね、と言われた。
かに座ってそうなのか?

帰る前に、よく通っていた地元のプラネタリウムにでかけた。
とにかく、ここはプログラムが素晴らしい。
毎日、3、4回ショーがあり

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